信州ドライブ【5】(2010/09/18)
東京にあった(らしい)人骨風呂:
しかし白骨温泉とはなんともおどろおどろしい名前だ。白骨、すなわちスケルトン、ガイコツである。そうした類のものが周囲に多く散らばっているとか!?
実は自分はこの温泉を小学生の頃から知っていた。多分旅番組かなんかで紹介されていたのを見たのだと思うが、そのとき傍らにいた祖母に、白骨(しらほね)温泉って白骨(はっこつ)と同じ字だけど、ガイコツとかあるの?みたいな小学生らしい純真無垢な問いを投げかけた。
祖母は優しく笑いながら、さすがに骨は入ってないわよ~と、ごくまっとうな回答をしてくれた。が、それに続けて、
「でもそういえば昔、東京のどこかの温泉で人骨を入れているお風呂があるって聞いたことがあるわねぇ・・・。」
ファッ!今なんと・・・!?
当時の自分はとてもビビりな子供だったので、幽霊、お化け、ガイコツといった類のものが非常に苦手だった。小学校の理科室にあった骨格模型ですら直視できなかったのだから相当なものだと思う。そんなビビりな自分にとって祖母の発言は尋常ならざるインパクトがあった。もう頭の中は東京のどこかにあるらしい、骸骨が浮かんだ温泉のことでいっぱいである。
父からは自分がビビりであることを知っているのでちょいちょいからかわれていた。もし祖母のいうことが本当ならそれを父が耳にしたら間違いなくそこに連れていかれる。そう危惧した自分はそれ以上その話を掘り下げることができなかった。なのでその発言の事実関係は一切不明。
まぁ、普通に考えてヨタ話だよな。本当に存在したならむしろ大事件である。
それにしてもとんでもないヨタ話をするものだ。仮にあったとして何の効能を求めて人骨スープに浸かるというのか。とはいえ昭和は現代と比べたらカオスなことが多かった気がする。何の根拠もないことを堂々と騙る詐欺まがいのような輩も多かったようだから、もしかしたらもしかするのかもしれない・・・いやいや、骨スープへの入浴など100%ありえない。第一その人骨をどこから調達するというのだ。
今なら馬鹿いわないでよ、で終わりにできる話だが、当時の自分はその話を聞いて心底ビビった。もう夜も眠れない。部屋の電気を消せば天井に骸骨が浮かび、目を閉じれば瞼に骸骨が浮かぶ・・・本当、人が悪い。
とまぁ、そんなトラウマがあったので記憶に残っていたという次第。成長と共に、んなわきゃないと正しく理解できるようにはなったものの、何となく足が向きづらいなというモヤっとした気分は残ったままだった。だがついに来てしまった。当時だったら親が入りに行くぞと言った瞬間、涙の拒否権を振りかざしていたであろうその場所に。
長々ヨタ話を披露してしまったが、白骨温泉の由来は元々しらふね(白船)と呼ばれていたものが徐々に訛ってしらほね(白骨)になったといわれている。いや骨なんて縁起でもない。字当てる前にちょっと落ち着け。でももう自分はその由来を知っているから怖くないぞw
白骨温泉 野天風呂:
券売機で券を購入し、入口の門をくぐると下に降りていく階段が続いている。

その階段を降りていく途中、男湯が筵の隙間から丸見えだった。男だったらいいのか?

で、階段を降り切ったところに受付がある。前述したとおりチケット売り場は階段の降り口のところにある。もしチケット購入後に階段を見てめげたとしても、返金してもらうために一度は降りなければならない完全なるトラップ仕様。
湯舟は大きなものがひとつあるだけで源泉かけ流しになっている。かけ流されたお湯はそのまま川に流れ込んでいるため石鹸の利用は禁止されている。そのお湯からは硫黄の香りが立ちのぼっていて、さすが温泉王国長野県の温泉だけはある。温度はやや温めなのでじっくりと浸かるタイプだ。
傍らに流れる川のせせらぎと険しい断崖を眺めながらの入浴は非常に野趣あふれるもので、のんびりと足を延ばしているとどんどんリラックスしていくのが分かる。
1時間ほどのんびりと浸かってあがったが、カミさんはまだ出てきていなかった。待ち時間の間に敷地の中を見て回っていたら、盛大に水が流れ出ている蛇口があった。出しっぱなしで離れるなんてマナーがなっとらんなと思いながら近づいてよく見てみると、山の湧水をそのまま流しているので蛇口は締めないでと書かれていた。そういうことだったか。せっかくなので一口含んでみたら、キリっと冷たくすっきりとした口当たりの水で風呂上がりの水分補給に最適だった。
サカエ:
お風呂も済んだので後は夕食を食べて寝るだけだ。まだ今晩の宿泊地を決めてなかったので、風穴の里でもらった道の駅のガイドマップをチェックしてみた。明日は戸隠に行ってそば打ち体験をする予定なので、そこに出やすい場所で絞り込んだら道の駅小川村というのが最寄りらしいことが分かった。その道の駅へはいったん松本に出てそこから戸隠方向に進んでいくことになるようだ。
松本市内に入ってから道沿いの食事処を探しながら進んでいくと、手打ちそばと書かれた看板が見えた。カミさんが食べてみたいというのでその店に入ることにした。明日またソバ食べるのにね・・・。

店の名前はサカエという。地元密着な感じのお店だ。

注文したのは煮カツ定食。これは自分が注文したもの。明日のそば打ちを見越したわけではないのだが、何となくしっかりしたものが食べたかった。ご覧のとおりのボリュームでしっかり満腹になった。

カミさんは初志貫徹ということで天そばを注文。おそばにしてはかなり細い麺である。手打ちを謳っているのは本当らしい。ただ自分はそばといえば冷やで食べたい派である。温かいつゆに入れると麺の歯ごたえがなくなってしまうからだ。なので暖かいそばを注文すると、どんなにこだわって作った麺を提供するところでも同じような味に感じてしまう。そこが残念。
食事を済ませて道の駅へと向かう。途中で明日の朝食を仕込んでおこうとスーパーに立ち寄る。この辺りは圧倒的にアップルランドというスーパーを見かけることが多い。関東では見かけない店だったので調査を兼ねて立ち寄った。売りものの値段は割と標準的な感じで、東京の相場と比べて大いに安いなんてことはなかった。ただ、休憩スペースでお茶が無料提供されているのが目新しい。こういうサービスが広まってくれると嬉しいところだが。
さて食材の仕込みが終わったので、改めて道の駅へと向かう。大町まで北上してから小川村へ向けて東進するルートなのだが、これといって特徴のない道が続いていてだんだん飽きてきた。途中、道の駅ぽかぽかランド美麻というのがあったので休憩を兼ねてちょっと立ち寄ってみたのだが、その時点で既にいい時間になっていて、どうにも眠くなってきたので予定変更。ここで今晩を過ごすことに。