川越散策・宝登山【1】(2013/11/02)
2022/02/13 リライトしました。
—–
11月の3連休はカミさんのお義母さんを連れて川越を散策してきた。
今回の埼玉散歩のきっかけは、カミさんが入間基地の航空祭を見に行きたいと言い出したことだった。その流れでカミさんのお義母さん(以下、お義母さん)にも声をかけたら、今まで埼玉方面に縁がなくて、前々から川越の時の鐘や蔵造りの街並みを見に行きたいと思ってたのよねー、という鶴の一声により、航空祭はやめて、川越散策に行くことになった。
それだけだと消化不良なので、ついでに秩父あたりの山に登りたい、という意見が出た。
11月の登山と言えば、紅葉を求めたくなるところだが、秩父地方で紅葉の名所とされるような山は、中級者か健脚向け多く、登山初心者のお義母さんを連れて行くのはちょっと難しい感じだ。
そこで、長瀞にある宝登山である。宝登山は小学生が遠足で登るような山なので、標高も距離も手ごろである。ここならお義母さんでも楽しめるだろう。
とはいえ、そういう山なので、紅葉にはまだ早すぎる。数日前に日光の中禅寺湖畔がようやく色づき始めた、と言っていたくらいなので、流石に期待できなさそうだ。
もっとも、お義母さんが見たい、と言っているわけではないので、見られればラッキーくらいのつもりで登ればガッカリ感も少ないだろう。
と、そこまで決まったあと、2人とも仕事が忙しくなってしまい、細かい計画が立てられないまま出発日を迎えてしまった。午前中にバタバタとアウトラインだけ決めて午後に家を出た。
2013/11/02
川越までの道のりは終始混雑気味で、市内に入ったのは夕方近くになってしまった。
今から散策しても散策らしい散策はできない気がするが、それをお義母さんに悟られないよう、川越市役所へと向かう。
と、仲町の交差点から先が歩行者天国になっている。川越まつりはもう終わってるはずだし、そもそも祭りの舞台はこの辺じゃない。
何のイベントだろうかと思いながら、係員の指示に従って裏通りに進み、そちらから市役所へ。
ということで、到着。市役所の駐車場に車を置いて散策を開始する。
が、既に16時を過ぎている。辺りはすでにうす暗くなり始めているが、そこも気づかぬふりで。
まずはお義母さんの希望どおり、時の鐘へと向かう。
ピンボケ写真になってしまったが、こちら側は、札の辻交差点から先がお祭り会場となるようだ。
時の鐘へ行くには、この通りを通らなければならないので、図らずもお祭りも見て歩くことになった。お祭り好きなカミさんがウキウキしている。
角の店の前でギターの弾き語りをしている人がいた。お世辞にも上手いね、とは言えない歌唱力だったが、まぁ、お祭りだしね。
曲がった先に何やら人だかりができている。
近づいてみると、時の鐘の隣の店先でアイドルっぽい感じの女の子が二人立ってグッズの販売中。
追っかけ(っていう言い方でいいのかな?)の連中は、熱心に彼女らを撮影中。
後で調べたら「川越CLEAR’S」という川越のご当地アイドルだそうで。サブタイトル?の「お掃除ユニット」とは何ぞや?
