箱根散歩【3】(2010/06/19)

ケーブルカー:


強羅駅ではケーブルカーが接続しており、早雲山駅までの1.2kmを結んでいる。強羅に来ると大抵そのままケーブルカーに乗り換えてしまうので、実は強羅の街中の様子はあまり知らなかったりする。せっかくなのでケーブルカーに沿った道を歩いて強羅の街を散策してみることにした。

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だが、我々はケーブルカーを舐めていた。通常鉄道では登れないような急傾斜地に線路を敷くためにケーブルカーというシステムが採用されるのだ。そんな場所が緩やかな平地であるわけがない。駅を出たら見上げるような坂道がまっすぐ伸びている。これを登るのか・・・。

この辺りはホテルや庭園などが続く瀟洒なエリアで、沿道には小雑貨を扱う店や豪奢な別荘が建ち並んでいたりする。もちろんそういうやんごとなき人たちはこんなところ歩かないだろう。少しでも気を紛らわせるために沿道の店を冷やかしたりしつつ進んだのだが、行程の半分も進まないうちにもう嫌になってしまった。

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このケーブルカーは途中駅が4つある。起終点を含めると6駅だ。ケーブルカーなので駅の間隔は等間隔である。もう登山は諦めて一番近くの駅からケーブルカーに乗ってしまおうと思いながら歩いていくと公園上駅があった。公園上駅は強羅から3つ目の駅である。つまり全行程の半分しか歩けていない。でももうお腹いっぱいだった。

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そうしてやって来たケーブルカーに乗って早雲山駅まで運んでもらった。背後の線路が恐るべき勾配で下っていることに注目してほしい。ここを登ってきたのだ。山の直登は意外ときついよ。

 

ロープウェー:


早雲山駅から箱根ロープウェーに乗り替えである。

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このロープウェーはかつて終点の桃源台駅まで1本に繋がっていてゴンドラも直通していたのだが、2000年にリニューアル工事が行われ、その際に途中の大涌谷駅を境に系統が二分されてしまった。なのでこのゴンドラは次の大涌谷駅までの乗車である。

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早雲山駅の標高は757m、次の大涌谷駅の標高は1044m。300m弱の標高を一気に登りつめる。ゴンドラに乗り込んで出発すると程なく、上空に立ち込めていた雲の中に入り込んだ。窓の外は一面の乳白色。何も見えない。

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早雲山駅を出たゴンドラは、一度山の稜線を越えると大涌谷の上空を一跨ぎして大涌谷駅に至る。その稜線を越えたあたりから時折突風が吹きつけてきてゴンドラを容赦なく揺らす。

この辺りは晴れていると眼下に大涌谷の荒涼とした景色を眺められる絶景スポットである。谷間のだいぶ高い所を通過するので、落ちたらただでは済まないなというスリルを味わうことができる。が、ご覧のとおりの車窓なので今どの辺なのかさっぱり分からない。そこへ吹き付ける突風が落下の恐怖を煽ってゴンドラ内の乗客を震え上がらせる。

ぶわっと風が吹き抜けてゴンドラがぐらりと揺れるたびに、乗客の誰かがヒャッと小さな悲鳴を上げる。だが、そこはリニューアル工事によって強化された耐風性による恩恵が最大限に発揮される。この程度の風では運休することはなくなったのだ。その分乗っていて恐怖を味わうことになるのだが・・・。

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どうにか大涌谷駅に到着し、ここで桃源台駅方面へのゴンドラに乗り換える。駅自体が雲の中にあるせいで建物の中ももやったような感じになっていた。

大涌谷といえば黒玉子。ここから少し歩いたところにある茶屋で買うことができるのだが、こんな天気で散策したら遭難しかねない。2人とも以前に食べたことがあるので今回は途中下車せずにそのまま桃源台駅へ向かうことにしたのだが、乗り換え先のホームに移動すると閑散としていた。ということは案外ここで降りてどこかへ向かった人が多いのだろうか。遭難するなよ・・・。

 

程なく滑り込んできたゴンドラに乗り込む。相変わらず景色は乳白色で、ゴンドラは時々ぐらりと揺れる。そんな揺れに身を任せていたらだんだん気分が悪くなってきた。景色が何も見えないのに自分の居場所がぐらぐらと揺れるものだから脳がバグり始めている・・・。

ふと隣を見ると珍しくカミさんも青い顔をして、気分が悪いと訴えた。同じゴンドラに乗り合わせた他の乗客たちからもそんな声がチラホラ聞こえてくる。お願いだからゴンドラ内でのリバースだけはやめてね。もらいゲロするから。

次の駅は姥子(うばこ)駅。そこまで8分ほどかかるらしい。どうにかそこまでは耐えなければ。見えない景色の中で何とか目につくものを見つけて脳をリセットさせながら凌いだ。

 

そうして姥子駅に到着。あまりにしんどいようなら一度下車しようと思ったのだが、標高が下がったせいか風も治ってきており、気分の悪さも一息ついた。だったらそのまま終点まで乗ってしまおうということになった。

姥子駅を出ると程なく雲から抜け出して周りの景色が見えるようになってきた。そうなってきたら快適な空の旅である。といってもこの辺りはだいぶ地面に近い所を進んでいるので空中散歩感はそれほどでもない。程なく終点の桃源台駅に到着した。

 

海賊船:


さてさて、ここから芦ノ湖の湖上を進む海賊船に乗って元箱根まで向かうのが予定しているコースだが、箱根湯本駅の窓口で海賊船の運休を告げられている。途中の早雲山駅でも海賊船が運休中である旨のアナウンスを聞いている。そしてロープウェーに乗っている時は強烈な風に翻弄された。この分では運行再開が期待できるわけがない。

とりあえず湖畔を進むバスに乗って元箱根を目指そう。もしバスの時間が空くなら箱根湯本駅まで戻るしかなくなるが、あの暴風の中をもう一度戻るのはゾッとしない。タクシー捕まえられたらタクシーで行っちゃうか・・・。

 

まぁ、とにかくバスの時間を調べないことには始まらないので、まずバス乗り場の方へ向かった。その途中で海賊船乗り場へ向かう通路が分かれるのだが、ついでなので海賊船の状況もチェックしておくことにした。そこには数十人ほどの人が運行再開を待って待機中だった。

とその時、運行再開を告げるアナウンスが構内に流れた。まじで?
船は20分後に出港するそうだ。なんとラッキーな。流石に湖の上だから海のような波で荒れることはないだろう。じゃあもう海賊船に乗るしかない。

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やがてマストを立てた船影が港の向こうの方から近づいてくるのが見えた。濃い霧の中、徐々に姿を現すその様子はまるで幽霊船のようだった。

接岸して程なく乗船開始。上で湖面が荒れることはないだろうなんて発言したが、それでも揺れたら船酔い待ったなしである。さっきのロープウェーでの乗り物酔いもまだ回復しきれていないので、念のためデッキで外の空気を吸って過ごすことにした。流石に雨が降ってきたら船内に移動しようと思うが、今のところ降雨はしていない。

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デッキから見える景色はこんな具合で景色らしきものはほとんど何も見えないが、それでもさっきよりは幾分霧が晴れてきている。

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この海賊船は途中箱根町という港に立ち寄ってから元箱根へと進む経路になっている。箱根町港では20分ほど停泊。

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そして桃源台を出てから1時間ほどで元箱根の港に到着し下船した。無事たどり着けたことに安堵。

Posted by gen_charly