筑波山に登ろう - 3(2013/07/20)

— mei-so —

そこから土産物屋を冷やかしつつ駐車場までダラダラと歩きながら今後のコースについて打ち合わせ。

出発前の打ち合わせでは、下山後にまず近隣の温泉で汗を流し、それからダチョウ王国とか東筑波ユートピアとかその辺に繰り出してみようという話をしていました。

出発直前にもう一度情報をチェックしていたら、筑波山の付近にある温泉はなんだか評判が悪いかそこそこの評判ではあるものの料金が高いかのどちらかになってしまうことを知り、それもなんだかなぁ、という感じだったのでもう少し範囲を広げて再度検索したところ、霞ヶ浦の湖畔に料金がお手ごろで、しかも口コミの評判が非常に良い温泉を発見。

とはいっても、その温泉は霞ヶ浦の南に位置する行方(なめがた)という町にあり、それだと温泉に入ったら何もできなくなるなぁということで、これはこれで迷ったのですが、相談の結果、少し疲れもあるし、わざわざ別のレジャー施設に入るのもちょっと面倒くさくなったから、その温泉に入って後はゆっくりしようということで話がまとまりました。

時計に目をやると時間は13時を指していて、ちょうど昼食時です。
その温泉へ向かう途中でちょっと変わったものが食べられる道の駅があるのを見つけたので、まずはその道の駅まで行って腹ごしらえをすることに。

宮脇から東進し風返し峠を過ぎたところで、直進すればいいのに道が紛らわしくて気が付くと細い裏道に入りこんでしまいました。
ナビがすぐにリカバリしてくれたので、気にせずに進んでいくと、道端に温泉の看板が見えました。

そこは「やさと温泉ゆりの里」という温泉でした。
料金が安かったらここで入浴しちゃおうという話になって立ち寄ることにしたのですが。。。

まずはカミさんに頼んで料金を調べてきてもらうことに。
車の中でYちゃんと二人でその様子を観察していたら、料金表を探して一頻りうろうろとした後、店先でやっていた試食に釣られて、販売員の問いかけに感想を述べ始めたので、車内から「なにノンビリしてんねん!」と思わず二人でツッコミを入れてしまいました。

で、なんか幸せそうな顔をしてようやく戻ってきたのでどうだったかと聞くと、料金は800円とまぁまぁ我慢できる範囲だったので、ここで入ることにしました。

受付で800円を差し出すと、受付のお姉さんから「あの、今日は1000円になるのですが。。。」と言われました。

傍らの料金表に土日祝日は1000円と確かに書いてあります。
ぎりぎりの金額しか持ち合わせていなかったので、一度車に取りに戻ろうかとも考えたのですが、二人の方をちらりとみると、二人とも「1000円高くね?」という顔をしていたので、結局そのまま出てきました。

店の脇に農産物の直売所があって、野菜がどれも東京ではとても買えないような値段で売られていたので、カミさんが目の色を変えましたw。

気が付くと温泉に入るつもりで持ってきたお金で、何種類もの野菜を買い込んでホクホク顔のカミさん。

再び車を走らせて石岡市を経由して行方市へと向かいます。
写真には写していないのですが、石岡の市街に入る手前で、地磁気観測所の脇を通過。
と、言っても普通の人にとってはそれが何?っていう感じだと思いますが。。。

地球には地磁気と呼ばれる磁力があって、ここの施設でその地磁気に関するさまざまな観測を行っています。
地磁気そのものについては原付も余り詳しくは知らないので、詳細はこちらを参照して頂きたいのですが、実は鉄道ファンの人の間ではこの観測所はよく知られた存在です。

電車は、直流電源で動くタイプと交流電源で動くタイプの二種類があって、それぞれのメリットデメリットを勘案してどの方式を用いて建設するかが決められています。

直流電源は構造が簡単なので車両を安く作れるメリットがある一方、変電所をたくさん作らなければならないというデメリットがあります。
交流電源はそれと全く逆の特性になります。

この特性から車両を大量に必要とする大都市部や列車の本数が多い東京以南の本州の太平洋沿岸の路線は直流電源で、それ以外では概ね交流電源で建設されるパターンが多いのですが、この辺りだけは他とは事情が異なります。

というのも、直流電源は地磁気の観測の際に影響を及ぼすため、観測所からある程度(概ね半径30キロ)の範囲は電化するなら交流電化としなければならないという決まりがあるのです。

常磐線の取手駅やつくばエクスプレスの守谷駅の辺りで観測所の半径30キロエリアに入ってしまうため、両駅の先は交流電化にせざるを得ず、都内から交流にしたのではコストがかさんでしまうので、両駅までを直流で電化し、その先は交流電化となっています。

このとき問題となるのが車両で、当然ながら電源が違うと車両はそのままでは走れないので、そこで乗り換えてもらうか、両方の方式に対応した車両を作らなければなりません。

両方の機材を乗せた電車はコストがかさむので、鉄道会社としてはなるべくその地点をまたがないように運転したいわけですが、それではサービス面で見劣りしてしまいます。
そこで、折衷案として乗客の多い都市部を直流で電化し、直流専用車を頻繁に走らせて、そこよりも先へ行く電車は数を減らして両方に対応した交直流電車に任せる方法をとることにしました。

