八丈島上陸【6】(2014/09/20)
食事がすんで、本日後半戦の行動開始。
近くに唐滝という滝があるのだが、近いといってもここへ行くには一時間ほど山歩きをしなければならない。雨の中を一時間も山歩きするのは大変かなと言う気もしたのだが、逆に言うとこれだけ雨が降っていれば水量が増えて豪快に流れ落ちている様子を見ることが出来るかもしれない。
・・・という話を2人に話すと、見てみたい!と即答された。
じゃ、行ってみますか。
唐滝への登山道の入口までは車で数分。
地図に従って駐車場があるという場所まで進んだが、どうもそれらしきものが見つからない。
車道がそのまま登山道になっているようなところでは、うっかり駐車場を見落として進んでしまうと、いつの間にか車が通れないような道に変わり果てて、泣く泣く鬼バックをさせられる羽目になるなんてことがよくあるので、ここは慎重に行くべきだろう。
ま、その不安は杞憂で、いったん車を降りて歩いて上流の方へ進んでみたらほんの50mほど先に駐車場が見つかった。
地図を見直すと、駐車場の手前に「アシタバ畑」があると書かれている。これは後から書き込まれた注釈だが、これがあったので駐車場の位置を特定できたといってもよい。
こんな感じで、ネットなどでダウンロードできるマップにさらに詳細なコメントが書かれているので、ぜひとも貰っておくべきだろう。
雨は相変わらずしとしとと降り続いているが、緩急をつけて強くなったりいっとき止んだりしている。
レインコートを着込んで武装し、登山開始。
最初のうちは沢に沿ってコンクリート舗装の道が続くが、ほどなく登山道になった。
沿道にはこんな時期にもかかわらずアジサイが花をつけていた。
その道も最初のうちは何の困難もなく歩けるが、ずっと進んでいくとロープのある急斜面や沢渡などが出てくる。
沢渡りで増水した川に流されて亡くなった人のニュースをつい先日見たのもあって若干緊張したが、それなりの位置に飛び石のように石が置かれ、バランスさえ崩さなければ靴も濡らさずに渡ることが出来る。
更にぐいぐい登っていくと今度は砂防ダムだ。
これを巻くようにして越えると2度目の渡渉。
更に登っていくと奥の方からだんだん水が流れ落ちる音が大きくなってくる。
ひときわ音が大きくなったところで急に視界が開け、目の前に一筋の滝が飛び込んできた。
唐滝。落差36.3mは常に水が流れる滝としては島内最大だそうだ。
今までネットなどで見たものより盛大に水が流れ落ち、雨の中をわざわざ歩いてきたことに対するご褒美をもらった気分だ。
みんなで記念写真などを撮ったりしながら暫くマイナスイオンを浴びて休憩。
休憩しながら、これだけ盛大に水が出ているなら、もう一か所幻の滝と言われる三原滝の方も見れたかもしれないなぁ、と思ったのだが、あっちは道なき道を登っていくるような所らしく、どのみち辿りつけなかった気がするし、まぁ、いいか。。。
相変わらず雨が止まず、さっき二度渡渉した沢が増水で渡れなくなると遭難の憂き目にあってしまうので、名残惜しいがぼちぼち戻ることに。
ま、杞憂なんですけどね。。。
そういえば、来る途中に硫黄沼という沼があるとガイドに出ていたけど、これまでそれらしきものや分岐が見当たらなかった。
どこで見落としたのだろうかと、注意しながら下山していくと崖下の木立の向こうに見えていた沢が池のように水を湛えているのが見えた。この辺かな?と思いながら進むと、路傍に案内の石柱と分岐道を見つけた。
いやー、これは分かりづらいわー。。。
分岐の先は草木が生い茂って見通しの悪い道が急こう配で下っている。
レインコートを着ているとはいえ、葉っぱの雨露に濡れながら薮漕ぎはご免こうむりたい。
が、カミさんもお義母さんも行ってみたそうな顔をしながら尻込みしている。
あ、やっぱり行かないとダメだよね。。。
先遣隊として恐る恐る突入してみたら、案外ほんの10mほどで平らな歩きやすい場所に出た。
それを伝えると二人も追いかけてきた。
よくネットなどに掲載されている写真は小さな池のような感じで映っていたのだが、実際はもっと奥行きがあって思ったよりも大きい池だった。
この沼は室町時代に作られたため池だそうだ。
水の色が緑がかっているのは硫黄分が溶けているせいらしい。
硫黄沼も無事見学することができ、再び元の登山道に戻るとほどなく下山。レインコートをトランクに放り込んで、座席に腰かけたところでようやく一息つけた。
さて、そろそろ頃合もいい感じなので、この辺で温泉で一風呂浴びて登山の疲れを流し、ホテルへ向かいたいところだ。
中之郷には藍ヶ江港近くの狭いエリアに、裏見ヶ滝温泉、やすらぎの湯、ザ・BOONの3軒の温泉がまとまって存在している。
入浴料は上にあげた順に高くなるのだが、裏見ヶ滝温泉は無料で入れる。露天風呂が一つあるだけで、男女の別がないので水着着用だそうだ。
もちろんカミさん的にはそんな野趣あふれる温泉に大いに興味を持っているのだが、お義母さんをこんなところに入らせても良いのか、という良心の呵責のようなものを感じないこともない。。。
・・・のだが、やはり水着は持参しているとのこと。すげーなw
で、裏見ヶ滝温泉の近所にはその名前の由来にもなっている裏見ヶ滝という、島で一、二を争う超有名なスポットがあるので、それを見てからの入浴にしようと思う。
(ちなみに裏見ヶ滝って普通に変換すると「恨み難き」って出るんだよな。。。)
車を走らせていたらしんのうやし雌雄原種の看板が見えてきた。どうも裏見ヶ滝への分岐を見落として集落を通り過ぎてしまったらしい。。。
せっかく通りかかったので、ちょっと見学することに。
しんのうやしというのは漢字で書くと親王椰子と書くそうで、中国での表記が由来になっているという説があるそうだ。
ちなみに学名はフェニックス・ロベレニーで、八丈島や小笠原ではもっぱらロベと呼ばれている。
で、車をUターンさせ、来た道を折り返す。
来る時に見つけて気になったのだが、土次第という変わった名前のバス停である。
「育つかどうかは土次第。。。」というハローバイバイ・関暁夫が言いそうなセリフが浮かんでくる。
ちなみに「つちしだい」ではなく「どしだい」と読むらしい。
くだらん話はさておき、今度は分岐をちゃんと見つけ無事裏見ヶ滝に到着。再びレインコートを着込んで、滝への遊歩道を歩き始めた。