北東北の旅【12】(2010/08/17)
津軽鉄道:
美味いしじみ汁に舌鼓を打ってシャキッとしたところで次の目的地へと向かうことにした。次に向かうは津軽鉄道の津軽五所川原駅。津軽鉄道といえばストーブ列車が非常に有名。夏真っ盛りに訪ねてもその雰囲気は味わえないかもしれないが、その客車を一目見てみたい。

津軽五所川原駅。といってもJRの五所川原駅と同じ場所にある駅で、JRの駅舎の一角に間借りするかのように津軽鉄道の駅舎がある。

入場券を購入して改札を通り抜けると、出たのはJR線のホーム。津軽鉄道のホームはJR線のホームの一角にあり、改札の奥は同じホームに出るような作りになっていた。昔はそんな感じで他社線であっても仕切りのない駅があちこちにあった。完全に乗客の性善説に立った設計で、こんにちではちょっと考えられない。

ストーブ列車はホームのある線路に留置されていた。その奥は留置線が数本あって津軽鉄道の車庫になっている。
早速撮影させてもらった。客車は3両連結されているようで反対側の客車も見せてもらおうとホームを進んでいくと、途中に立入禁止の表示があってそれ以上先に立ち入ることができなかった。なぜそこで規制しているのかよく分からない。この先の車両を見せたくない事情でもあるのだろうか。
なので結局客車はこちらサイドの車両しか撮影できなかった。まぁ客車は運転席がないので表情が薄く、自分的にはあまりそそられない存在だったりするので写真に撮れなくてもそれほどがっかりはしなかった。
それよりもこの客車の一番の特徴であるダルマストーブを見てみたい。車両の乗降扉は開放されているので見ようと思えば見られるのだが、立ち入ってよいか判断に困った。と丁度その時ホームを駅員が歩いてくるのが見えたのでその駅員に声をかけて許可を頂いた。
客車内の撮影は問題ないが立入禁止になっている区域には入らないようにとのこと。お礼を言って客車内にお邪魔させてもらった。

この車両はオハ33形といい、国鉄の旧型客車だった車両だ。元から旅情を誘うアンティークな設えが、津軽鉄道に譲渡されて年季が入ることで更に深みのある味わいを醸し出している。で、こちらがそのストーブ。元々客席だったところを一部撤去してストーブが置かれている。旅番組などを見ると、この焼き網の上でイカなんかを焼いたりしているシーンが映し出される。
ストーブは車両の落成当初からそうなっていたかのようなエイジングを感じさせるが、上述のとおり実は後付けである。というかそもそも鉄道で火災が発生すると大惨事になりかねないので普通ストーブなんか置かない。
古い客車でも暖房といえば、機関車から供給されるスチームを利用したスチーム暖房が取付けられているのが普通だ。この車両も国鉄で使われていた当時はスチーム暖房が使われていたのだが、津軽鉄道に譲渡された際に津軽鉄道が所有する機関車がスチーム供給機能を持たないものだったため、苦肉の策としてストーブを設置したのだそうだ。
だから本来ストーブ付きの車両はよそではまずお目にかかれないものなのだが、レトロな客車とレトロなストーブの組み合わせを見ると、何故か、昔はこうだったよなぁみたいなことを言いたくなるような郷愁を感じる。
よくよく考えてみるとこんな小さなストーブなので車両全体を温めるには力不足だろう。特に両方のデッキ部分は風も入り込んでくるのでこのストーブからのぬくもりはほとんど感じられないのではないかという気がする。冬に乗車したことがないので分からないけど。
やっぱり夏場に見ても感動が薄いな・・・。冬に乗りに来てみたいところだ。
ちなみに2つ上の写真にも写り込んでいるが、この客車の停まっている線路の外側の線路にも客車が停められている。それも実はなかなかに貴重な車両なので見てみたいのだが、いかんせん線路内に立ち入るのはNGと言われているので、しばし思案した結果、

客車の窓を開けてそこから撮影させてもらった。こちらの車両はナハフ1200形というが元は西武の電車だった車両である。津軽鉄道に譲渡された際に客車に改造されたもので、団体列車などに利用されていたそうだ。窓越しにテーブルが見える。現在はあまり出番がないようで車体はだいぶ傷んできている。そういえばこの車両の暖房はどうしているのだろう?ストーブがありそうには見えないが。
こういう車両もそのうち見られなくなる日が来る。そうして見逃してしまった車両が沢山あるので撮れるうちに撮っておかないと。

津軽鉄道の車両は客車ばかりではない。旧型客車を連ねて走る姿は強烈な郷愁を誘う絵面を提供するが、普段使いとしてはやや不便な存在である。ということでディーゼルカーもある。こちらは旧国鉄から譲り受けたキハ22形。だがご覧のとおりこちらもだいぶ傷んでいる。

流石に近年は車両の更新が進んで新しいディーゼルカーに置き換えられている。こちらは津軽21形という。地元出身の小説家である太宰治の小説にちなんで「走れメロス」という愛称が付けられていた。
津軽鉄道の車両は他にもあるが、撮影できない場所におかれていたのでこの辺で。

JRの五所川原駅を発着するのは五能線の列車だ。戻り際に丁度列車がやってきたので1枚撮影。こちらはキハ40形。
撮影を済ませて車に戻る途中、なんか妙にデカい倉庫のようなものがあった。

何だこれ。庫内に軽自動車が停められているが、その大きさからこの巨大さを想像していただきたい。何を格納するための物だろう。五所川原といえばねぷたである。立佞武多を収めるための格納庫だろうか。それにしてもでかい。