福島出張【3】(2024/02/20)

飯坂温泉 仙気の湯:


今回は湯舟がふたつある共同浴場のうち、もうひとつの浴場である仙気の湯に行くことにした。

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と、その前に波古湯に立ち寄り。1月に来た時は夜間で、しかも雨が降っていたので写真が撮れなかった。あえて撮影しておきたかったわけではないが、駅の目と鼻の先だったのでちょっと寄ってみた次第。

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波古湯の道向かいでは温泉旅館が取り壊し中だった。重機で盛大に崩されている。木造4階建ての建物だったようだ。廃業に伴う解体だろうか。

と、その時、背後からドカーンという大きな音が聞こえた。何事かと振り向いたら、川向かいにある別の解体中の旅館から聞こえてきたようだった。

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頭上に視線を送ると遥か高い位置にそびえたつクレーンのワイヤーの先が風に吹き流されている。もしや、資材が落下したのだろうか。

これから向かおうとしている仙気の湯も川向かいなので、ちょっと野次馬しに行ってみることに。ところが建物前の道が手前の交差点から工事中で通行止めになっていて進入できなかった。仕方ないので一本奥の路地を曲がり歩いていくと、建物の間から解体現場が見えた。

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だが、現場の作業員は何事もなかったかのように作業を続行しているように見える。特に事故が発生した現場のような緊迫感はなかった。結構な轟音のように感じたが、大した事故でもなかったのだろうか。

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その道をそのまままっすぐ進んでいくと仙気の湯がある。蔵造り風の外観で、昨日行った導専の湯の建物と同じモチーフになっていた。

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こちらの湯舟も昨日と同じような熱い温泉で、やっぱりのんびり浸かるタイプのものではなかった。飯坂温泉はこういうものなのだ。これが沸かしでないというのだから凄い。

ずっと入っていられないので、少し上がって水で冷やして、足だけ入れて・・・なんてやっていたら足が真っ赤になった。でも2日続けての入浴なので老廃物はきれいさっぱり流れたことだろう。まぁ、この後散々歩くので家に帰る頃には元通りになっていると思うが。

飯坂温泉内を散策:


ということで、3度目の飯坂温泉の熱いお湯もそれなりに堪能できたので、これより保原市民センターまでの散策を開始する。保原方面は来た道を引き返す形になるのだが、飯坂温泉に来るのが3度目と豪語する割に、前回、前々回と温泉街をほとんど散策していないので、まず少しその辺を散策してから向かうことにした。

経路はこんな感じ。

駅前の橋の1本上流側にある橋を渡って、再び温泉街のエリアに入る。

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橋の袂に建つ旅館は川のせせらぎが眺められる端正な作りだが、ご覧のとおり廃墟である。あちこちの部屋の中に廃材が山積みになっているが、すべて建物内にあったものだろうか。

こうした崖地に建つ建物ではありがちだが、5階が道路に面していてグランドフロアとなっている。なので道路側から見ると、

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3階建ての小ぢんまりしたビルにしか見えない。しかし素っ気ない建物である。どんな温泉旅館だったのだろうか。工事用の真新しいフェンスで囲われているところを見ると解体の日が近いようだ。

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さらに歩いていくとホテル聚楽の建物が見えてくる。この辺りではひときわ大きな宿泊施設だ。聚楽といえばマリリンモンローの、何となくそっくりさんっぽいけど、よく見ると全然似ていない外人が「じゅらくよん」といっているCMを思い出す。子供心に変なCMだなと思った記憶があるが、子供の頃に見たCMだからもう40年近く前だ。

それほど前からあるのだからなかなかの老舗だが、その割に見た目はそこまで古臭い感じがしなかった。リニューアルが適切に行われているからだろうか。

ただ、この辺りの温泉宿はこれまで見てきたとおり、あちこちで廃業が発生していて、地域自体に活力を失っているように見える。こういう資本力の大きい宿があると太刀打ちできないのかもしれない。

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さらに進んでいくが、キリがなさそうだったので適当なところで左折。そして次の路地を再び左折し再び駅の方を目指す。

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すると旧堀切邸がある。この辺りの庄屋だった人物の邸宅だったらしい。拝観無料ということだったので少しお邪魔してみた。

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広い敷地に数々の建物が建ち並んでいる。奥の方には足湯もあるとのことだが、さっき真っ赤になるまでボイルしてきたばかりなので、見に行く気にもならなかった。

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江戸時代に建造されたという十間倉の中には大量の吊るし雛が飾られていた。これはなかなか圧巻だった。

ひととおり見て回ったが10分もいなかったようだ。こういった物件の歴史的な背景や建造物を愛でる感性がないので、そういう所なんですねという以上の感想が出なかった。申し訳ない。

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更に進んでいくと鯖湖湯がある。こちらも歴史のありそうな建物だ。ただこのお風呂は熱いお湯の湯舟がひとつしかないので、多分入りに来ることはないんだろうな。

・・・なんかネガティブなことばかり書いてるな。

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そして駅の所に出てきて一周完了。といっても一部しか見られていないが。この先10kmの行軍が控えているので体力を温存。

国道399号線(飯坂温泉ー東北自動車道):


さて、ここから保原までは国道399号線を延々と歩いていく行程である。ひたすら真っすぐ歩くだけなので退屈しそうな気もする。まぁ、とにかく出発。

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飯坂温泉駅前にかかる橋を渡るとすぐに国道399号線にぶつかる。そこを右折すると左にカーブしながら西に進んでいく。

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すると程なく右に道が分岐する。国道は直進なのだが少し先で再び合流するようなので、一旦国道を外れて右側へ進んでみる。

旧道と思しき道は住宅地の中を進んでいて、めぼしいランドマークはなかった。

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やがて国道と再度合流する。ここからは田んぼの中の一本道をひたすら直進である。

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少し進むと歩道がなくなった。道路の際を歩いていくが時折自分の脇をダンプが通過していく。どこかで工事中なのかもしれないが、正直いって歩きづらいし危険。この道は歩行者が歩く想定がなされていないのだろうか。歩き始めたことを少し後悔したが、ここまで来てしまったら引き返すに引き返せないので前進あるのみ。

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景色の変化が乏しく、なんだかつまらない道だなぁと思いつつ進んでいくと、唐突にひときわ異彩を放つ、アバンギャルドな民家があった。建物は相当年季の入った古民家なのだが、庭先には雑然と散らばるガラクタの中に子供用の遊具と思しきものもあり、ここの主の年代が想像できない。

軒先に畳が並べられてその上に布団が無造作に干されて?いるし、壁にはヨハネの言葉のようなものが墨で大書きされている。どんな人が住んでいるのだろうか。

Posted by gen_charly