伊豆大島上陸【11】(2014/03/08)
観光マップの類は得てして道が適当だったりするものだが、今回手元にある地図もそんな感じで、一周道路から溶岩流先端へ行くための道の入り口が分からず少し迷ってしまった。
どうにかそれらしい道を見つけ出して上へ上へと登っていくと、お墓の敷地のようなところに入ってしまい、この道で本当に合っているのかと不安になりつつ進んでいくと、軽自動車とオートバイの接触事故の現場に遭遇。軽自動車の運転手は中年の女性、オートバイの運転手は若い男で、男の方が何やら大声で喚いていた。触らぬ神に何とやら、で脇を静々と通過。
でもうひとしきり進んでいくと、バリケードに道を塞がれてしまった。
この辺りも土石流の被害が出たらしく、通行止めになっていた。特に回り道などの記載もなく、こりゃこれ以上行けないのかなと思いつつ地図を見てみると、北側に並行するように道が一本伸びているのを発見。
フェンスは左手側の敷地の中へと伸び、そのフェンスに沿うように道のようなただの空き地のようなスペースが続いており、なんとなく北側の道へショートカットできそうな感じがするのだが、万が一行き止まりだったり泥濘でスタックしたりすると厄介なので、念のため歩いて探索してみたら無事その道にエスケープすることができた。
もし行きどまりだったら、さっきの事故現場へ戻るハメになるところだった。。。
大回りして進んでいくと目的地らしきところに無事到着できたようだ。
ようだ、と書いたのは、傍らの木製の標識を見つけたものの、その周辺が雑然としていて合っているのか自信がなかったからだ。。。
とりあえず空いているところに車を止めて、車外から山のほうを向くと、大きくえぐられた例の山肌が集落からよりも間近に見ることができる。
この辺りも被害が出ているようで、先端部に向かう遊歩道は通行止めだった。まぁ、先端も何も目の前にこんもりと盛り上がった溶岩流がデーンと横たわっているので、無理に先端を目指さなくてもその迫力は十分に感じられる。
この溶岩流、1986年の三原山の噴火の時に山腹から流れ出たもので、その先端は元町の集落からわずか400mの位置にある。島の消防団の人たちが少しでも流れを食い止めようと放水するなど決死の努力をしたものの、全島避難命令が出たためそれ以上の活動ができず、運を天に任せる形で島を離れたそうだが、幸いにもこの場所で止まってくれ、住宅への被害を出さずに済んだという。
とりあえず溶岩流の上に登ってみた。
溶岩流というので滑らかな溶岩の塊があるのかと思ったら、どちらかというと細かい噴石が崩れて流れてきたような感じに見える。ひと気もなく時折吹き抜ける風の音だけが聞こえる世界で、一歩進むごとに溶岩同士がぶつかるカシャカシャという軽い音が響きわたる。
先端のほうまで歩いていくと、その向こうには大規模な復旧現場が広がっていた。
重機がミニチュアのようだ。
だいぶ大規模に工事をしているので、もしかしたら災害復旧ではなく治水工事か何かかもしれない。
足元に、溶岩を掘割状に削って導水管のようなものが敷設されていた。
これは沢の水を逃がすためのものと思われるが、その切羽はまるでトレンチのようで、溶岩流と、溶岩が流れる前の元の赤土の様子が手に取るように分かる。ある意味貴重な光景ともいえ、その様子が見れたことは眼福だった。
太陽が大分傾き、もう少ししたら日が暮れそうだ。
できれば火山博物館にも行ってみたかったのだが、閉館の時間を考えるとどうやら今日はここでタイムアップっぽい。
博物館は明日時間があれば行ってみよう。
宿にはシャワーしかないので、お風呂を済ませることに。どうせだから島の温泉に入りたいのだが、この辺りで日帰り入浴ができる場所は3か所しかないらしい。
火山島なのにちょっと意外だ。
その日帰り温泉は、くるみや旅館と御神火温泉と浜の湯の3ヶ所なのだが、浜の湯は入場料が400円と安いうえ、海に面した野趣あふれる露天風呂らしいので、そこに行くことになった。
で、浜の湯は19時で閉まるのだが、島のスーパーも大体19時に閉まってしまうらしいので、長湯して慌てないために買い物を先に済ませることに。