瀬戸内周遊初日の出【27】(2014/01/04)
今回歩いたルートのGPSログ
岩黒島は、島の中央やや西寄りに島の最高部があり、そこから東側へ続くなだらかな傾斜地に集落が広がっている。最高部と言っても26m程度なので、全体的に平たい島である。
降り立った場所は島の南西側、ここから尾根伝いに島を北上して集落へと続く道が伸びている。
さっそく散策開始。
道の片側には畑が作られて、思ったよりも開けている。
少し前を島の女性が歩いていて、それを追いかける形になったのだが、そのうちに女性が路地を曲がって視界から消えた。
手元で表示させているスマホの地図には、その女性の曲がった方向に愛宕神社の鳥居マークを表示している。追いかけるでもなく同じ方向へ曲がると祠がある。
前を歩いていた女性も祠に用事があったようで、お参りをしていた。お参りが済んだところで、丁度目が合ったので努めてさわやかに挨拶。女性も挨拶は返してくれたが、明らかに怪訝な表情をされてしまった。まぁ、正月の早朝に見慣れない人が後ろから追いかけてきたら、そりゃ怪しまれるよな。。。
われわれも愛宕神社でご挨拶を済ませる。
案内板によると、4月10日に祭日があって、わかめの酢の物をお供えする慣わしがあるとのこと。
さらに歩いていくと、島の北東端にある岩黒小中学校が見えてきた。
岩黒中学校の手前の道端に「EM活性液」なるものが大量に置かれていていた。
ペットボトルに入った茶色い液体は、見た目、国道端に散らばっているアレに見える。
傍らの解説によると、中学校で作ったものらしく、土壌の活性化用として、汚れ落としとして、消臭剤がわりとして、更には入浴剤としても使えると書かれている。
ご自由にどうぞ、と書かれているが、2リットルのペットボトルは流石に持ち歩けないので、見るだけである。
帰ってきてから調べてみると、このEM活性液なるものは、その効果について賛否両論渦巻く若干香ばしい存在らしいが、土質の改善などにはそれなりに効果があるようなので、地元の人たちが貰って帰って畑にまいたりしているのかもしれない。
中学校の前で道が大きく右に曲がり、ここまで概ね平坦だった道が下りに転じる。
その途中の階段の先に鳥居が見えたので、お邪魔してみることに。
このお社は大天狗神社というそうだ。6月12日が祭日で、馬鈴薯とソラマメを備える習わしとのこと。
また、失せ物や失せ人がある時は、狛犬の足に紐を結んでお祈りをすると、ご利益があるそうである。
その狛犬だが、
焼き物で作られた珍しいもので、
表情がどことなくユーモラスだ。
誰かに似てるなぁ、と思ったら小池さんだよねwこんなところにいましたか。
建物の中にお社とご神体が祭られているようで、脇の窓からその様子がちらりと見えたのだが、外の人間が扉を開けることに抵抗を感じたので、建物外からお参り。
そして、神社の前の坂を下っていくと岩黒漁港に出る。
ここが島の唯一の集落となる。
ここでもパノラマ写真を撮ってみた。
景観を壊すとまでは言わないが、小さな島のどこに居ても巨大な橋が見下ろしているような感じがする。
その橋を列車が15分に1回くらいやってきて、その通過音を島内に盛大に撒き散らす。
開通から25年も経つので、流石にこの爆音にももう慣れたものと思うが、開通した当初はかなり迷惑だったんじゃないか、と思う。
それはさておき、漁港に沿って歩いているとまた鳥居と祠を見つけた。恵比寿神社というそうだ。
ここは1月10日がお祭りの日で、大根の酢の物を供えるとのこと。
で、背後に見える岩本商店の前に行ってみると、ニャーが朝日を浴びて毛づくろいの最中。
こんなところで。
永作博美さんのキャッチコピーが、ずーっと見ているとニャーが言っているように見えてきて不覚にもちょっと笑ってしまった。
“いつもの場所で待ってるニャ "
裏通りでも各々が朝の毛づくろい中。
というか、ここの自販機がまた衝撃的で。。。
“スポーツ飲料水"
何が出るかはお楽しみw
このへんで集落の路地へ迷い込んでみることにした。
昔ながらの民家の背後にそびえる近代的なループ橋。なんだか明け方に見る悪い夢かデキの悪い合成写真のようだ。
集落の中心にある共同井戸の跡が残る路地。
あてどなく歩いていくと、いつの間にかさっき歩いてきた道に出てしまった。
そこから道を突っ切って反対側の海岸へ降りていく道が伸びていたので、降りてみることに。
自転車かオートバイにまたがって降りていけるくらいの幅のコンクリートの歩道が延びていて、2、3分歩いたら海岸に出た。
本当に、島のどこにいても瀬戸大橋が視界に入ってくる。。。なので、再びパノラマ写真をどうぞ。
瀬戸大橋がぽっきり折れてしまったのが残念。ICEは自動でパノラマ合成をしてくれる優秀なソフトだが、アルゴリズムによって処理してうまく繋がらなかった時は、こんな風にずれた写真を作ることがある。
それ以前に写真を蹴られてしまうこともあるが。。。
右側にゴロゴロと転がる黒い岩が、島の名前の由来になっているとのこと。
海岸で遊んでいたら、バスの時間が近づいてきた。再びエレベーターを登ってバス停へと戻ってきた。
橋の上の停留所に向かう途中、橋の下を通る瀬戸大橋線の列車がうまく撮れそうなポイントがあったので少し待ち構えてみたが、そういう時に限って列車はやって来ない。
バスの到着時間が迫っていたので切り上げて階段を登る。登っているときに下のほうからガタゴトと鉄橋を渡る音が。。。
ということで、今回撮影は叶わなかったが、鉄橋を走る列車を線路のレベルに近い位置で撮影できる一般人立ち入り可能な貴重なポイントなので、いつかここから写真を撮ってみたいものだ。
程なくバス到着。やってきたバスはさっき岩黒島に来る時に乗ったバスだった。
バス停で待つおじさんは釣竿と必要最小限の道具だけを手にした、いわゆるランガンスタイルである。
島伝いのランガンか。ここでしか見られない、かなり独特なスタイルといえる。