北東北の旅【7】(2010/08/16)
せんべい汁:
さて昼時である。八戸といえばせんべい汁が有名。どこかで食べられないだろうかと持参したガイドブックをめくったが、ランチで食べさせてくれる店は掲載されていなかった。でも一度くらい食べてみたいんだよなぁ、ということでスーパーを覗いてみることにした。
市内を車で走っていたらよこまちスーパーという地元系のスーパーを見つけた。
店舗に入ると真正面にせんべい汁コーナーがあり、労せず入手することができた。もちろんここで売られているのは、自宅で調理するための材料なので帰宅後にチャレンジしてみたい。せんべい汁なんて最近になって観光客向けにでっち上げたローカルフードだと思っていたが、地元民御用達のスーパーの特等席に並べられている辺り、地元でも普段から食べられている正真正銘のローカルフードだったようだ。
で、昼食の方だが、総菜コーナーを覗いたら握りずしが売られていた。海の近くのスーパーは海鮮の鮮度が抜群という法則はここでも適用されそうだ。寿司はパッケージの外から見ただけでも東京で売られているそれとは段違いにみずみずしい光沢に満ちていた。しかも値段もお手頃。いうまでもなくそれを購入した。
会計の後、氷を分けてもらった。一関を出る時に山菜や野菜類をもらったのだが、流石にこの炎天下に剥き出しで置いておくわけにもいかず、持参したクーラーボックスに入れて保冷している。だがこんな陽気だけにあっという間に氷が溶けててしまう。そのままだと傷んでしまうのでスーパーに立ち寄るごとに氷を入手している。
節度をわきまえるのは当然だが、それでも無料で氷を分けてもらえるなんて良い時代になったものだ。以前はスーパーで氷のサービスをしているところが少なかったので、もっぱらロックアイスなどを購入していたのだが、溶けた後の処理に困ってしまう(量が多くて飲みきれない)ので、こうして氷を分けてもらえるようになったのが本当にありがたいのだ。
車に戻りその場でランチ。もう、寿司屋で食べるのと同レベルの寿司に遠い目をしてしまう。
八戸駅:
昼食を済ませたあと八戸駅に行ってみた。もちろん鉄道車両の撮影のためである。カミさんは興味がないから駅前の地場産業館で暇つぶししているとのこと。

入場券を購入しホームに降りると丁度485系の更新型が入線していた。この車両も息が長い。正面はオリジナルの面影がありそうでなさそうなマスクに取り換えられている。まだコレクションにない車両だったので撮影を済ませる。だが時刻表を見たら次の列車は暫く来ないらしい。あまりのんびり待っている時間もないので、ここでの収穫はこれだけ。
カミさんとの待ち合わせ場所に戻った時、丁度ホームにE751系が入線しているのが見えた。しまった。八戸止まりの列車のことを考慮していなかった。そこからだと列車は見えるがアングルが悪い。さりとて再入場するほどでもないし、まごまごしている間に出発したら目も当てられないので撮影は諦めた。
というわけで次に進む。なお、ここからしばらく鉄道関連の話が続くので、興味ない方は適当に読み飛ばしてください。
十和田観光電鉄:
次に向かったのは十和田観光電鉄の七百駅。これでしちひゃくと読む。ななひゃくじゃダメだったのだろうか。

この駅は車庫が併設されていて、かつてこの路線を走行していた車両が保存されているということなので訪ねてみた次第。
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改札を抜けたら目立つところに旧型車が留置されていた。この車両は自社発注車で3400形という。ちなみに後ろの緑の電車は元東急の3600形である。既に引退した車両なので本線上を走行することはないが、綺麗に手入れされた状態で維持されており、留置というよりは静態保存のような感じのようだ。
そしてこれらの車両は外観を眺めるだけではなく、車内にも立ち入ることができた。訪問時は夏休み企画として「カブトムシ列車」と銘打たれて車内が公開されていた。
その他、現役の車両なども撮影したが省略。ちなみにこの路線は自分らの訪問から2年後の2012年に廃線となってしまった。
南部縦貫鉄道:
十和田観光電鉄の撮影を済ませて次に向かったのは七戸町。かつて青森湾の沿岸にあるJR野辺地(のへじ)駅から内陸部にある七戸町まで南部縦貫鉄道という私鉄路線が通っていた。社名は壮大だが開業当初から経営難にあえぎ続けた赤貧の鉄道会社で、残念ながら1997年に運行休止、2002年に廃線となっている。
営業していた当時はもっぱらレールバスと呼ばれるバスサイズの鉄道車両がのんびりと走る路線で、自分が久しぶりに一関を訪ねた1990年当時も営業中だった。そういう鉄道があることはもちろん当時から知っていて、当時から何度も廃線の話題が出ては消えてを繰り返していたので廃止になる前に一度見に行きたいと思っていたのだが、一関訪問自体が数年ぶりだったので、青森まで連れていけとは流石に言い出せず、訪問叶わぬまま廃線となってしまったのだった。
廃線後は車両が七戸駅に設けられた車庫に集められ、その後有志によって動態保存が行われている。とはいっても通年営業ではなくイベント時のみの公開なので、うまくタイミングを合わせて訪問することは難しい。
今日もイベント日ではないので動いているところは見られないが、停められている車両の姿くらいは見られるのではないかと思って訪問してみたのだが。

というわけで旧七戸駅に到着。先ほど訪ねた十和田観光電鉄の七百駅から20分ほどの所にある。鉄道路線は廃止されたが企業そのものは南部縦貫株式会社に社名変更したうえで存続しており、この七戸駅駅舎に本社を構えている。
なので駅舎建物には現在もひと気があった。社名を変更してから結構な年数が経過しているが、駅に掲げられた社名は未だに旧社名のままとなっている。その駅舎は木造モルタル造と思しき構造で壁面はだいぶ煤けてきている。これでも開業は昭和37(1962)年なわけだからそれほど古い駅という訳でもない。開業当時から経営難に喘いでいたという話はこれを見るとさもありなんという感じがする。
駅舎の裏手にはホームと車庫が現存している。この車庫に留置されていることを期待しての訪問だったが車両は全て格納庫の中に収められているらしく、見えるところには1両も停まっていなかった。
実は訪問前に有志のWebサイトをチェックしていて、イベント時以外は見ることができないという記載を目にしていた。なので見られたらラッキーくらいのつもりだったのだが、やはりそう簡単にラッキーは訪れなかった。残念だが仕方がない。とりあえずせっかく来たのだから、もしグッズなどの販売があれば入手しようと事務所の方に声をかけてみることに。
事務所入口で声をかけると中から職員が出てきてくれた。グッズ販売の有無について問い合わせると、あることはあるが今日は担当者が休んでいて商品の保管場所が不明なので売ることができないと言われた。ないといわれたら清々しく諦められるのだが、あるけど売れないと言われるとお預け感が凄い。運のなさを呪う。
とはいえ売れないというのだからどうすることもできない。仕方ないのでお礼を伝えて事務所を出ようとしたとき、その職員から、車両を見に来たのですか?と聞かれた。首からカメラを提げていることに気が付いたらしい。なんならちょっと食い気味に、そうなんですよぉ・・・と少し残念そうに答えたら、見て行かれます?と言うではないか。もちろんお願いします!と即答した。そんなラッキーあっても良いのか。