2022/05/05 リライトしました。
今年のお盆は10年ぶりに北海道の地を踏んだ。きっかけは、昨年の暮れに「そういえば北海道新幹線の開通ってぼちぼちだよな」と思い出したことに遡る。
本州と北海道を結ぶ青函トンネル。北海道新幹線が通るためのトンネルとしてバブル真っ只中の1988年に開業したが、当時は接続する筈の東北新幹線が盛岡までしか開通していなかったため、在来線と接続する「海峡線」という名前での暫定開業だった。
その後も新幹線の建設が遅々として進まなかったため、現在に至るまで暫定運用が続いている状態だが、盛岡から先、新青森までの区間が長い凍結期間を経た末にようやく着工されて、2010年に開業した。新幹線が新青森までつながったことを受けて、これに接続する北海道新幹線の先行区間である新青森から新函館までの区間もようやく工事着工され、これが2015年に開業予定ということになっている。
北海道新幹線が開業すると、新幹線が青函トンネルを走行することになり、ようやく本来あるべき姿になるのだが、そうなると現在走っている在来線の処遇が気になるところである。新幹線と在来線はレールの幅が異なるため、基本的に同じ線路を走ることができない。
在来線が新幹線開業に合わせて廃止されてしまうなら、新幹線が開業する前に、在来線として乗り納めしておきたい。じゃ、早めに行った方がいいな、というようなことを考えたのが、半年前だった。
ところで、青函トンネルには青森県側に竜飛海底、北海道側に吉岡海底という二つの駅が設けられている。駅といっても一般に乗り降りすることができる駅ではないので、通常の列車は通過してしまうのだが、一部の列車がそれらの駅に停車して、トンネル内を見学するツアーというのがトンネル開業時から実施されている。昔から参加してみたいと思っていたツアーなので、乗り納めに行くならこれも参加してみたい。
とはいえ、わざわざ北海道まで行くのに、トンネルだけでは流石に趣味全開すぎてカミさんの了承が取れないと思う。そこで脳内でもう少しバラエティあふれるプランを立ててみることに。
かつて北海道を旅行した時は、毎度欲張った計画を立ててしまい、移動にばっかり時間をとられて一つ一つをじっくり見て回ることができなかったので、今回はエリアを絞ろう。青函トンネル探訪がメインイベントなのだから、道南あたりをじっくり観光したらいいかもしれない。
道南といえば、2000年に噴火した有珠山の災害遺構と、1995年に発生した北海道南西沖地震で津波被害を受けた奥尻島のことがすぐに頭に浮かんだ。どっちも趣味全開だな。。。
そこをベースにカミさんの行きたいところを織り交ぜて行って見ないか?とカミさんに伝えると、北海道に行くなら牧場で濃厚ミルクのソフトクリームを食べてみたいと乗り気なレスポンスを得られた。よし、交渉成立w
今までだと休みをフルに使った計画を立てがちだったが、近頃体力も衰えてきたので、最終日は自宅でノンビリしたい。北海道は早めに切り上げて、帰りがけについでに岩手に顔を出して墓参りして帰るくらいのプランが丁度いい。そうなると奥尻島と有珠山を両方巡るのは時間的に厳しい。結局奥尻島はまたの機会とすることに。
旅の方針は決まった。すでにお盆休みまで1ヶ月を切っているので、細かいことは後で考えることにしてまずはチケット類の手配だ。ここでしくじると計画が成り立たない。
ということで、まずは青函トンネル見学ツアーの予約。上述した二駅のうち、北海道側の吉岡海底駅は新幹線工事の開始に伴って数年前に終了しており、今見学できるのは竜飛海底駅のみとのこと。
竜飛海底の見学ツアーは、函館駅から出発し竜飛海底駅を見学したあと函館に戻る、「竜飛1コース」と、新青森から出発し竜飛海底駅を見学したあと函館へ向かう、「竜飛2コース」の二種類があるそうだ。函館から青森へ抜けるコースや、青森から再び青森へ戻るコースというのは設定されていない。
