筑波山に登ろう - 1(2013/07/20)
近ごろ、年に一度の恒例行事と化しつつあるYちゃんとのお出かけですが、今年は筑波山を登ることになりました。
初めのうちは、富士山や伊豆大島、鋸山などが候補に挙がったのですが、近頃余り登山が出来ていない原付夫妻と、ビギナーながら山ガールを目指したいというYちゃんの希望によって、さほどキツくなく、それでいてそれなりに登った感じが味わえる山ということで、筑波山に白羽の矢が立ったわけです。
以前登ったことがあるというカミさんの話では、頂上までの道のりは大して時間がかからないということなので、早朝から登り始めて午後になる前に下山し、近隣の温泉で汗を流してから、午後はどこかに遊びに行くという日程になりました。
そんなわけで、土曜日の早朝から登り始めることになったので、Yちゃんとは金曜日の夕方に合流。
食卓を囲って久しぶりの再会を祝いました。
いつもだと深夜遅くまで近況報告や思い出話に花が咲くところですが、明日の登山開始時刻は6時、逆算して起床が4時となったので11時過ぎには早々に就寝。
— つくばねの —
翌朝、どうにか寝坊することなく4時に起床。
事前にあらかた準備を済ませていたので、荷物を車に積み込んで、4時半に東京を出発。
道はさすがにまだガラガラで、常磐道を土浦北まで行ってそこから一般道を走り、6時過ぎ、筑波山神社に程近い場所にある市営駐車場に到着。
筑波山の登山コースは表筑波側でいうと、筑波山神社から男体山へ登る御幸ヶ原コース、女体山へ登る白雲橋コース、ロープウェーの駅があるつつじヶ丘から女体山へと登るおたつ石コースの3コースが主な登山道になっています。
昨晩、二人にコースマップを見せながらそれを説明したところ、かつてカミさんが登ったのは一番距離の短いおたつ石コースだったようです。
このコースは上述のとおり車でいけるつつじヶ丘の駅から上り始めるので、登山コースとしては一番簡単な上、標準時間でも40分で着いてしまうらしく、確かに簡単に登れたというのも頷けます。
今回はさすがに片道40分では物足りない気がするので、もう少し登山を楽しめそうな筑波山神社から登るコースを選んだ次第です。
筑波山神社からのコースはこれまた上述の通り、男体山へ登るコースと女体山へ登るコースがあり、どのみち男体山と女体山の間は縦走するつもりでいたので、二つの登山道をどちらも通って一周してくるようなコースにしたのですが、まぁ、どっち周りでもよかったので、気分で登りが白雲橋コース、下山が御幸ヶ原コースということになりました。
筑波山神社付近の市営駐車場は4か所あり、そのうち神社から一番離れている第一駐車場のみ通年無料(オンシーズンを除く)ということだったので、迷わず第一駐車場へ。
早朝だけにまだ空いている所もあり、無事に駐車できました。
ちなみにその他の駐車場は一日500円程度とのこと。
登山の準備を整えて、虫よけスプレーで武装して、まずは筑波山神社へ登山の無事を祈念しに行くことにしました。
駐車場は神社から一番遠い場所にあるとはいえ、歩いて5分程度なのですぐです。
時間が時間だけにひと気は少なく、土産物店もまだ開いていません。
もちろんケーブルカーも始発はまだだいぶ後です。
気温は23度くらい、薄く雲が出ることがあるものの時折日差しも入る天気です。
前の週辺りまでどうかしちゃったのかと思うほどの猛暑が続いていたので心配でしたが、今日は絶好の登山日和になってくれました。
神社の境内で登山の無事をお祈りし、境内の脇から白雲橋コースへと進みます。
住宅の建つ路地を少し進むと登山道への入り口となり、いよいよ登山開始。
このページで通ったルートのGPSログ
まだ人気のない木陰の中の登山道は何とも言えず爽快です。
最初のうちはそれほど勾配もきつくなく、時折撫でるように弱い風が吹き抜けていくのが心地よく感じます。
途中、つつじヶ丘駅方向へ向かう迎場コースが分岐しますが、ここは写真の通り左へと進みます。
分岐を過ぎてほどなく、白蛇弁天の前を通過。
手前の解説によると、ここに白蛇が住んでいて、見ることができたらお金持ちになれる(財をなす)、と書かれていました。
もちろん、見れませんでしたがw
その先あたりから、本格的な登山道らしくなって、徐々に勾配は厳しさを増し始め、気温は涼しいのものの、額といわず背中といわず汗が噴き出し始めました。
こうなってくると、吹いているのかいないのか分からない程度のそよ風では焼け石に水。。。
持参したタオルが面白いように湿っていきます。
