九州初日の出 - 11(2013/01/02)

— 砂の重み —

来た道を引き返し、山川港を通過し、更に暫く行くと指宿の温泉街に入り、砂楽に到着。

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カミさんに混雑具合の偵察に行ってもらったところ、ついさっきまでは1時間以上の順番待ちが出来ていたものの今は待ちなしで入れると聞いて、急いで準備して慌しく店内へ。
料金は、入浴だけだと600円、砂蒸しも入ると900円とのこと。

フェイスタオルが必要になるので、持っていなければ+100円だそうです。
受付で浴衣を借りて、それぞれの脱衣所へ。

浴衣に着替えた後、「砂蒸し風呂」と書かれている方の扉から外に出ると女性脱衣所からの道と合流、そこでビーチサンダルとブランケットを貸し出してもらえます。

それを受け取って説明書きなどを読んでいるとカミさんも合流。

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扉を開けて外に出ると極寒の海風が吹きすさぶなかに放り出されるような格好になり、しばし体を丸めながら足早に砂浜へと向かいます。

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砂浜への階段を降りた先にすだれで覆われた掘っ立て小屋があり、その中はいくつかの区画に区切られて、首元まで砂をかけられて頭だけ出している風情の人たちが何人も横になっていました。

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係員の案内に従って指示された場所まで行くと、既に軽く砂を掘り下げられた状態になっていて、そこに指示されたとおりに持参したフェイスタオルを頭を置くところに敷いて寝そべります。

それから「カメラが有ったら写真撮りますよ」というので持参したカメラを手渡します。
さっきのフェイスタオルを首に巻くように直した直後、別の係員が脇の砂をスコップでかけて、あっという間に埋まってしまいました。

体全体が埋まった所で、係員の少年がさっき渡したカメラで写真を撮ってくれました。
いかんせん顔以外の全ての場所が砂の下なので、ピースサインなどのジェスチャーが出来ず、顔の表情だけで楽しさアピールをするのがことのほか難しいことを改めて思い知らされました。。。

写真を撮った後は砂がつかないようにビニール袋で厳重に包んで頭の脇においていきました。
砂は体の上5センチ位の厚さだと思うのですが、そこは砂だけに鉛のシートでも乗せられたかのようにじっとりとした重さを感じます。

そのじっとりとした重さを感じながら、以前石川県で新郎新婦を驚かせるために深すぎる落とし穴を掘った挙句、新郎新婦を生き埋めにしてしまった事故のことがふと頭をよぎりました。

自分の上にたった5センチ乗っかった砂ですらこれだけの重さを感じるのだから、2m以上掘った場所が崩れたら息も出来なくなるわけです。

それはさておき、背中側からは想像以上に強い熱気が上がってきて、背中は心地よいのですが、かかとは若干熱さを感じます。
かかとを少し動かして空気を入れたら幾分マシになりました。

この砂蒸し風呂、近隣の源泉から沸いた熱湯が地下を流れた末にこの海岸で再び地上に沸いてくるのだそうで、どこを掘っても高温の砂がすぐに出てくるのだそうです。

原付は本当の地熱だと思っていたのですが、その点では少し思い違いがあったようです。

足をモゾモゾと動かしたらつま先の上に乗っていた砂が落ちてしまい、足が出てしまいました。
それをどうにかしようと少し体を動かしたら、左脇の砂が落ちてしまいました。。。

そしたらすかさず係員がやってきてまた砂をかけてくれました。
原付がモゾモゾしている間、カミさんは至って大人しく砂蒸されています。

標準の蒸し時間は10分とされていて、熱ければ辛くならないうちに上がるように指示されていますが、年をとって新陳代謝が鈍ったのか、この加減が絶妙でいつまででも入っていられそうな気がします。
それどころかこのまま寝てしまいそうな雰囲気すら漂わせます。

流石に寝てしまうとまずいと思って、ずっと頑張って起きていたのですが、長くやりすぎると湯あたりのようになってしまうだろうと思い、15分ほどでカミさんに声をかけて起き上がりました。

砂をかけるのは係りの人がやってくれますが、起き上がるのは自力。
当たり前といえば当たり前なのですが、起き上がるのにもコツが必要で、うまくやらないと腹の上に乗っかった砂が重くて思うように起き上がれません。

体がぽかぽかなので、さっき背中を丸めて通った海岸沿いの歩道が今は心地よく感じられます。
砂のついた浴衣は浴室の手前にあるシャワールームで脱ぎ、体についた砂を流してから浴室に入るようになっていました。

温泉は割と普通の感じで体を洗ったあと軽く体を温める程度にしか入らなかったので、余り印象が残っていません。。。

ロビーに戻ると既にカミさんが上がっていて、合流した所で砂楽を出ました。
今回の旅行で2度目の蒸し風呂となりましたが、どちらも甲乙付けがたい貴重な体験でした。

— その名前はどうなの? —

さて、本日の晩御飯。
ご当地の名物ばかりではなく、たまには普通にラーメンでも食べたいね、などといいながら温泉街を車で散策したのですが、開いている店が見つからずそれならもうファミレスで済ませてしまうか、ということになったので、ナビで検索し指示通りに少し走るとロードサイド店舗が並ぶエリアに出ました。

流すように走っていたら、回転寿司屋があってそちらに惹かれました。
カミさんも寿司でもいいよ、とのことなので、そこの店に入ることにしたのですが。。。

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名前が、こう、なんと言うか、ちょっと微妙な感じでして。。。
寿司屋というと威勢のよさとか、鮮度のよさを想像させるような名前が付いている先入観があるので、こういう名前だと戸惑ってしまいます。。。

まぁでも、これだけ海の近くの寿司屋でハズす事も無いだろうということで入ってみたのですが、その読みどおりネタはちゃんと新鮮なネタを使っていて、美味しく食べられました。
皿の種類で値段が異なるシステムのため、調子に乗って絵皿ばかり食べると金額がべらぼうな事に。

入口でなぜかスウェットを売っていたので、地元ローカルかと思ったら、この寿司屋は他にもいくつかの名前で寿司屋を展開するグループ企業で本拠地は岡山との事。

腹ごしらえも無事に済んで、後は今日の宿泊地に向けて出発するわけですが、翌日の朝の早い時間に大口に向かえるよう、最寄のサービスエリアで検索したら、桜島SAが一番大口に近いようなので、目的地をそこに設定。

走り出してすぐ、カミさんがお義母さんと電話をする事になったのですが、お義母さんから、

「あんた、姪っ子たちへのお年玉用意したの?」

あ~っ!
そうでした。。。

今まで身の回りにお年玉を上げるような子供がいなかったので、すっかり忘れていました。。。
急遽道路沿いの100円ショップを探しながら進む事に。

幸い、鹿児島の市内に入って程なくお店が見つかり、お年玉を入れるポチ袋の入手も無事に完了。

それから高速に入って、桜島SAまで一気に走って23時ごろに到着。

Posted by gen_charly