信州ドライブ【8】(2010/09/19)
ながでんトレインギャラリー:
そば打ち体験もできた(自分は食べ専だったが)し、たらふく食べられたので満足である。ということで午後は自分の趣味の世界にちょっとお付き合いいただきたい。まぁ鉄道ネタなのだが。
長野には私鉄が4社あるのだが、その中で一番規模が大きいのが県都長野市を中心に3路線(※2010年当時)を経営する長野電鉄である。この鉄道会社は15年ほど前に撮影に訪れたことがあるのだが、以来線内を走る車両がだいぶ様変わりしているようなので、長野電鉄の今を見に行ってみようと思っている。
まずは小布施駅。この駅に併設する形でながでんトレインギャラリーという施設が数年前に開業している。長野電鉄により運営されていて、見学するためには小布施駅の入場券を購入すればよい。

というわけで入場券を購入して構内へ。留置線の一部に屋根が架けられその下に4両ほど旧型車両が保存展示されている。

だがご覧のとおり列車はきっちり直列に繋がれていて、それぞれの車両はほぼサイドしか見ることができない。
車両の脇に通路が設けられていて車内が公開されていたので中も見学させてもらった。

こちらがその車内である。古き良き昭和の電車の面影が良く残る車両で趣は良いのだが、シートが悲惨なことになっている。ほとんどのシートは表皮が擦れて剥げてしまっているし、傷みがひどくなったのかシートごと撤去されてしまっている場所もあって、お世辞にも保存状態が良いとは言えない感じだった。
須坂駅:
小布施駅で見学したかった車両は一瞬で見終わったので今度は須坂駅へ行ってみることに。

須坂駅は2路線が接続する駅で構内に車庫が併設されている。

というわけでホームに降りると早速お目当てのひとつが停まっていた。この車両は10系と呼ばれる自社発注の車両だ。長野電鉄では一時期、車両にOSカー(Officeman&Students)という愛称を与えていた時期があり、この車両は新OSカーと呼ばれていた。
新があるのだから旧もある。初代のOSカーとしてデビューした0系という車両だ。この車両は通勤・通学需要に対応するために導入されたもので東京や大阪あたりの通勤電車に準じた20m4扉の構造で登場した。これで増え続ける通勤・通学客をさばく想定だったのだが、増備を前にして地域の人口が減少に転じたことなどにより、オーバースペックとなってしまった。扉が多い分保温性に難があってサービス低下に繋がる結果となってしまったのだ。
その反省を生かして次期車両は3扉の車両としてデビューすることになった。それがこの電車である。地方私鉄が発注した車両にしてはといったら失礼かもしれないが、端正なデザインで安っぽさがない。当初はこの車両を更に増備していく想定だったらしいのだが、以降増備する車両は東急の中古車(2500系)で賄われることになったため、この車両の製造はこの1編成のみで終わってしまった。
その2500系も数年前に置き換えが行われたが、その際も営団地下鉄(東京メトロ)の中古車や東急の中古車で賄う方針となり、異端児になってしまったこの車両は運用保守を簡略化の際にやり玉に挙がって、登場から20年ほどで廃車の憂き目となってしまった。
廃車後はここで倉庫として余生を送っているとのこと。車両がそういう状態になると手入れされなくなるので加速度的に傷んで、やがて解体されてしまう傾向がある。そのため解体される前に撮影をしておきたいと思っていたのだ。無事カメラに収めることができた。

ホームで待っていると特急湯けむりが入線してきた。ご覧のとおり元小田急の10000形ロマンスカーである。この車両はハイデッカー構造を採用し、高所からの眺望を売りにした車両だったが、そのことがアダとなりバリアフリー法に対応できなくなったため、早々に小田急を引退するハメになったこれまた悲運の車両である。
小田急で廃車となった後、長野電鉄が購入することになり、短編成化のうえ長野電鉄の特急として第二の人生を送っている。前面展望の車両なので長野の素晴らしい車窓をかぶりつきで眺められる貴重な車両となっている。
他にも撮影はしているが掲載は省略。
須坂市動物園:
自分が撮影している間、カミさんは駅前のスーパーを散策していたのだが、取り立ててめぼしいものはなかったようで駅前で合流した時には手ぶらだった。ただ、近隣にカンガルーのいる動物園があるという情報を入手したらしく、カンガルーを見に行きたいとリクエストされた。開園時間を見ると16時で閉園と書かれているが、現在既に15時を回っている。ゆっくりと見られない気がしなくもないが、カンガルーメインで見るくらいなら大丈夫か。
ということでその動物園に行ってみることにした。

動物園は須坂市動物園といい市営でやっているようだ。ラッキーなことに訪問時はシーズン期間中ということで閉園が1時間繰り下げられて17時閉園となっていた。それなら多少はゆっくりと見物できそうだ。しかも市営の施設だけあって入園料はたったの200円。小1時間の見学でも充分に元が取れそうな価格だ。
窓口でもらった園内マップを見ると、カンガルーの写真にハッチという名前が添えられている。ハッチは数年前にテレビで話題になったカンガルーである。ここがあの動物園だったのか。ハッチは残念ながら昨年死んでしまったそうだが、今でもカンガルーの飼育は行われているとのこと。
カンガルーを見るためにやってきたわけだが、閉園時間の延長で余裕ができたのでお楽しみは最後に。他の動物たちから見て回ることに。
園内には大型の動物も飼育されていて市営といっても力が入っている。数年前に北海道の旭山動物園が動物へのエサやりとか、ふれあいの方法とか、その動物にまつわるトリビアの表示、といった様々な工夫を凝らすことでこれまでの動物園にはない斬新な展示を始めたことが話題を呼び入園者が大幅に増加したことがあった。これに全国の動物園も触発されて、近年はより動物にふれあえて理解が深まるような展示の工夫が行われるようになった。ここも同じように様々なトリビアが掲示されていて、ひとつひとつ見ていて飽きない。
そうしたトリビアに目を通しつつあちこちのオリを眺めていたら、少し離れた場所からスピーカーで何やら話している声が聞こえてきた。飼育員が見学者に何かを説明しているような感じだ。なんだろうと思って音の出どころの方に行ってみるとトラのエサやりを実演しているところだった。

飼育員がオリ越しにエサを与えるのだが、あえて長い棒の先に骨付き肉を付けて檻の高いところから差し入れる。トラもその体を精いっぱい伸ばしてそのエサを手にしていた。こうしてみると腕を伸ばしたその体長は人間の体よりも遥かに大きい。そしてネコ科の動物らしいしなやかな筋肉質の躯体をしている。
エサを足元に落としてそれに食らいつくと、骨ごとかみ砕くバリバリという音を立てながら頬張っていた。こんなのに襲い掛かられたらひとたまりもないなと思った。
さらに進んでいくとお目当てのアカカンガルーの獣舎があった。中には2頭のオスのアカカンガルーがまったりとしていた。

ハッチの息子だろうか。ちょっと詳細は失念してしまったが、それよりもこのしょぼくれたオッサン臭さはどうしたことか。家庭不和で家に居場所がなくなったとか、仕事が上手くいかず干されたとかで、こんな伏し目がちの表情で公園のベンチに佇んでいるオッサン、絶対いるw
頭の中で何に思いを巡らせているのか気になるところだ。そのやる気のない表情に目を奪われてまじまじと観察していたらいつの間にか閉園時間になってしまった。
というわけで入園料のお手頃さからは想像できないほどリッチな展示で思いのほか楽しめた。ただ、肝心の動物たちの表情がなんだか暗いのがちょっと気になった。たまたまかもしれないが。