普段の運動不足が見事にたたり、だんだんと息も上がり始め、先行する二人についていくのが徐々に辛くなってゆきます。
まぁ、置いて行かれたとしても、頂上は一か所なので心配せずにマイペースで進んでゆきます。
カミさんが、筑波山の登山は高尾山レベルだからそんなに険しくないよと言っていたのですが、なかなかどうして、岩場有り、急坂有りのコースは運動不足の体には結構堪えます。。。
なめてかかるとしんどい思いをする、というのは大山でも経験したばかりなのに。。。
もっとも登山道自体はとてもよく整備されていて、危険に感じるような場所はほとんどありません。
頭が酸素不足になっているのか、頭の中で嘉門達夫が歌っていた「つくばねの唄」が何度もリフレインしています。。。
この歌は、つくばねの峰から峰へと渡り歩いていた主人公の武士が道に迷ってしまい、ようやく見つけた家に泊めてもらおうとしたところ、そこに住んでいたのは一人暮らしの若い女で、「泊めるのは構わないけど、女一人の住まいだから近くに寄らないでくれ」と答えるので、これ幸いと主人公が「拙者とて武士の端くれ、めったなことは致さぬが・・・」と答えるものの、そこは若い女性の一人暮らし、興味本位で「傍らなど寄ったらなんとしょう(近くによってしまったらどうなるか)」と質問返しをします。
そこでその女性が「傍らなど寄ってもよいけれど、体に触れてはなるまいぞ」と譲歩しているような期待しているような返事をするので、主人公がさらに込み入ったことを聞いてゆくというやり取りを繰り替えしていく歌です。
終いには、「拙者とて武士の端くれ、滅多なことは致さぬが、●●●の中に●●ポなど入れたら何としよう?」と、直球を投げるのですが、何だかんだ言って最後は女の方がさらに一枚上手な答えを返して終わる、という曲です。
興奮した口調で武士の問いかけを歌い上げる嘉門達夫の暑苦しい歌詞が頭の中を駆けずり回ってうっとおしい。。。w
もとはあのねのねが歌ったのが最初とのことですが、これも「欣也め」という落語が原典になっているそうです。
詳しくはネットで検索してみてくださいw
ちなみになぜ「つくばね(筑波嶺=筑波山)」が舞台となっているのかはよくわかりません。
脱線しました。。。
口直しに清々しい森林の写真をお楽しみください。
— 奇岩の数々 —
時折持ってきた水分を補給しながらマイペースでのんびり登っていたら、正面から短パンにランニング姿で勢いよく走って下山してゆく人とすれ違いました。
やっぱり、トレイルランの人は違うなぁ。
同じ人間とは思えない。。。w
いくらか疲れてきたなぁ、と思ったあたりで体よく休憩所を発見。
リュックを下して背中に風を入れると汗がひんやりとしてなかなか爽快です。
景色の先にロープウェーのケーブルが見えたので、頂上までの行程のうち三分の二くらいは来ているようです。
一頻り休憩して汗が引くのを待って再出発。
この休憩所を過ぎると、登山道の所々に奇岩が姿を現し始めるようになります。
これらの奇岩一つ一つを通過するたびに一時足を止めて解説板などに目を通していたので、休み休みの登山となってこの辺からはだいぶ楽になってきます。
まず最初に登場するのが「弁慶七戻り」と呼ばれる岩場。
中途半端にとどまった落石の下を通るスリリングな場所です。
名前の由来は言わずもがな。
ここを通過して程なく現れるのが、「高天原」という祠。
岩の上に祠がおかれ、そこへ登るための石段が設けられています。
岩場のてっぺんにある祠。
ここは祠を中心に一周できるようになっていて、山頂は一つ上の写真の左へ伸びる道へ進みます。
左へ曲がるとすぐに今度は「母の胎内めぐり」と呼ばれる場所があります。
これは岩と岩の隙間がトンネル状になっていて潜り抜けられるようになっています。
さらに進んでいくと、「陰陽石」、「出舟入船」、「裏面大黒」、「北斗岩」と続き、次に出てくるのが、「大仏岩」。
写真ではいまいち雰囲気が分かりづらいですが、「見えないよ」という感想になりがちなあまたの奇岩のなかで、思いのほか割とそれっぽく見えたので、ちょっと感動しました。
ここまでくると頂上はもうすぐ。
ひとしきり岩登りをするとようやく景色が開けて女体山の山頂に到着。
山頂には 神社が祀られ、順路の表示があったので、それに従って進んで本堂の前で登山の無事を報告した後、その背後の通路を抜けると、岩場越しにパノラマが広がる景色のよい場所に出ました。
が、天気が良ければはるか遠くまで見通せそうな大パノラマにもかかわらず、少しガスがかっていて、あまり景色は開けません。