中央防波堤と東京ゲートブリッジ【3】(2014/10/25)
そのあと不燃ゴミの処理施設を見学しながら進み、バスは外側処分場に向かう橋を渡る。
外側処分場の北側の面は、空軍基地の脇でも通っているかのような物々しいフェンスに囲まれている。
が、これは侵入を防ぐためのものではなく、処分場内で強風等で舞い上がってしまったゴミが外に飛ばないようにするためのものだそうだ。
その道すがら、なかなか毒々しい液体で満たされた池が見えた。ゴミから出る水分だそうだ。
このような池が島内に数か所設けられていて、それぞれ排水センターに集めて処理をしてから流しているとのこと。
ゲートブリッジの下をくぐる。傍らに橋に上るためのエレベーターが見えるが、これが利用不可となっているため、自動車以外は橋の上へアクセスすることができない。
通れないことを知った時は憤慨したが、今いる場所は公道ではなく、そもそも一般人は立ち入れないのだから、通行禁止なのも仕方がないと納得せざるを得ない。
ゲートブリッジをくぐった反対側は急に見晴らしの良いエリアになった。なだらかな丘には緑も茂って一瞬清々しさすら感じる光景だが、もちろんこの丘の下に埋まっているのはゴミである。
まぁ、ゴミといってもむき出しということはもちろんなく、3mごとに50cmの土をかぶせてサンドイッチ状にしてある。一番上にも土をかぶせているので、見た目はただの丘にしか見えない。
ちなみに、生えている草木は植林したものではなく、自然に生えてきたものだそうだ。
これは別の場所にあった穴だが、真ん中あたりの白い破片が混ざっているあたりがゴミの層で、その上がかぶせた土である。
やがてバスは一本の路地に入り、この丘を登り始めた。
道は未舗装で、じゃりじゃり言いながら進んでいく様は久々に経験する感覚だった。広い空と相まって都心の一画にいる感じがしない。
今登っている丘の高さは標高30mだそうだ。羽田空港の航路と重なる都合上、これ以上の高さに積むことができないらしい。
とはいえ、50年後にはオスプレイの様に垂直に離着陸するような飛行機が主流になっているかもしれないし、あるいは、飛行機文化が廃れていることだってあるかもしれない。そうなったらもう一頻り積み上げてさらなる時間稼ぎをするのかもしれない。
草地の中にところどころ写真のような棒が立っていた。これはガス抜き用のパイプだそうだ。
前述のとおり、地中のゴミから生じるメタンガスを抜かずにおいておくと何かの拍子に火災が発生したりするので、こういう施設も必須なのである。
東京ゲートブリッジをこの角度から見るのはなかなか難しいのではないかと思う。
この池が、排水センターと呼ばれている場所にある集水池とのこと。
しばらく砂利道を揺られながら進むと、再び舗装が復活し、大きな転回場のような場所でバスがとまった。
展望台がある場所とのことで、車を降りて傍らの展望スペースに移動。
展望といっても路面から数十cm程度なので、あってもなくても見える景色に違いはなさそうだが、、、
ここは新海面処分場が見渡せる場所で、30m下では今まさに埋め立ての真っ最中の光景が広がっていた。
まぁ、それでもあのステップが見晴らしの向上に役立っているかといわれると微妙だがw
そもそも、ほぼ土と海以外何もない景色なので、さらに高くする必要もないといえばない。
写真の奥に見える堤防の位置辺りまでが東京都の領地らしく、ここがいっぱいになるといよいよお手上げになるということだ。
こうやって見るとそれはそんなに遠い未来の話ではなさそうにも思える。
片隅に石碑が見えたので、近寄ってみると、殊更なことが書かれていた。
「限りある 埋立空間 大切に」
まぁ、そうなんだけど。。。わざわざ石板に書く必要あるのだろうかw
展望台で5分ほど見学してから、バスに戻りぼちぼち戻りのコース。
秋だねー。
海に近くて、だだっ広くて、人のいない場所なので、風力発電にはもってこいの立地。島内のあちこちに風車が設置されていた。
主要な見どころも見終わって、係の人はほかの施設のあれこれを説明してくれていたが、気が付くとうつらうつらしていた。そして、気が付くとバスは再び合同庁舎に戻ってきた。
これでツアー終了でこのまま解散とのこと。
こういう施設は興味があっても気軽に来れる場所ではないので、なかなか貴重な体験ができた。
惜しむらくはバス見学中にGPSロギングを設定し忘れてしまったことだ。
また数年すると今とはまた違う光景が見られると思うので、その頃に機会があれば再び参加してみたいと思った。