上野から出る常磐線の緑の電車や千代田線から直通する電車が取手止まりだったり、つくばエクスプレスの列車の半数が守谷止まりなのはそういう理由によるものです。

で、茨城県内を走るつくばエクスプレス以外の私鉄の各路線は、コスト面から未だに全線非電化のままなので、どうしても田舎くさいイメージが付きまとい、上野からわずか40キロほどしか離れていないにもかかわらず、取手から先へのアクセスは非常に不便な印象を感じます。

鉄道が発達しないから沿線人口が増えないのか、沿線人口が増えないから抜本的な対策がなされないのか不明ですが、いずれにしても茨城県全体的になんとなくあか抜けない印象を持たれる遠因の一つはこの地磁気観測所の存在だったりするわけです。

— The Catfish —

話が大脱線しました。。。
石岡市街を抜けて今度は霞ヶ浦の湖畔に沿った道へと進んでいく際、軽く眠気に襲われましたが、どうにか最初の目的地、行方市観光物産館こいこいに到着。

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ここは霞ヶ浦にかかる霞ヶ浦大橋のたもとにあり、すぐ隣に道の駅たまつくりが隣接しています。
物産館自体は道の駅と同じような雰囲気で色々な農産物が売られています。

店内の一画に軽食コーナーが設けられていて、そこで食べられる一風変わった料理というのがこれ。

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名前は「なめパックン」といい、なんとナマズの肉のフライがサンドされています。
隣にあるのが鴨肉のフライをサンドした「鴨パックン」

三人ともナマズを口にするのは初めて。
どんな味かと怖々一口食べてみるとその味は何の癖もない白身魚そのものでちょっと拍子抜け。。。
チリソースが味のベースになっているので魚の臭みとかがごまかされているのかもしれませんが、少なくとも全く気になるレベルではありません。

他の二人に黙って渡すと、二人とも思いがけず普通すぎる風味に笑いとも驚きともつかないような微妙な表情をしています。

ちなみにもう一つの鴨パックンはマヨネーズベースのソースで作られているのですが、こちらもこちらで野趣あふれる感じもなく、全く普通の鶏肉のように食べられました。

普通の食べ物として食べるならかなりいい線に達していると思いますが、どんなB級グルメかと覚悟して食べたうちらにとっては少し物足りなさも感じてしまいました。。。w

他にも鯉の肉をサンドしたという「鯉パックン」というものもあったのですが、Yちゃんは食べ物に関して保守的なようで違うものが食べたいとの事だったので、これはチャレンジできませんでした。。。

そのYちゃん頼んだのは梨のソフトクリームで、濃厚なミルクの風味のソフトと、梨のシャーベットの爽やかなのど越しが調和した、これまたなかなかの逸品でした。

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さて、上述の道の駅玉造には「虹の塔」という展望塔が併設されています。
高い所好きが二人いるので、登りたいねぇという話になったのですが、いざ当の前まで来ると、入場料が300円必要だと出ていました。

それで腰を折られたわけではないのですが、それならいいや、という雰囲気になって結局登りませんでした。。。
広大な霞ヶ浦を見渡す絶好のロケーションなので、登ったらさぞかし気分がよかろうと思うのですが、まぁ仕方がありません。

時間的には15時を回っていて、もはや今からどこか行くという感じでもなく、登山の疲れもあったので、今日はこの後は予定通り風呂に入って帰ろうという話になりました。

向かう温泉は、あそう温泉白帆の湯といいます。
霞ヶ浦の景色が素晴らしいと評判の温泉らしいのですが、果たして。

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車だと行方市物産館から30分弱で到着します。
ここにもインフォメーションセンターと軽食が食べれるレストランを併設した直売所が設けられていました。
風呂上がりに見に行ってみようと思います。

受付で料金を払うと浴室は階段を登った3階になるそうです。
階段を上がり、待ち合わせの時間を決めてひとまず解散。

浴室は、窓際に霞ヶ浦に面した湯船が一つと、薬草風呂とサウナが内湯になっていて、他に露天風呂が設けられています。

確かに3階の高さから眺める霞ヶ浦はなかなかの絶景です。
お湯は茶褐色で、感触は割とさらりとしていますが、かすかに石油のような匂いも感じられました。

露天風呂はちょっとしたベランダくらいの大きさで、腰の高さくらいの柵に囲われているので、湯船に浸かっていると景色が見れないのがちょっと残念ですが、こちらも柵越しに霞ヶ浦から吹き抜ける風を浴びているとサウナの熱がすっと引いていきます。

確かに評判通りの温泉でした。
ちなみにここは17時を過ぎると500円に割引されます。

2階に食堂を兼ねた休憩所があり、そこで転がっていたら少し寝てしまい、カミさんに起こされました。
全員合流したことを確認し、1Fの直売所へ。

ここでは、地元野菜の他に白魚やワカサギなど霞ヶ浦で取れる魚介が甘露煮や佃煮で売られています。
いくつか試食して、エビの甘露煮が物珍しくまたうまかったので、一つ購入してみることに。

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さて、あとは帰るだけですが、今いるところは霞ヶ浦の南の端の方なので、霞ヶ浦の南側に回って帰るのがよさそうです。
圏央道が稲敷インターまで開通しているとの事だったので、そこから乗ろうと思ったのですが、原付のナビにはまだ出ておらず少し迷いましたが、どうにか乗ることができ、あとは一気に東京へ戻って解散。

筑波山は気軽に登れる山として知られていますが、なかなかどうして、ちゃんと登ろうとすると思ったよりも手ごたえのある山でした。
天気も良く気温も涼しかったので、絶好の登山日和だったのが幸いでした。

(おわり)

Posted by gen_charly