新島・式根島・神津島上陸【30】(2014/05/05)
このページで歩いたルートのGPSログ
なんだかんだあったが、神津島の最高地点である天上山の山頂に到達した。
山頂を示す標識のてっぺんになぜか龍のオブジェが付いていた。
相変わらず景色は開けず、達成感があるような無いような微妙な感じだったが、やや無理やり達成感を味わってさっさと下山。
この分岐を過ぎると、富士山の大沢崩れのように大きくえぐれた神津沢のふちをなぞるように道が続く。登る前に集落でこいのぼりがかけられていたあの沢をひたすら遡るとここに来ることになるのだが、この辺りはほぼ崖と言ってよいような急斜面である。
急斜面はイコール大概崩壊しやすい場所で、この沢も例外漏れず頻繁に土砂崩れを起こして、その度に麓の集落に被害を与えていたので、大正時代に入ってから治山工事が行われるようになり、今いるこの場所の辺りにも当時積まれたという石垣が残っている。
こちら側からだと見づらいが、人工的な石垣があるのが分かるだろうか。
写真の右下方向が麓の方向になり、少し上の方から見下ろしているのだが、写真中央にうっすらと砂防ダム風の石垣が見えると思う。
この工事は全て人力のみで行われたそうで、こんな高所まで岩を担ぎ上げていたのかと思うと、当時の強力(ごうりき)たちの恐るべき体力に敬服する。。。
こちらの写真の方が少しわかりやすいかもしれない。
何人が何往復すれば、ここまで積み上げることができるのだろう?
先ほどのオロシャの石塁もそうだし、伊豆大島の三原山の石垣もそうだが、人間いざとなるととてつもない底力を発揮するものなんだなぁ、と感心する。
この石垣の少し先に、不入が沢という看板が建てられている。
この天気なのでどれがそれなのかよくわからないのだが、多分この先の窪地を指しているようだ。
ちなみにこの沢の名前も変だ。普通なら「いらずがさわ」などと読みたくなるところだが、これで「はいらないがさわ」と読むらしい。
「不入」と書いて「はいらない」って意訳しすぎだろうw
で、この不入が沢を過ぎるとようやく白島登山口への下山道にたどり着いた。後はここを下るのみだ!
ようやくゴールが見えてきて、緊張の糸が解けそうになるが、まだまだ早い。
家に帰るまでが遠足ですw
下山路は意外とよく整備されていて、黒島登山道よりも歩きやすい。
小さくジグザグを繰り返す道を下りているときに、久しぶりに人とすれ違った。また大学生くらいの若者3人組だったが、そのうちの一人はレインコートも着ずにトレーナーにジーンズ姿だった。
あっという間にすれ違ったので、忠告する事も出来なかったが、この雨で彼はきっとこの後泣きを見る気がする。。。
最初のうちは草木も生えていないような無機質だった道も、下るうちに樹林帯に入ったようで、また少し風雨がしのげる場所になった。
表砂漠の辺りから雨粒が大きくなってきていて、レインコートの下に隠して必要な時だけ出して使っていたデジカメにも徐々に水気が付いてくるようになり、レンズに着いた水滴も時折拭いながら使っていたのだが、いよいよ湿気でレンズが曇るようになってきてしまった。。。
そろそろカメラも使用中止かな、と思った矢先、砂利で整地された場所に出てきた。
振り返ると「白島登山口」と書かれた看板が立っている。
どうやら登山口まで下山したっぽい?
傍らに公衆トイレがあったので、とりあえず雨宿りと小休止をすることに。
登りも思ったよりは早かったけど、下山はもっと早いなぁ。登りはおよそ45分くらいだったが、下山は開始してから15分も経っていない。
白島登山口は結構上の方まで来るまで来れるんだなぁ。これならこっちから登った方が楽だったかもしれないな・・・などとこの時は完全に下山した気分になっていたのだが。。。
そうだ、レンタカー屋に電話しないと!
朝の段階で下山口が決まったら連絡する事になっていたけど、あっけなく降り切ってしまったので連絡できずじまいだった。
まぁ、とりあえず到着まで休憩時間にすればいいや、とカミさんに電話して貰った。
「もしもしー、あっ、今白島の方に降りてきました・・・。えっ?トイレがあって白島口と書いてあるんですけど・・・、はいあの、白島です・・・もしもーし?」
なんか電波が悪いのか会話がかみ合っていないようだ。カミさんの電話に耳を傾けながら改めて景色を見ると、駐車場の出口付近の看板に、
「この先集落まで7km2時間 トイレ脇の道が近道」
という標識が出ているのが見えた。
ん?7キロ!?ここからまだ7キロも歩くのかよ。。。
土地勘がなかったので、最初はそう思った。
が、次の瞬間、いくらなんでもそんな遠い訳ないだろうと思って、手元の地図を見直してみるとここはまだ登山道の途中だと書かれている。
その7キロあるという道は、島の北側をぐるりと一周するようなコースを描いていて、近道と称する登山道の方が、集落に直接降りる道ということらしい。
となると、いくらなんでもこんな所まで迎えに来てもらう訳にもいかないので、結局うまく会話がかみ合わないまま一旦電話を切っていたカミさんに状況を説明し、もう少し麓まで降りるので予定通り白島登山口までお願いします、と改めて連絡してもらったのだが、相手側で対応をしてくれている人はなんかピンと来ていない様子。。。
とりあえず途中にダムがあるからそこに着いたら連絡が欲しいと指示された。
なんとなく集落に着いてから電話した方がよかったかなぁ、などと思いつつとりあえずダムへ向けて下山することに。