主に東急線【3】(2010/10/13)
それから次に向かったのは和光市駅。いきなり飛んだが、実は間に笹塚と練馬での撮影を挟んでいる。とはいっても撮影したのは既に別エントリで紹介した車両ばかりなので省略。

で、和光市で撮影した車両。まずは9000系、こちらは後期型。サイドの処理が10030系と同じようにスッキリとしたデザインになっている。
しかしいつの間にか都内近郊路線の通勤電車のほぼ全てにスカートが取り付けられている。以前から標準的に装着していた鉄道会社もあるが、東武は比較的設置が遅かった方だと記憶している。幼い頃の自分にとって東武イコール垢抜けない鉄道会社というイメージだったこともあり、スカート装着している鉄道車両を見ると、未だになんとなく力強くて格好よさげだと感じてしまう。
もちろん、線路上への落下物を床下に巻き込まないようにするための装備なので、デザイン上のアクセントとして装着されたものではない。
そういえば小学校で理科を教えていた、鉄道好きのO先生というのがいた。たまに授業そっちのけで雑談をして授業を終わらせてしまうようないい加減な先生だったが、その雑談のレパートリーのひとつとして怪談話をすることがあった。その怪談でもとりわけ怖く印象に残っているのが東武の人身事故の話だ。
東上線の某駅で人身事故が発生したのだが、被害者の頭部がなぜかいくら探しても見当たらない。やむなくそのまま運行再開したのだが、池袋駅でJR線のホームにいた子どもが傍らにいた親に向かって、東上線の電車の下から誰かがこっち見てると言うので、親がそちらに視線を送ったところその頭部が床下に挟まっていたという話だ。
当時の東武はちょっといい加減なところがある鉄道会社だったので、案外本当にそんなことがあったのかもしれないと割と真に受けてしまい、暫くの間、頭からそんな映像が離れなくて困った(実際には遺体の一部が回収されないまま運行再開されることはあり得ないと思うので、実話ではないと思っている)。
小中の同級生で自分を鉄道趣味の道へと誘った張本人であるM君は卒業後東武鉄道に入社し、当初下赤塚駅の駅員をやっていた。その当時の東上線はまだスカート未装着で、人身事故が起こると床下に負傷者が巻き込まれてしまうことがあった。駅で人身事故が発生すると駅員の出番となり、負傷者の救護と称してバラバラになってしまった遺体の回収にあたらなければならなくなる。
M君もまた事故の際に現場に駆り出されたことがあったらしいのだが、そこは飄々としたM君のこと、その時の有様を「死体がヨガやってたよー」とこともなげに語っていた。そんな表現あるか。自分も鉄道員になることを夢見た時期があったが、彼みたいにハートが強くないと務まらないなと思ったことが懐かしい。
それはさておき、そんな東上線の車両にも後年になってスカートが装着された。そのせいでぐっと精悍さが増してかっこよい印象になった。

次が8000系。撮影した時はこの車両もぼちぼち見納めかと思ったが、現在(2025年)暮らしている千葉県某所は野田線がそう遠くないところを走っている。この路線はまだ8000系が幅を利かせている。なので見に行こうと思えばいつでも見に行ける。流石車両を大切に使う東武だけあって息が長い。

こちらは50000系の初号機。前面の貫通扉がない非貫通仕様だ。東上線において前面非貫通の車両は初めてではないだろうか。その後、この系列が地下鉄有楽町線直通用にあてがわれることになり、以降の増備車には貫通扉が設置されるようになった。

9000系。こちらは初期型であり、サイドのなみなみ(コルゲートという)が沢山あるタイプだ。

10000系。前期型の車両だ。縦に重ねられた前照灯と尾灯の配置がマツダのルーチェレガートを連想させる(そんなやつ日本に3人くらいしかいなさそうだが)。

その後、50090系が入線してきた。TJライナー用の送り込み快速急行である。ちょっと乗ってみたくなったので撮影はぼちぼち終了して、乗車して帰宅することにした。

この車両は、このところ各社で導入がブームっぽくなっているデュアルシートを採用している。関東地方ではその嚆矢となった車両でもある。デュアルシートというのは、座席をロングシートモードとクロスシートモードに切り替えて使用することができるようにしたもので、通常時はロングシートで運用し、朝夕の座席指定列車であるTJライナーとして使う時は回転させてクロスシートになる。座席にひじ掛けなどを設置した都合でロングシートモード時も6人掛けとなっている(通常は7人掛け)。
で、この送り込み運用といわれる快速急行は、池袋駅から折り返す際にTJライナーとなるわけだが、あらかじめクロスシートモードに設定した状態で運転されるので、座席料金が不要で運賃のみで乗車できるというお得な列車である。
というか東上線においてクロスシートの列車に乗る日が来るなんて夢にも思っていなかった。やればできるじゃん。自分が未だに東上線沿線に住んでいたら、自腹を切ってでも毎日TJライナーに乗って帰宅しそうな気がするw
ちなみにこのシートは2座席ごとに回転する仕組みなので、2席の中央部分に支柱が取付けられているのだが、その構造のせいか着席するとややグラグラする。隣の席に他の人が着席するとその振動がこちらまで伝わってくる。構造上やむを得ないのかもしれないが微妙に不快である。
和光市から池袋までの間のわずかな乗車区間だったがそこそこ堪能した。やっぱりクロスシートの電車はいいもんだ。

最後に送り込まれてTJライナーに変身した50090系でシメ。
(おわり)