箱根散歩【2】(2010/06/19)
サンマーメン:
途中省略して箱根湯本駅に到着。今日の宿泊先となる宿は、元箱根と呼ばれるエリアの芦ノ湖畔にある。元箱根方面へは箱根湯本駅からバスが出ているので、それに乗れば一気に行くことができるのだが、それでは芸がなさすぎるので、今回は(も?)登山電車、ケーブルカー、ロープウェー、海賊船を乗り継いで元箱根へと向かいたい。そのために箱根フリーパスが必要になるのだ。

というわけでまずは駅の窓口でフリーパスを入手。時間はまだお昼前だが、朝食を軽く済ませたきりなのでぼちぼち腹が減ってきた。昼時になったらこの辺りの店も混雑するだろうから、今のうちに昼食を済ませておくことに。といっても、特に店のアテがあるわけでもないので、散策しながら興味を惹かれた店に行ってみようと考えているのだが、この辺りの表通りに建つ店は多分観光地価格で割高っぽい気がする。そこであえて裏通りの方を散策してみた。
すると軒先で職人が麺を手打ちしている中華料理屋があった。手打ち麺の中華そばにカミさんが興味を惹かれた。店の名前は日清亭という。店の前に出されていたメニューの値段も割とお手頃な感じだったので、ここで食べていくことにした。注文したのはサンマーメンと五目ラーメン。オーダーを済ませたらほどなく昼時になり、客が一気になだれ込んできて、店内はあっという間に満席になった。やっぱり少し早めに入店して正解だった。ただ注文した料理が出てくるまでに結構な時間待たされたが。
サンマーメンというのは横浜あたりでは昔からよく食されているラーメンだが、その割に全国的な知名度はそれほどでもないローカルフードである。自分も久しぶりに目撃したので思わず注文してしまった次第。ただ、残念なことに写真には残していない。まぁ、上のリンクを見てもらえば画像がいっぱい出てくるのでそれで十分だろう。手打ち麺は太さが一般的な中華そばのサイズで縮れていない。モチモチとして美味い。スープは割とあっさり目でサラッと食べることができた。
登山電車:
さて、ここから鉄道や船を乗り継いで元箱根へと向かうわけだが、さっきフリーパスを購入した窓口で、海賊船は風と霧のために運休中であると案内があった。自分らが現地に着くころには再開するだろうか。もし運休したままだと芦ノ湖畔を走るバスで元箱根へ向かうことになるが、海賊船の乗り場である桃源台から湖尻という場所までの間のバスは便数が少ないという話を聞いたことがある。果たしてすんなり進めるかちょっと不安がなくもないが、まぁ現地に着けば何とかなるだろう。最悪箱根湯本まで戻ってくればいいだけだ。そういうハプニングも旅の醍醐味。
ということで登山電車に乗って終点の強羅へと向かう。駅のホームは観光客で混雑している。といってもオンシーズンほどのひどさはないが。
20年ほど前の話だが、登山電車に乗るためにGWに箱根に来たことがある。この時は続々と到着するロマンスカーの乗客を容量の小さい登山電車が全然捌き切れず、駅舎の外に延々と行列ができていた。仕方なくその行列に並んで乗車したのだが1時間半も待たされた。それに比べたら閑散としているといっても良いくらいのレベルだ。

乗車待ちの列に並んでいると、やって来た電車に乗客がぞろぞろと乗り込んでいった。自分らが乗れる頃には座席は全て埋まってしまい立ち席しか残っていなかったのだが、ここからおよそ1時間の道のりを立ったままで乗車するのは流石にダルい。そこで1本見送って次の列車に乗っていくことにした。
今の電車が出発して15分くらい待っていると次の電車がやってきた。またモハ1形か・・・。なぜか自分が登山電車に乗りに来ると毎度毎度モハ1形に遭遇しがちだ。在籍車両の比率からしたら仕方ないのだが、一度くらい1000形や2000形に乗ってみたい。後ろに停まっているじゃないかw
とはいえ列車は20分に1本くらいなので、何本も見逃しているとどんどん到着が遅くなってしまう。仕方ないのでこの電車に乗る。
自分らが並んでいたのは編成の最後部、小田原寄りの扉である。そして乗車して確保した座席も一番後ろである。なぜかというとこの登山電車はスイッチバックをしながら登っていく電車だからだ。スイッチバックというのは勾配が厳しい所をつづら折りのような線形にして勾配を弱める仕組みだ。つづら折りの部分で電車は進行方向が反対向きになるので、そのタイミングでこちら側が先頭車両になるのだ。
箱根登山線は沿線に3ヶ所のスイッチバックがあるので、一番最後のスイッチバックから先はこちらが先頭車両になって終点の強羅に向かうことになる。だから一番後ろでよいのだ。
モハ1形に飽き飽きしているように書いたが、この電車はこの路線の開業当初から在籍している非常に古い貴重な車両である。モーターも関東近郊ではもはや貴重になったツリカケ式なので独特なモーター音を唸らせながら勾配を制していく。
この路線はスイッチバックの存在も特徴のひとつだが、勾配のキツさもまた特色で日本で一番急勾配を登る路線として知られている(今は条件付きになってしまったが)。

乗ってみるとよくこんなところに鉄道を敷こうと思ったな、というくらい険しい場所の連続である。急勾配のみならず急カーブも連続しているしトンネルもいくつもある。
なんなら地上43mもの高所を通過する早川鉄橋なんていう場所もある。鉄橋から深く刻まれた峡谷の一番底を川が瀬音を立てて流れているのが見える。見ているだけで足がすくみそうになる。
そんな険しい線路を運転手は絶妙なマスコンとブレーキ捌きで進んでいく。面白いなと感じたのはブレーキを完全に緩めずにマスコンのノッチを入れる運転方法だ。普通加速する時にブレーキはいらない。だが、この路線では運転手が時折そのような操作をしているのを見かける。加速しすぎないようにするためのテクニックなのかもしれない。

こちらは2つ目のスイッチバックである大平台駅の様子。ご覧のとおり線路が行き止まりになっている。
反対側を見るとこんな景色が見える。写真は3つ目のスイッチバックである上大平台信号場の様子だが、今しがた登って来た線路とその先の線路の高さの違いに注目。日本でこれほどの勾配差が見られる箇所は他にない。
箱根湯本駅は標高96mに位置するが、終点強羅駅に到着する時には標高は541mもの高さになっている。この区間8.9キロで445mも標高を稼いでいることになる。いかに急勾配を登り続けるか、そして箱根の外輪山の山裾がいかに険しいかがよく分かる。