新島・式根島・神津島上陸【36】(2014/05/06)
途中マルハンに寄ってお昼のお弁当の調達。折角来たのだから、一度くらいどこか飲食店で食べたらどうなんだ?という声が聞こえてきそうだが、お昼を過ぎるとあと2時間ほどでレンタカーを返却しなければならず、残念ながら出港まで残されている時間があまりない。
まだ見どころはいくつもあるし、悠長にランチを楽しんでいる余裕はないのだw
さて、島の西岸の探索だが、基本的に一本道の途中に転々と名所があるような形なので、一旦一番北の端まで行って戻りながら名所をチェックしていくことにした。
10分ほど走ると赤崎と言う場所に出るのだが、丁度海を眺められる感じのよい駐車場があったので、そこで弁当を広げることにした。
どこのスーパーでも売っていそうな、何の変哲もない若鶏のお弁当。唯一島らしいおかずは、アシタバが入ったかき揚げくらい。。。最初別のお弁当を選んでいたのだが、直後に出来立てのこれが並べられたので、誘惑に勝てなかったと言う次第。
昨日買ったパンも残っていたので、ランチのお供にしたのだが、食パンと弁当って考えてみたらとんでもない組み合わせだ。。。w
ちなみに赤崎は島でもかなり有名な観光スポットがある場所なのだが、後でまた来るのでしばし待たれたし。
赤崎のトンネルを抜けてもう一頻り走ると、突き当りになり、ここが終点となる。
その先にはトンネルが見え、まだ道が続いているのが分かるが、立入禁止となっていた。
「大黒根トンネル」と言う名前がついているが、作りかけかといえばそういうわけでもなさそうだ。
調べたところによると、このトンネルの先で、島の北岸を通り、東岸の返浜(かえすはま)と言うところまで道を延ばす予定だったが、トンネルの先の地質が悪く道を通せなかったので、計画中止になったらしい。
トンネルは反対側まで貫通しているのだが、反対側の出口は荒々しい海岸になっていて、その光景はまた独特なものということだが、トンネルポータルを眺めてそのまま折り返し。
再び赤崎に戻ってきた。
ここには、「赤崎遊歩道」という神津島の名所マップには必ず登場する有名な遊歩道がある。
木で組まれたウッドデッキ調の歩道が磯に沿って張り巡らされている。
その歩道を歩いていくと、ガイドブックによく登場する有名な光景が見えてくる。
10mほど離れた沖磯との間が天然のプールのようになっていて、飛び込み台なども設けられている。
昨年秋に伊豆大島に甚大な被害をもたらした台風26号によって大きく損壊してしまったそうで、今では修復も済んだということだが、再建した場所とそうでない場所は木の色が全然違って損壊した場所は一目瞭然だ。
いやー、こえーなぁ。。。
何がって、ウッドデッキが何かの拍子に崩壊しないか心配なんですよ、奥様。
やらせ写真。まぁ、こんな飛び込み方をするやつはいないよな。。。w
便所サンダルがイカすw
この辺りから海の向こうに式根島、新島、利島が見える。こうやって見ると式根島はやっぱり平たい島だと言うことがよく分かる。
もっとも、式根島より山がちな新島も山頂部分は削り取ったように平坦で、こちらも平たいと言えば平たい感じだ。
道は向こうのほうまで伸びているので、行けるところまで行ってみよう。
遊歩道は所々磯に下りる階段や展望台のようになった場所があって、思いのほか楽しめる。
で、てくてくと進んでいくと、唐突に行き止まりになってしまった。これまた道が更に奥の方へと続いているのだが、ご覧の通り途中で崩落してしまっている。
どうやらここから先は修復されなかったらしい。
以前は赤崎トンネルの反対側の出口の近くに出られるようになっていたらしい。仕方ないので、来た道を折り返して戻ってきた。
車に乗って集落へ向けて走っていくと、ログハウス調の建物が見えてくる。
ここは「名組ドンタクハウス」と呼ばれる施設だが、最初ガイドマップを見て「『名勝』ドンタクハウス」だと勘違いしていた。
「名勝」という格式ばった単語と「ドンタクハウス」というなにやら無国籍な響きの単語の並びがあまりにアンマッチ過ぎて、どんなB級スポットがあるのだろうかと思っていたのだが、空目にしてはあんまりだ。。。
それはさておき、「ドンタクハウス」ってどんな施設だ?ということだが、窓から中を覗くとコンロつきのテーブルが並べられていて、バーベキューなどができる施設らしい。
あとで調べたところによると「ドンタク」と言うのは、釣ってきた魚などをその場で調理して食べるという意味の島の言葉だそうで、博多の有名なお祭りとは何の関係も無いそうだ。
いや、ドンタクハウスを紹介するためにわざわざここに立ち寄ったわけではない。
その脇の浜にガイドブックにも載っていない産業遺産があるというのだ。
まぁ、走る車の車窓からも見えるんだけど。
それがこれだ。
鉄道ファンとしては見ておくべき遺構の一つだろう。
島の最北端には神戸山というコーガ石で出来た山があり、かつては盛んに採石が行われていた。
山頂で切り出した石を索道(ロープウェイ)で麓に下ろし、そこから船積みするために沖合いに作られた停泊所までトロッコで運んでいたそうだ。
戦前の昭和17年に開通したそうだが、70年余りを経た今、まして海に面したこの場所で大きく崩壊することなく残っているのは驚きに値する。
この写真で、その質感が伝わるだろうか。
終点まで歩いてみたい気もしたのだが、流石に丈夫そうに見えても途中で崩壊したりするかもしれないし、何せ自分もキャンドゥ謹製のサンダル履きなので無茶は禁物。
足元には当時のトロッコの車輪が打ち捨てられていた。