新島・式根島・神津島上陸【29】(2014/05/05)
このページで歩いたルートのGPSログ
進み始めてすぐに分岐があり、左に進むと黒島展望山というピークに行くことができるのだが、この際景色はどうでもよいので、ここは直進。
すると程なくまた分岐があり、これを右に行くと千代池に至る。
ちなみに千代池も展望山もそれぞれを経由して再びこの遊歩道に戻ってこられる。
池なら間近で見ることができそうなので、ちょっと寄り道をば。。。
登山道の途中には背丈の高い木は全くなかったのに、この辺には2~3m位の背丈の木が生い茂る藪があってなんだか意外な感じがする。
この辺は一種のカルデラのような場所なので、風の影響をあまり受けないせいかもしれない。
そんな道を1.2分歩くと藪を抜けて景色が開けるのだけれども。。。
水、ないよ。。。
ガイドマップにも渇水時期には干上がると書かれているので、そういうことなんだろう。
ちなみに、普通に読むと「ちよいけ」と呼んでしまいそうだが、ここは「せんだいいけ」が正しいそう。
他にこれと言って見るものもないので、もう一度藪を抜けて元の道に合流。
元の道もまた途中から森の中を抜けるルートになっていて、折からの風雨が幾分しのげるのはありがたいが、足元にはみ出した雑草を蹴っ飛ばすと雨露が垂れて靴が徐々に湿っていくのが辛い。。。
トレイルラン用の通気性のよい靴を履いてきたのは選択ミスだったかもしれない。
天気が良ければ小鳥がさえずる爽快な遊歩道なんだろうと思うが、今は生命の息吹は感じられず、時折吹き抜ける風が木々を揺らすのみで、このまま歩いていくとなにやら別の世界へと行ってしまうのではないかという気になってくる。。。
そんな道も、やがて森が途切れて次第に景色が開けてきた。
が、相変わらず足元に張り出す雑草の雨露が靴へと流れ込んで何とも不快だが。。。
と、道の途中にその辺に転がっていそうな感じの何の変哲もない岩に何やら掘り込まれていたので足を止めてみると、
「二千年七月 神津島大地震 崩落ノ岩」
どうやら傍らにそびえる斜面から崩落したもののようだ。
こんなのに直撃されたらひとたまりもない。。。
岩の下敷きになったら神隠し状態になってしまうかもしれん。
この岩を過ぎると次第にそれまで生い茂っていた植物がその数を減らし、高山植物のような地面を這うように生える草がぽつぽつと群落を作るだけの、荒涼とした光景へと変わってきた。
で、ほどなく裏砂漠方面への分岐地点に到着。天気が良ければ(しつこい?)裏砂漠方面へ進むところだが、今回はこのまま直進。
カミさんが、「本当にこの道で合ってるの?だって裏砂漠とか行かないんじゃなかったっけ?」と問いかけてきた。
手元のガイドマップにもここをまっすぐ行けば表砂漠を抜けて白島登山口へ至る道が書かれているので間違いはない。ただ、いかんせん視界が開けず、この道を進んでいけば本当にたどり着けるのか、自分自身も一抹の不安を抱えている。。。
そう説明すると、ひとまず納得したようなのだが、二言目には「早く下山して落ち着きたい。」とすっかりテンションが下がってしまった様子。
それまで自分が先頭に立って歩いていたのだが、あまりあちこち写真を撮るために立ち止まるので、業を煮やして再びカミさんが先頭を歩くようになった。そうなると足の速いカミさんは、どんどん先に行ってしまい、ともすればまさに雲隠れ状態でどこにいるのかわからなくなってしまうので、時々名前を呼んで確認し合うことにした。
次第に、ごろごろ転がっていた岩石も見えなくなり、足元もどこかの砂浜でも歩いているかのようなサラサラの砂地になってきた。
お母さん、僕はますます黄泉の国に近づいているような気がします。。。
しばらく歩くと視界が開けた。ベンチなどが置かれ、傍らの看板には表砂漠と出ていた。
本来ならここで弁当を広げることになっていた訳だが、とてもじゃないけどこんな状況で食事をとる気にはならない。やはりさっき食事を済ませておいたのは正解だった。
ここで道が分岐し、最終的に白島登山口に合流する右回りのルートと左回りのルートに分かれるのだが、我々が選んだのは当然距離の近い左回りのルート。
右回りルートの途中には不動池や天空の丘などの見どころもあり、なかでもBBA・・・じゃなかったババア池という何とも侮辱しているような名前の池なんかはその由来も含めて見に行ってみたい気もするのだが、この天気ではどうにもならず。。。
しかし、この景色ですよ。。。
足元の岩にルートを示す黄色い矢印が引かれているが、これがなければ絶対に迷う。。。
写真の通り、散策路はちょっとした登りになり、これを登っていくと島の最高地点へ続く道への分岐にでた。
カミさんが、少し前から風雨に打たれて寒さを訴え始めていたので、ここは素通りかな?と思ったら、意外にも「最高地点なんでしょ?行こうよ!」というのでちょっと寄り道することに。
途中でこんな鳥居があった。写真だと比較対象がないので大きさが分かりにくいが、人がくぐってようやく入れる程度の小さなものだ。
しかし、こういうものを見ると実は自分は死んでいて賽の河原とか三途の川とかへ向かう道のりを歩いている最中なんじゃないかという気になってくる。。。
分岐から頂上まで2、3分の道のり。
一気に登りつめ、神津島の最高地点に到達。