大山に登ろう - 4(2012/09/16)
— 山頂はどこだ! —
このページで通ったルートのGPSログ
さっきのリーダーの若者が言っていた通り、道はすぐに樹林帯に入り、さっきと比べて幾分強くなり始めた雨も、 殆ど気にならないレベルで凌げそうです。
が、なにこの急勾配。。。
てっきり尾根を一直線に登っていくのかと思っていたその登山道は、ネチネチと九十九折を繰り返し、 斜面のこぶをまいて凌ぐような結構アグレッシブな道で、心の準備が出来ていなかっただけに、心が折れてきます。
ストックを車に置いて来てしまったことを激しく後悔。。。
若干めげながら一歩ずつ進んでいくと、健脚そうなおじさんが山を降りてきて、すれ違いざまに、
「あれ?もう頂上から降りてきたの?」
と聞かれました。
最初何のことか分からず、頭にクエスチョンマークが並んだのですが、どうやら人違いをしているようです。
とりあえず、まだ頂上に向かっているところです、と答えになっているようななっていないような返事を返して、そのついでに、
「頂上まであとどのくらいですか?」
と聞いてみると、大体40分くらいかな、とのこと。
お礼を言って行き違い、先の見えない坂道を眺めて、あと40分これ登るのか~、とどんよりした気分になりました。
先も見えないけど、樹林帯を抜けているので周りの景色も開けず、たまに木の切れ間があっても見えるのは白い雲ばかり。。。
ちゃんとコースの下調べをしなかったのが悪い話なので、頑張って登るしかありません。
ま、カップヌードルを食べないと来た意味が無いしねw
気力を振り絞って登り続ける二人をあざ笑うかのように雨脚は強くなる一方で、いよいよ木陰にいても余り凌げなくなってきました。
といっても、服が濡れてくるほどではなく、まだレインコートのお世話にならなくても大丈夫そうな感じですが、 カメラはちょっと不安だったので仕舞う事に。
なので、ここから暫く写真は撮っていません。。。
このコースには全然標識がなく、今自分たちがどの辺まで来ているのか全く分からないのが、一番精神的に堪えます。
少し見通しのよさそうな所を見つけては、お、ようやく頂上か!と気持ちが高ぶるのですが、 その直後にまた斜面に九十九折の登山道が刻まれているのが見えて、それがぬか喜びだったとがっかりする、ということの繰り返しが続き、 気分はどんどん萎えてきます。
もう、誰だよ、このコースを初心者向けと言った奴は!
だの、
確かにこんな果てしない登山道を軽装で登る奴が居る訳がない罠。。。
だの、心の中で悪態を飛ばしながら木の根や岩場を一歩また一歩とやり過ごして行きました。
すれ違う下山者の多くはトレイルランのいでたちで、岩場をカモシカのように軽く飛びながら猛スピードで下山していきます。
下山者たちは言うまでもなく原付よりはるかに早い時間に頂上を極めて、折り返してきている訳で、 原付たちもほぼ夜明けから登り始めていることから、彼らが登山を開始した時間もそう違わないはずで、お前らどんだけ強脚なんだよ、 と羨望のまなざしで見送ります。
というか、下山者とは何人もすれ違っているのに、登山者は少なく、これはもしや下山コースを必死で登っているということか・・・?
そんな不安を抱きながら、歩みを進めていたら、唐突に登山道がキャットウォークのような金属の格子状の道に変わりました。
最初は小さな沢でもあるのかな?と思ったのですが、 途中出ていた看板にここがグレーチング階段と言うものであると書かれていました。
グレーチング階段は、 鹿などの蹄を持つ動物が格子状になった場所を歩くのを嫌がる習性を利用して登山道を妨げることなく鹿が山頂へ進入するのを防ぐ目的で設けられたものだそうです。
山頂付近の鹿の食害が酷く、進入を制限して植生を回復するのが目的とのこと。
以前与那国島で見たテキサスゲートと同じ原理ですね。