福島出張【2】(2024/02/18~02/20)
飯坂温泉 導専の湯:
で、そんなに歩いたにもかかわらず、この後飯坂温泉に浸かりに行くことにしている。飯坂線がタイミングよく入線していたので、それに飛び乗り一路飯坂温泉へ。
この路線は意外にもツーマン運転をしていた。車掌はアナウンスこそしないが、駅で乗降客の切符の回収などを担当しており、駅に到着する度に列車内を行ったり来たりして忙しそうだった。
飯坂温泉はエリア内にいくつかの共同浴場がある。一番観光客向けなのは波古湯(はこゆ)と、鯖湖湯(さばこゆ)の2ヶ所だが、波古湯は1月の出張時に入っているので、今回は違うところに行こうと思っている。となれば順番的には鯖湖湯なのだが、飯坂温泉はお湯の温度が高いことで知られている。要は熱いお風呂だ。
エリア内にいくつかある共同浴場のほとんどはその熱い湯舟がひとつしかないのだが、せっかくの温泉なのだからのんびりじっくり浸かりたい。そういう要望があるからかは不明だが、何ヶ所か高温と低温のふたつ湯舟を備えているところもあるらしい。鯖湖湯は熱い湯舟がひとつだけしかないらしいので、今回はその湯船がふたつある共同浴場の方に行ってみることにした。
ということでやってきたのは導専の湯(どうせんのゆ)。地元の利用者向けの共同浴場なので建物は素っ気ない。波古湯、鯖湖湯は利用料金が300円だが、地元向けの共同浴場は200円となっている。その代わりあくまで地元向けであり、中も銭湯のような感じになっているので、鄙びたムードを味わいたい人でなければおススメできない。
で、ここのお風呂だが、確かにふたつの湯舟があるのだが、ぶっちゃけどっちも熱い。温度の低い方は辛うじて入っていられるが、高い方は人が入るものとは思えないくらい熱い。でも地元の老人たちはそっちに入るんだよなぁ・・・。
熱いお湯だから長湯なんてとてもできない。出たり入ったりして何度か頑張ったが、15分もしたらもう満足してしまった。飯坂線の運賃は片道370円、往復740円である。片道20分電車に乗って、15分ばかりお風呂に入るためのコストを考えるとどうにも割が合わないが、考えたら負けである。
帰りがけ、飯坂温泉駅前の橋がライトアップされていたので撮影。ただ、温泉街そのものに賑わいがなく、ライトアップされた橋も心なし寂しげであった。
たかだか15分しか湯舟に入っていないにもかかわらず、2月の福島の外気に触れても全く寒さを感じないほどに体は暖まっていた。このポカポカ感は流石温泉だな。
というわけで再び20分かけてホテルに戻り、後はのんびりと過ごした。
岩代清水駅まで散歩:
2024/02/20
前日の19日は終日仕事。特にどこかを散策することもなく、ホテルと客先の往復のみだったので省略。
で、翌20日は前述のとおり有休を取得している。完全プライベートなので会社にホテル代を請求するわけにはいかず自腹となるが、まぁ自腹で延長したことを後悔しない程度には楽しんでおきたい。だが、前述のとおり福島界隈にはこれといった見どころがない。どうしようかなとしばし思案して、とりあえずもう一度飯坂温泉に入りに行くことにした(なんだかんだ言ってハマってるw)。
それだけでは消化不良なので、何か他に見どころがないかとあれこれ探しているうちに、福島交通軌道線の保存車両が伊達市の保原市民センターに置かれているという情報を見つけた。じゃあそれを見に行こうと思ったのだが、福島駅から見て温泉は北西方向、保原市民センター北東の方角に位置する。両者を結ぶ公共交通機関を調べたらバスがあるようだが、本数が非常に少ないので使えない。かといって一旦福島まで戻ってくるのもバカバカしい。
双方の距離を調べてみるとおよそ10kmほど。そのくらいなら何とか歩けるかな・・・。帰りの新幹線は15時過ぎの便を予約しているので、それまでに歩き切って福島まで戻らなくてはならないが。
ちなみに保原市民センターは平地に位置するが、飯坂温泉は小高い丘の上に位置しているので高低差がある。流石に登る方向に10km歩くのはしんどいので、飯坂温泉から保原市民センターに向かうルートを取ることにした。
ということで、ホテルをチェックアウトして出発。そのまま昨日と同じように福島から電車に乗っても良いのだが、せっかくだから少し歩くことにした。

飯坂線の線路は暫く東北本線と並走した後、福島県立美術館の付近で分かれ、その先は終点までほぼ飯坂街道に沿ったルートを通っている。道路と線路は隣接しており、車社会になった昨今において乗客減の元凶となっているであろうことは想像に難くない。
線路と飯坂街道は途中の上松川駅付近で進路を北に変えるが、そのまま直進する道路が分かれている。この道は県道312号線というのだが、地図で見ると福島市街を北西方向に一直線に進んでいる。その直線具合から水道道路か何かかなと思ったら、この道は明治時代の国道である萬世大路だったものそうだ。

飯坂線の美術館図書館前駅の脇を歩いている時に丁度列車がやってきた。この車両は1000系といい、かつて東急で日比谷線直通用として使用されていた1000系である。中間車を改造して運転台を取り付けた2両編成なのだが、前述の7000系に負けず劣らずなかなか素っ気ない前面デザインだ。まぁ、そこにお金をかけてもしょうがないというのが今時の潮流なのかもしれない。
そうして歩くこと約30分で岩代清水駅に到着。

もう少し先まで歩こうと思ったのだが、丁度列車の時間が近づいていた。列車は30分に1本なので、この列車を見送ってさらに歩くと次の列車が駅と駅の間で自分を追い抜いていくことになりそうだ。それだと延々列車に乗りそびれてしまう気がしたので、最初の散歩はここで終了。
やってきた列車に乗り飯坂温泉駅まで。今回で3度目の飯坂温泉駅だ。初回訪問時はちょっとしたところに来た感じがあったが、3度目ともなると随分と見慣れてきた。