道南散歩【17】(2013/08/16)

戻りのフェリーの時間は20時35分。行きの時の一件で、地元のタクシー会社に不信感を抱いていた我々は、出来るだけタクシーを使わずに港へ向かいたいと思った。とりあえず観光案内所に行って、フェリーターミナルまでのバスがないかどうか問い合わせる。

「2系統」か「江差行き」のどちらかの路線に乗れば、ターミナルにほど近い、港バス停を通るので、そこで下車して歩いて行けるとのこと。バスは概ね1時間に1本程度の出発である。乗船手続の時間を考慮して19時41分発の便に乗ることにした。あと2時間弱ある。

まずは、夕食を済ませることに。列車内ではジンギスカンとかラッキーピエロとか言っていたのだが、カミさんが、「地元の人が普段使いする定食屋とか面白そうじゃないかな?」と言ってスマホで検索しはじめた。

確かに名物に限る必要はない。そういう店も悪くなさそうだ。地元御用達なら普通にうまいと思う。カミさんが見つけた店はここから歩いて5分ほどのところにあるらしい。

路面電車の線路の脇を歩いていく道のりだったので、道すがら写真撮影のために5分だけ時間を貰うことにした。

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写真を撮影している最中、それまでかぶっていた帽子がいつの間にか無くなっていることに気付く。
荷物を探しても見つからないので、どこかに置き忘れてしまったのかもしれない。そう思って、撮影した写真をチェックしたら、青函トンネル記念館で映画を見たあとに帽子をかぶっていない自分がいた。

ということで、記念館に置き忘れてきたようだ。回収しに行こうという気にもならない場所なのでこれは諦めた。

我々が向かった店は、高砂通りにある津軽屋食堂という定食屋である。

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外見はまさにオーソドックスな大衆食堂といった趣である。少しくたびれているところも好感が持てる。
隣が多種多様な店が軒を連ねる大門横丁で、大変そうだなぁ、と思ったが、まぁ余計なお世話である。

暖簾をくぐると店内は更にいい雰囲気!

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入口入ってすぐのケースに煮物が並んでいて、そこから好きなものを注文するシステムである。ケースに出ていないものでも、メニューに書かれているものは注文すれば作ってくれる。

カミさんはホッケの煮つけを、自分はネットでおススメだったカツカレーをそれぞれ注文。合わせてイカの塩辛に目が留まったので、それも下さいと伝える。

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定食はおかずを温め直してすぐに出てきた。カツカレーは注文が入ってからカツを揚げ始めるそうで、少し待たされた。

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カツカレーは揚げたてのカツもオーソドックスなルーも懐かしい感じの味だった。こういうの好き。
ホッケの煮付けは定食屋の味。ホッケを煮つけにしたもの自体が珍しい感じだが、たれの味が白身に程よく染みて、まさしく絶妙であった。

もちろん塩辛はまずい筈がない。酒のアテだろう?というご意見は不要だ。

店に入るちょっと前からまた雨が降り出している。開け放たれた入口の外でしとしとと降る雨を見ながら、本降りになったら嫌だなぁ、と思っていたら、程なく盛大な夕立ち。店を出るまでに止んでくれるか不安を感じつつの夕食だったが、幸い、食事が済む頃までに小降りになってくれた。

まだバスの時間まで小一時間あったので、メイン通りをあてどなく散歩したり、駅前のデパートを散策したりして時間つぶし。

15分ほど前に駅に戻って、ロッカーの荷物を回収してからバス停へ。

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乗り場で待っていると定刻どおりにバス到着。荷物を抱えた状態で撮影したのでブレブレだ。。。
ここは始発ではないらしく、我々が乗り込んだらすぐ出発。

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10分ほどでターミナル最寄の港バス停に到着。地図で見るとターミナルまでさほど遠くなさそうだったが、ここが港湾エリアであることをすっかり忘れていた。
こういう場所はひとつの区画が大きいので、地図の縮尺が大きくなっていて、近いように勘違いしてしまうのだ。。。

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お土産満載の重い荷物をそれぞれ抱えて、片手で傘を差しながら、ヒイコラいってどうにかターミナルに到着。バス停から15分もかかってしまった。

急いで手続きを済ませる。もうすでに乗船開始しているので早めに乗船してくださいとのこと。
はい、と返事したが、ターミナルから船の場所までがまた遠い。。。

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また傘を出すのが面倒だったので、小雨降りしきるさなか、傘もささずに小走りで船に乗り込む。
この不便さでは、車ごと乗る人以外が使うフェリーじゃない、というレンタカー屋の言葉も頷くしかない。

何とか船に乗り込み一安心、かと思いきや、客室はすでに沢山の客が荷物を降ろしてひしめき合っている。お盆のUターンラッシュってやつだろう。

こりゃ横になれる場所がないな、と途方に暮れる。だが青森港まで4時間である。到着してからも暫く運転することになるので、ここは睡眠時間に当てたい。意を決してちょっと空いたスペースの両脇の先客に声をかけて少しずつ隙間をあけてもらい、何とか二人分の居場所を確保。。。

それでも確保できたスペースは、快眠には程遠いくらいの場所しかなかった。足元の通路部分に別のおじさんがすでに横になっていて、荷物を置いたら足が伸ばせない。荷物の上に足を上げた無理のある体勢で強引に寝ることに。已む無しである。

そんな場所だけに、身動きもままならない。おじさんを蹴飛ばさないか心配で熟睡できない。固い床も相まって体が痛くなってくる。まぁ、横に慣れただけ御の字と考えるべきか。などと思っていたが、それなりに疲れていたせいか、気が付いたら寝入っていて0時半前の青森港入港で目が覚めた。

車を停めた場所まで歩く。雨が止んでいるのが幸い。ステップワゴンさんは車上荒らしに遭うこともなく、出かけるときと同じ表情で佇んでいた。

 

明日(というか今日か)盛岡で従妹の出産見舞いをするので、できるだけ近い場所まで進んでおくことにした。すぐに高速に乗ってもよかったのだが、折角の青森の道中である。雰囲気をもう少し味わいたい。夜だから一般道で進んでもそんなに時間は変わらないだろうと、しばらく一般道で行くことに。

青森と秋田の県境付近にある国道282号への分岐までは国道7号をひた走る。1桁国道だけに道は快適そのもの。ところがナビが進路とする国道282号に入ったら様子が一変。非常に道の細い峠道である。夜霧漂う丑三つ時、人の気配のない暗い道を走るのには少しばかり度胸が必要となった。

峠越えをしたあと小坂の町に降りてきたところで、精神的にギブアップ。というか、まだ暫くこの道を進む旨、ナビはガイドしているのだが、こんな貧弱な道を走っていたら、盛岡に着くころには朝になってしまう。

小坂インターチェンジから、なんのためらいもなく東北道に入る。しばらくぶりの高規格道路にようやく安堵する。そのせいか今度は眠気がピークに達した。

結局、途中の畑パーキングエリアでギブアップ宣言。寝る。

 

Posted by gen_charly