岐南ドライブ - 10(2012/05/06)

— 変わり雛ラッシュ! —

ということで、件の福よせ雛の最後の一つが置かれている郡上八幡博覧館にやって来たわけですが、 中に入るには入館料が必要になります。
あまりこの手の博物館には興味がないのですが、折角ここまで来たのだから福よせ雛の写真をゲットしたいところです。

来る前から気にはしていたのですが、今日の観光の最初に八幡城に登ったときに、この博覧館の入場券とのセット券が600円で売られており、ここへ来るつもりがなかったので、セット券にはしませんでした。

結局立ち寄る事になったわけですが、ここの入館料は通常500円とのことなので、バラバラに購入すると計800円かかってしまい、セットの方が200円安く入れたのだと思うと、城にはちゃんと行っているだけにちょっと勿体無い気がします。。。

駄目もとで交渉してみるかとカミさんと打ち合わせて、受付に居た浴衣姿のお姉さんにそのことを伝えると、

「あー、そうだったんですか。。。一応共通券がないと別料金になってしまうのですが。。。」

少し間を置いて、

「折角お越しいただいたので、間とって400円でもよろしいですか?」

とのこと。
カミさんをチラリと横目で見ると、「まぁ、いいんじゃない?」という顔をしていたので、2枚チケットを購入。

館内はお約束どおり郡上八幡の歴史に関する展示がなされていて、それらをざっと横目で見つつ、お目当ての福よせ雛を探していきます。
なんだか、こういう企画はウチらのように不純な動機で訪れている人が多い気がするのですが、この展示館の趣旨から外れてしまって本末転倒な気もします。。。

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ここも例によって順路のそこかしこに沢山の変わり雛が飾られていて、展示物を掃除する人形だったり、お雛様をナンパするお内裏様だったり、凝っているのかふざけているのか線引きが難しい所もあるのですが、こういうシュールなアイディアは原付的にはかなり好きw

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順路を巡っていくと、2Fの一画に変わり雛が大量に飾られている場所がありました。

で、その中に。。。

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いたー!
プロレスのリングの中に仁王立ちしているその名も「プロレス雛」

いや、っていうかビール瓶を片手に掲げたその姿は「酒癖の悪い大トラ雛」の方がしっくり来る気が。。。w
リングサイドも場外乱闘でしっちゃかめっちゃかになってるし。。。

まぁ、ともかくこれで無事3体ゲット完了。
プロレスのリングの脇には、

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マージャン雛
爛れた女流雀士が4人、ちょうど一人がツモった?所というシーン。

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全員恐ろしくハッピーな役を作ってやがる!!
緑一色、国士無双、四喜和、九連宝燈。。。

まさに夢の対決ですなぁ。
福を寄せるのかあるいは全力で福を追っ払うのか。。。w
今回の旅で一番頬が緩んだ瞬間でした。

— エクストリーム盆踊り —

そんな訳でとりあえずミッションを無事にこなして、後は消化試合のごとく順路を巡って再び1Fに降りると、ちょっとしたスペースがありました。

ここは「郡上おどり」を紹介するスペース。
郡上おどりに付いては、パンフレットに書かれているのを見て、「ああ、名前は聞いたことがあるな。」くらいの認識だったのですが、実は郡上踊りは日本三大民謡の一つに数えられるほどの有名な踊りだそうで。

ちょうどまもなく郡上踊りの実演が開かれるというので、ベンチに腰掛けて見学していくことにしました。
程なく、さっき受付をしていたお姉さんともう一人浴衣姿の女の人が出てきて解説が始まりました。

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それによると、郡上踊りは7月の中旬から9月の上旬まで実に33日間に渡って、 夜8時から2時間ほど市内各町内の持ち回りで舞台を移動しながら毎晩休まずに踊り続ける盆踊りだそうで、 しかも警報が出るほどの荒天でない限りは土砂降りの雨の中でも実施されるというかなりエクストリームな盆踊りとのこと。

一番のハイライトとなるお盆の時期に至っては明け方まで延々と踊り続けるのだそうでさらにハードです。
盆踊りも含めて一般に祭りというのは、ご先祖や神と会話をするための祭祀が元になっていることが多く、トランス状態に入り込むことでこれを実現していたのだと思いますが、明け方まで徹夜で踊っていればそりゃ人間変なテンションになっていくので、ご先祖との会話を果たした人がいてもおかしくありませんね。

郡上踊りには10種類の踊りがあって、それぞれ祭りの中で演奏されるタイミングは決まっているのだそうです。
外部の人間は参加も退出も自由で、また服装も自由で、かなりオープンな感じです。

それでは、といって、いくつかの踊りのデモンストレーションが始まりました。
まず最初に踊ったのが祭りの最初に演奏されるという「かわさき」という踊り。
割と単純な振り付けの踊りです。

この踊りの冒頭「郡上の八幡出てゆく時は 雨も降らぬに袖しぼる」という歌い出しは、お盆の夜の熱気の中で延々と踊り続ける事で、雨が降っているわけでもないのに、袖を絞るほどの汗が出る、ということを表しているのだとか。

それから、「春駒」「猫の子」と中盤で演奏される踊りが続きました。
春駒は馬の手綱捌きを表現したという踊りで、猫の子は蚕を襲うネズミ避けとして飼われていた猫の動きを表現した踊りだそうです。

中盤戦に演奏される踊りはお囃子が太鼓と歌だけになるものがいくつか有り、それはつまり演奏する人を休ませるためなんだとか。

それぞれの踊りで特徴的なのは足裁きで、下駄で地面を蹴って高らかに音を鳴らします。
大きな音を出すには少しコツがいるそうで、この音を出すためにも下駄を履いてくるか、購入しておくと更に盛り上がれるとのこと。
もっとも、これだけガチガチ地面を蹴っ飛ばしていると消耗も早く、期間中ずっと参加していると三足は駄目になってしまうそうです。

それから、最後にデモンストレーションされたのが「まつざか」という踊り。
この曲は必ず踊りの最後に演奏される踊りだそうで、祭りの最後の余韻を楽しむかのような少し悲しげな曲調です。

で、ここまで踊りを見せてもらったところで、

「はい、ということで、郡上踊りがどのようなものかお分かりいただけたかと思います。今度郡上踊りに参加される時に覚えておくと踊りやすいかと思いますので、皆さんで一緒に『かわさき』を踊ってみましょう。」

あ、やっぱり。。。
原付的にはこういう参加型のイベントはちょっと苦手なのですが、進行の人は目の前にいるし、一人だけやらないのもなんなので、見よう見まねで踊ってみました。

飲み込みの悪い原付は振り付けが覚えられず、なかなか要領よく踊りの流れに乗れませんでしたが、踊ってみると案外楽しいかもしれません。
ということで、実演も終わり、最後に、と、

「郡上踊りは、免許皆伝の制度があって、参加者の中で踊りが上手かった人へ認定書が送られることになっています。地元の人がみんなを見て回って一番上手に踊れている人へ進呈されます。その認定書はそこの壁に飾られているものですが、額縁は2000円なので不要なら言ってもらえば認定証のみお渡しします。」


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と、最後まで軽妙な語り口で締めくくって、実演会が終わりました。
思ったより面白かったな。

デモンストレーションが終わると、甘酒のサービスが振舞われました。
原付は飲めないので、カミさんが二人分しっかり頂戴してました。

というか、入口を入ったときから甘酒の匂いにずっと惹かれていたそうで、入場時の料金交渉で、「まぁ、いいんじゃない」という顔をしたのも、甘酒が飲めるなら、という条件付のうなずきだったとのこと。


Posted by gen_charly