となると、東京から青森まで車で行って、竜飛2コースで見学しつつ函館へ抜けて、そこでレンタカーを借りるプランがシンプルだろう。
このツアーのチケットは行き帰りの列車が指定されているので、列車のチケットと一緒に購入しなければならず、駅のみどりの窓口で手配する必要がある。
ということで、近くの駅のみどりの窓口へ行ってみたら、窓口は早くも帰省の切符を手配する人たちで行列ができている。
30分ほど列に並び、順番が回ってきたので窓口の係員に8月14日の竜飛2コースで、と申し込むと、早速手元のマルスをたたき始めた。が、残念ながら満席だそうだ。
背後を見ると自分の後ろにも列が長々と続いていて、もう一度仕切り直しで並び直すのも嫌だったので、とっさに帰りの日程となる8月16日の竜飛1コースでお願いしたら、こちらは席が確保できた。
ということで切符をゲット。
竜飛1コースなので、函館駅発着となるコースである。在来線としての全線乗りつぶしは叶わないが、それでも木古内から竜飛海底まで、全区間の8割くらいは乗車できるので、まぁそこは諦めだろう。経路が変わってしまったのでコースを組み直し、青森から函館までフェリーで向かって、最初に道南の観光を済ませるプランに変更。
やや冗長なルートになってしまったが、この際仕方なし。席が確保できただけ上等。
列車が決まったので、次はフェリーの予約。
鉄道で北海道入りすると青函間を2往復近くすることになり、それでは芸がないので、フェリーを使うことにしたわけだが、そうなるとフェリーに車を乗せて持っていくのと、現地でレンタカーを借りるのとで、どちらが安いかが気になるところ。
調べてみたら、メジャーなレンタカー会社で借りると、自分の車を持ち込んだほうが全然安いが、最近よく利用している格安レンタカー会社で借りるなら、現地でレンタカーを借りた方が安いようだ。
そこで、レンタカーを先に手配。函館港近くのレンタカー屋でワンボックスタイプを一日7800円で借りることができた。軽自動車とかならもっと安いのだが、車中泊をする前提なので、ワンボックスタイプにした次第。
というわけで、マイカーは青森でお留守番なので、フェリーは人のみ。予約もあっさり完了した。
ただ、今回申し込んだ青函フェリーはWeb予約が出来ず、電話で予約をしなければならなかった。しかも行きの便は青森港で、帰りの便は函館港で別々に申し込まなければならなかったので、ちょっとばかり面倒。。。
まぁでも手配が一通り済んだので後は出発を待つばかり。
数日後、たまたま見ていたニュースで、北海道新幹線の青函トンネル内の整備開始に合わせて竜飛海底駅の見学が11月で終了になる、と言っていた。北海道など気軽に行ける場所ではないので、今年のお盆が駄目なら来年のお盆に再チャレンジするか、位に考えていたが、なんと今年が最後のチャンスだったのだ。チケットが押えられたのは奇跡的ですらある。
昨今の鉄道ブームを思えば、こんなニュースが流れたら11月の終了までのチケットはすぐに入手困難になるだろう。まさに滑り込みセーフ!
半年前に北海道新幹線のことを思い出した自分を褒めてやりたいw
出発日を目前に控え、旅行の準備を淡々としている最中、岩手に里帰りしている従妹の第二子がそろそろ誕生しそうだという話が飛び込んできた。それとなく予定を聞いてみると14日が予定日だという。墓参りの前に出産見舞いもしに行くことになりそうだ。
ということで、出発日を迎え。。。
13日の夜、仕事を終えて自宅に戻り東北道の渋滞状況をチェックしてみると、お盆前にしては珍しくどこも渋滞なし。最近、準備の段取りがよくなってきたせいか、珍しく出発の準備も済んでいたので、空いているならさっさと出てしまおう、と荷物を積みこみ21時半に出発。
事前チェックのとおり混雑は全くなく淡々と進んで、途中1箇所(どこだか忘れた。。。)で休憩をはさんで、明け方少し前に紫波サービスエリアに到着。ここでひとまず仮眠。