アシタバを探しながら下山する途中、「割れ目火口」という看板が出ているのを見かけ、ちょっと寄り道。
割れ目火口へと続く道は、もはや廃道と言っても差し支えないほど舗装が荒れていて、所々大きくえぐれたところもあって、それを避けるために右へ左へ大忙しだった。
そんな道を暫く降りていくと道は行き止まり、そこから遊歩道が延びているのが見えている。
車を止めたところの周囲がちょっとした森だったので、カミさんにここでアシタバ探しをしてもらっている間に一人で遊歩道を歩いてみることに。
割れ目火口とは、86年の噴火の際に外輪山の外側に列を成すように生じた火口群のことだ。
三原山の溶岩は玄武岩質で粘り気が弱く流動性が高いという特徴がある。今までの噴火は山頂からの噴火だったので外輪山が土手の役割を果たして麓へ流れ下ることもあまりなかった(なので、86年の噴火の時もはじめのうちは暢気に構えていられた)のだが、このときは今までと違い外輪山の外側でも噴火が始まってしまったため、溶岩が集落に向かって流下し始めてしまったのだ。
流動性が高いと言っても、ハワイの火山のようにさらさらと流れるわけではなく、人の歩くスピードより遅いくらいらしいのだが、迫りくる溶岩は島の人々に昭和58年の三宅島の噴火を想起させたことだろう。
ちなみに、昨日夕方に見に行った溶岩流の先端からたどっていくとここにつながっている。前述の通り、溶岩流は幸いにして集落から400mの地点で留まり、集落へ直接的な被害を与えることなく収束している。
さっき走ってきたぼろぼろの車道はもともと麓へと繋がる道だったのだが、割れ目噴火によって寸断されてしまったため、現在は火口に沿って設置された遊歩道がその両者をつないでいる。
火口の中には既に旺盛な植生が見られる。
この中は風が防げるうえに水と地熱が得やすい環境なので植物の生育が早いそうだ。
大島空港が見えている。
適当なところまで歩いて引き返すと、カミさんは既に車に戻って助手席で仏頂面をしていた。その顔が言いたいことを全て言い表していたのだが、聞いてみると案の定全然見つからなかったらしい。仕方が無いので、引き続き他の場所も探しながら降りていくことにしたのだが。。。
これがまた、その辺に生えている雑草だという情報がガセだったんじゃないかと思うほど、なかなか見つからない。。。半分諦めかけた頃、林道のような作業道を見つけ、その斜面を探してみたら・・・あったあったありました!!
さっき摘んだ場所も石垣の斜面だったので、こういう斜面のような場所の方が好きなのかもしれない。これで今晩の晩のおかずにするのに十分なほどの量を得ることができた。
根が付いたままの株も何株か手に入ったので、これは家に帰ったらプランターに植えてみたいと思う。
家に着くのは8時間後ぐらいだが、展望避難休憩舎のおばさんもビニール袋に入れておけば十分持ちこたえると言っていたので大丈夫だろう。
さて、アシタバの採集であちこち道草を食いまくってしまい、気が付けば昼になろうとしている。船の出港時刻まで残された時間はあとわずか。
食堂などに入るとそれだけで一時間ぐらいつぶれてしまうので、昼食はスーパーで軽食を買って済ませることに。
昨日宿に帰る途中に「ささき」というスーパーを見つけていたのだが、昨日は立ち寄れなかったのでそこに行ってみることにした。
まぁ、品ぞろえは他のスーパーと大きく変わる所はなかったが、惣菜が割と充実していて、二人でめいめい品物を選んで買ってみた。
会計の時に出港場所を確認すると岡田港から出港するそうだ。
残り時間はあと一時間ちょっと。
もし元町港から出港するとしたら、港へ向かう道すがら元町の町内を散策してもよかったのだが、案の定岡田港からの出港ということで、そちらへ向けて進みながらついでに立ち寄れそうな場所に行こうと思い、カミさんが行きたいと言っていた「ぶらっとハウス」というお店に行ってみることになった。
ぶらっとハウスは大島空港のすぐ脇に有って、大島牛乳の牧場に併設されている産直販売の店だ。昨日泊まった三喜から歩いて行けるほど近い場所にあったのだが、営業時間の兼ね合いで結局このタイミングになってしまった。
店の駐車場に車を停めて、まずはお昼ご飯。
メニューはこんな感じ。特筆すべきはこの何の変哲もないような焼きそばだが、ケースにみっちりと詰め込まれていて持った瞬間ずっしりとした重みを感じた。
しかも具だくさんで、お値段250円。一人だったらこれだけでも十分お腹一杯になる量が詰まっていた。
食事を済ませて、まずは牛を見に行ってみた。
午後のうららかな陽気で、牛たちもみんな休憩モード。
2009年に買い戻した5頭の牛たちが子供を産んでようやくここまで増えたとのこと。
のどかに動き回る牛たちを見ているとこちらも時間を忘れてしまいそうだ。。。