岩手の地震の爪跡を訪ねて - 3(2011/05/01)
道路わき出ている看板に従って駐車場に車を止めると、ちょっとした盛り土の上に展望台が設けられていました。
展望台に上がると、紙細工のようにひしゃげた祭畤大橋を見ることが出来ます。
秋田県側の橋脚2本分の橋を残し、残りは撤去されていますが、にわかに信じがたい光景です。
今日は天気も悪く、通行する車もGWとは思えないほど少なく人気がないので、だんだん不安になってきます。
現地の解説板に掲載されていた写真に、崩落直後の写真が載っていました。
写真左奥の路面がこちらを向いている部分が撤去されたようです。
少し離れて新しく架けられた橋の上から見る祭畤大橋。
足元には、旧祭畤橋が見えます。
以前この旧祭畤橋を探検された方の記事が有りましたが、当時の盛大な藪に囲まれた橋と同じものとは思えないほど辺りが整備されスッキリとした光景になっています。
再び展望台から、新しい橋と旧祭畤橋を見た写真。
良く見ると旧祭畤橋の土手の上に橋の手前でぶっつり途切れた道が見えます。
最初は旧祭畤橋も上の取り付け道路から落下したのかと思っていましたが、こちらは今の橋が架けられるまでの間、ここにあった仮設橋に繋がっていた道のようです。
旧祭畤橋への道は完全に撤去されてしまっているようです。
この地震で多発した地すべりによって、崩れた土砂が下を流れる川に流れ込んで流路を堰き止めてしまい、天然ダムが至る所に出来てしまいました。
これが決壊してしまうと下流域に土石流が発生してしまうので、少しずつ排水しつつ土砂を取り除いて流路を新たに作っていくという作業が行われました。
もう工事も完了しつつあるのかな、と思っていましたが、まだちょっとした湖のように水が溜まっている場所があって、水の底から沈んだ木々が伸びているのが見えたりしているので、まだ排水しきれていない場所もあるようです。
あちこち見ていたら30分ほど経っていました。
だいぶ体も冷えてきたので、そろそろ出発することにしました。
ここから上流方向へほんの2.3分行った所に、真湯温泉という温泉があって、 昔親に連れて行って貰った事があるのですが、山奥の静かな温泉という雰囲気の、結構良い温泉だったので、一風呂浴びて体を温めていくことにしました。
ところが、温泉の前まで来ると、残念なことに休業中の看板が出ていました。
地震の影響かな、と思いつつ、それならさらに上流にある須川温泉まで行ってみようと更に車を走らせると、すぐにゲートがあって通行止めとなっていました。
どうやら冬季通行止めらしいのですが、至の日付は4月28日。
雪が多いのか、開業が遅れているようです。
仕方ないので、温泉は諦めて一関のおばさんの家に向かうことにしました。
途中、大規模な地すべりの復旧工事をしているところがあったので立ち寄ってみました。
ちょっとしたあずまやが有って、その脇には親切なことに現場での作業内容を丁寧に説明してくれる看板が立てられていました。
ここも、地すべりの発生によって川がせき止められた場所のようです。
元々の流路を復旧するのではなく、すぐ脇を通っていた国道を少し奥に付け替えて、その場所に新しく川筋を作ったようです。
足元の国道がぶっつり途切れ、川の流路になっているのが分かります。
以前は右側の芝生が植えられているなだらかな丘の下に流れていた川です。
上の写真の流路の先のほうをアップで写してみたもの
地層がむき出しの削り跡が痛々しいです。。。