新島・式根島・神津島上陸【20】(2014/05/04)

前の通りを真っ直ぐ進んで5つ目の路地を左に行けば近道、と地図を頭に叩き込んだつもりだったのに、様子がおかしいことに気付いて地図を見直したらやっぱり違うところに進んでいた。。。
無意識のうちにメインストリートの方へ右折してしまったようだ。
出来るだけ色々な道を通りたいと思っていたのだが、ここまできて戻るのも何なのでそのまま大回りで行くことにしたのだが、その途中で、「焼きたてパン」の文字を見つけ、つい足を止めてしまった。来るときも見ているはずなのだがあまり記憶にない。

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店の名前は池村商店
ここでも自家製パンを売っているそうだ。

レジの前に「アシタバ揚げパン」なるパンがあると出ていたので、買ってみようと思ったら売り切れだった。人気が高くて午前の早い時間には売れてしまうとのこと。
他にきなことシナモンの揚げパンも作っていて、まだ残っていたので明日の朝食用に買ってみることにした。

野伏港へ戻るように進み、信号のところで左に曲がって暫く行くと広い立派な道に出た。

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立派と言っても島のほかの道と比べたら、と言うレベルだが、それでも片側一車線が確保されており、勾配やカーブがゆるく作られた割と最近の設計のものだ。こんな沿道に誰も住んでいないような地域なので、なんだか違和感を感じた。

ふとカミさんが、何かいい香りがする、と言って自転車を路肩に寄せた。

「おじさんが言ってたの、きっとこの花だよ!」

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確かに周囲にはとても甘い香りが漂っている。主人がセイマと言っていたのは島での呼び名で、一般にはシャリンバイと呼ばれる花のようだ。
シャリンバイは奄美の大島紬の原料にもなっている。奄美に行った時に染色の体験をしたが、あの時の染料は独特の発酵臭が鼻について大変だったことを覚えているが、同じ木が花を咲かすとこんなにいい香りを放つものだとは。。。

道を行ける所まで行くと神引山(かんびきやま)展望台の入口で突き当たりになるが、その少し手前のごみ処理施設の所に遊歩道への入口がある。
ここから島の西側をぐるっと回って、神引山展望台までの遊歩道が整備されていると言うので散策してみようと思う。

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自転車をデポジットし、ついでに水着も自転車に引っ掛けて干しておくことにした。

このページで歩いたルートのGPSログ

コースマップでは所要が約1時間となっていたので、あちこち見たりお昼を食べたりしても2時間あれば戻ってこられるだろう。

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遊歩道は道幅も広く足元には落ち葉が積もって歩きやすい。天気もよく木漏れ日がとても心地よい絶好の散策日和だ。
また、この島には毒を持つ生き物はいないようなので、気楽な気持ちで歩けるのも爽快だ。

最初の目的地、第一展望台へは10分かからない位で着いた。時計を見ると丁度12時を指していたので、ここで昼食と相成った。
うっかり展望台の写真を撮り忘れてしまったのだが、展望台の脇にはテーブルが三卓設置されていて、ランチにはもってこいの場所である。

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と言うことで、本日のランチメニューは、赤いか焼きそば、島のり弁当、カンパチづけ丼の島グルメセットだ。

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まず最初に食べたのがづけ丼。生ものだからね。
島寿司の作法に習ってカラシが付けられている。ご飯も酢飯になっていて島寿司を食べたような気分になれる。

魚の鮮度、漬け具合、シャリの硬さ、味付けどれをとっても最高の一品。

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続いては赤いか焼きそば。
赤いかがゴロゴロと贅沢に奢られていて、麺は川越焼きそばと張り合えるほどのかなり太麺。
単純なソース味ではなく、ガーリックやオイスターソースなどの味が複雑に絡んで、見た目のB級さとは裏腹にかなり美味しかった。

確かに美味いが、このサイズで560円ってやっぱり島の物価は以下略、と思いながら食べていたのだが、後で調べてみたら、赤いかはかなりの高級品らしい。
それを焼きそばにしてしまうのは、ある意味もったいない気がする。どうせなら島寿司のように赤いかの刺身丼などを作ってみてはどうだろう?

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最後に食べたのは島のり弁当(ミニ)。島のりは海苔弁当のようにご飯の上に敷き詰められており、濃厚な風味が堪らないが、上に乗っている揚げ物類は普通。
島の名産品のひとつ、たたき揚げが入っていたが、ポークビッツ並みに小さく、本当に味見にしかならなかったが、とりあえず食べることが出来た。

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食後、腹が落ち着いてから展望台に登ってみた。
ここから御釜湾が見晴らせ、対岸には戦後間もない頃までアシカが住んでいたという「アシカ穴」が見える。

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アシカ穴という名前から小さな洞穴のようなものをイメージしていたが、実際には相当巨大で、ガンダムとかイングラムぐらいなら入ってしまいそうな穴だった。

ちなみに、「御釜湾」と書いて「みかわわん」と読むそうだ。オカマとしか読めないが。
どう訛ってそうなったのか全く想像がつかない。
名付けた人は鼻でも詰まっていたのだろうか?

再び出発である。
また同じような感じの遊歩道が続き、鼻歌交じりで歩いていくと数分で分岐が現れた。

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右はショートカットコースなので、「隈の井」と書かれているほう(左)へと進む。

すると道が急に細くなり始めた。
まぁ、踏み跡はしっかり続いているので迷うことはなさそうだが。

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道すがらに小さな祠を見つけた。
ガイドマップには特に記載が無かったが、お供え物もあり、今でも手入れされているようだ。

更に10分ほど細い獣道のような遊歩道を進んでいくと、突然景色が開けた。

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ここが「隈の井(くまのい)」という場所だ。熊の胆、ではなく隈の井だ。河原のようなゴロゴロとした岩場が広がっていて、少し下ったところには妙に平たい場所がある。

少し散策してみた。
底の部分はグラウンドのように平らにならされている。

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ここはかつての火口の跡で、今は干上がっているが大雨が降ると池ができるそうだ。
池の時に泥が底に平たく溜まり、それが干上がってこのような景観を作り出している。

何の気なしに崖のほうへと歩いていったら、

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すごい高さの絶壁で焦った。6、70m位はあるだろうか、転落したら最悪の場合、死にます、な場所だ。
にもかかわらず柵の一つもないのがワイルドだ。

 

Posted by gen_charly