で、それを横目に隣に建つ時の鐘の前まで来た。こっちはこっちで鐘の真下で高校生の二人組がクラリネットのデュエットを演奏中だった。
その演奏は堂々としていて立派だったので、しばし聞き入ってしまった。
自分がこの子たちくらいの年ごろは、周りにニヒルな連中が多くて、地元でこんな風に目立つ活動をしている人は少なかった気がする。その当時から音楽をやっていたが、目立つことをやったら何を言われるか分からない空気があったので、目立った活動は出来ずにいた。
そう考えると時代は変わったんだな、としみじみ思う。
お祭りにしては屋台が少ないな、と思いながら歩いていたのだが、こういう出し物を見ていると、寺や神社の例大祭というよりは、町を挙げての文化祭といったような雰囲気だ。
お祭りのようでお祭りではない雰囲気が独特で、どういうテンションで接したらいいのか、少し戸惑う。
現地では何のお祭りなのか分からないまま散策したが、後で調べたら「灯りと音と文化の祭典 & 川越蔵まちバル3」というイベントだったらしい。
薬師神社の境内も散策したかったが、彼女らが阿吽よろしく入口を塞いだ格好なので、奥に進むのが憚られてしまい、結局外から眺めるだけになってしまった。
この時の鐘は、その名の通り、江戸の昔から街に時を知らせ続けてきた。今も現役で、毎日欠かさず1日4回街に時を知らせ続けている。
和菓子から観光案内まで、この時の鐘をモチーフにしたものが沢山作られている。そのことからも川越のシンボルとして市民に愛されている存在であることがよくわかる。
時の鐘のさらに2軒隣には「いも恋」という饅頭を売る右門という店がある。カミさんが何かの番組でこのいも恋を見たことがあるらしく、食べてみたいというので購入。
いも恋は生地の中に餡子と川越名物サツマイモの輪切りが入った饅頭で、サツマイモの素朴な甘みが口の中に広がる新しい川越の名物なのだが、どこかで似たようなものを食べた気がするなぁ、と思いを巡らせたら熊本で食べた「いきなりだんご」だこれ。
案の定、鹿児島出身のお義母さんは、地元で食べたいきなりだんごの方がおいしい、と言っている。サツマイモの名産地としては悔しいところだが、やはりサツマイモだけに鹿児島が本場というべきなのだろう。
つづいて、お菓子繋がりで菓子屋横町を訪ねてみることに。
その道すがら、脇道の向こうにライトアップされたお寺が見えたので、ちょっと寄り道。
ライトアップされていたのは養寿院というお寺で、とてもよい雰囲気なのだが、門が閉じられていて中に入れなかったので、写真撮影のみで先に進む。
そこから1、2分歩くと菓子屋横町の南側に至る。が、すでにあらかたの店は終わっている。
相変わらず夜が早い。。。
菓子屋横町は江戸時代から続く菓子職人が集まる町で、江戸の味を今に伝える飴細工や飴菓子、昭和を思い出させる駄菓子屋などが軒を連ねている。
自分が子供の頃の川越は、観光地としては一般ウケしなかったせいか、あまり積極的にアピールしていなかったように思う。
というか、埼玉全体がそんな感じで、清里や軽井沢のようなリゾートもなく、草津のような温泉もない。
湘南や横浜を擁する神奈川、ディズニーランドや房総を擁する千葉と比べると、分かりやすい観光地もない、といった具合で、とにかくパッとしないところだった。
小学生くらいの子供が楽しめるところは沢山あったが。。。
なので遠方に住む親戚が我が家を訪れて、折角来たからどこか案内しろ、と言われると困ってしまうのだった。
仕方なしに川越を案内しても、年寄り臭いな、といわれるのがオチで、両親も半笑いになりながらガイドをしていたような記憶がある。
その頃からすると、今では蔵造りの街並みもいっぱしの観光地に様変わりしている。こんな風に変わっていくとは当時予想もできなかった。
にも関わらず、蔵造りと並んで川越観光のメインである筈の菓子屋横町がこの有様である。職人気質というのか、商売っ気がないというのか、、、ここはあまり変わってないなぁ、と感じた。
というか、川越に着いてからというもの、未だ観光らしい観光ができていない。
こんな状態では、お義母さんが満足しないのではないかと、流石に少し不安になってくる。
昔と同じように半笑いで案内しなければらないのか。。。
まぁ、来るのが遅かったのが悪いんだけども。
雰囲気だけで勘弁してください。。。と言いながら、スタート地点に戻ってきた。
見慣れた場所だったせいか、気が付けば写真を1枚も撮っていない。