北陸ドライブ2014【4】(2014/11/03)
2014/11/03
今日は東京へ戻る日だが、何時ごろに出発するかはまだ決められずにいた。
中途半端な時間に出ると、都内で渋滞に巻き込まれる可能性が高いし、かといってあまり遅い時間に出ると帰宅が午前様になって明日の仕事に差し支えそうだ。どのくらい疲れて、どのくらい休憩が必要になるかによって出発の時間が変わるのだが、まぁ、夕方位に出れば概ね問題ないだろうということになった。
前日のやり残しになっていたパソコンのメンテナンスを済ませたら昼近くなってしまったので、まず昼食を食にいこう、ということになった。
金沢発祥で最近有名になったものの一つに金沢カレーがある。東京でもよく見かけるのがゴーゴーカレーだが、金沢ではチャンピオンカレーという店が人気らしい。
本場の金沢カレーということでチャンピオンカレーを食べることも考えたが、数日前にデイリーポータルで鬍鬚張魯肉飯(ひげちょうるーろーはん)という台湾の伝統料理を食べさせてくれる店が金沢にあるという記事を見つけていた。
金沢カレーと違って、以前は東京にもあったらしいのだが、今では金沢にのみ残っているということで、やや強引だが、ある意味金沢グルメといえるだろう。カミさんはアジアンフードが好きなので、金沢でしか食べられないなら行ってみたいと言うのでみんなに提案してみたら、意外なことに誰も行ったことがないという。
でもそういうことなら行ってみるかという話で一行は鬍鬚張魯肉飯へ。
金沢工業大学の近所にその店はあるのだが、隣がチャンピオンカレーの本店だというのは笑った。
カミさんが魯肉飯を食べるというので、自分はホホ肉丼なるものを頼んでみることにした。
台湾料理らしい八角の風味の効いた味でほろほろのお肉とともになかなか美味い。
・・・のだが、弟たちは八角の風味に慣れていないのか微妙な顔をしていた。
その割に、弟もお袋もおかわり。つられて自分も混ぜそばをおかわり。
食事を済ませてさてどこへ行くかという話になった。最初は金沢市街の温泉に行ってのんびりしてから東京へ帰るという話が出ていたが、お風呂だけで終わらせるのもなんだか勿体ない。
ふと空を見ると雲が切れ始め、雲間から太陽が覗いてきたので、これは天気が回復傾向だろうということで、「パーク獅子吼」に行くことになった。
パーク獅子吼は以前にも来たことがある。巨大な獅子舞の獅子頭などの展示を見たことを思い出す。
パークの名を冠する通り、周辺に昆虫館や公園などが整備されており、雨さえ降らなければ子供を遊ばせるのにちょうどよいと思ったからだ。
駐車場に車を停めると、背後にゴンドラ乗り場がある。そういえばあの上は行ったことないなぁ、と思って頂上のほうを眺めていたら、弟が空気を読んだか、上行ってみるか?と聞いてきた。
ゴンドラは往復で大人1000円。チケットを購入すると、次回使用できる無料券をもらうことが出来るが、使用期限があるらしいので奥さんに提供した。
乗り場に移動し、4人乗りのゴンドラ2台に分乗。
出発時にゴンドラが「射出」という言葉を使いたくなるような勢いで飛び出したので、少し面喰ってしまった。
ロープウェーと異なりゴンドラが軽いせいか、支柱を通過する時にカゴの中が大げさに揺れるので何気にスリリングだ。
ゴンドラは5分くらいで山頂に到着。ホームから待合所へ続く通路の窓の外に見える吹き流しは大きく流されていて結構風が強そうだ。
窓の向こうには展望台があり、その向こうに金沢平野が大きな景色の広がりになっている。
どうせだから展望台まで行ってみようと、外に出てみるとこれがまた極寒で。。。
頂上は恐らく標高300m程度だと思われるのだが、風が強く吹いているから余計に寒く感じる。
体感気温は5度を下回っているような気がする。子供はそんな中でも大はしゃぎして駆け回っているが、大人はすぐに限界が来てしまった。
特に大変だったのがお袋で、以前心臓を患ったせいか、あっという間に顔の血色が悪くなってこちらが慌ててしまった。
手取川がゆったりと蛇行する水田地帯に、低い雲の切れ間から薄日が差し込む、見事な景色を見ることができた。
写真を撮り終わるのを待つか待たないかのタイミングで、みんなが逃げるようにレストハウスに移動していった。慌てて自分も追いかける。
やっぱり室内は温かい。一同ホッと一息。
一息ついでに少しお茶でもしていこうということで、レストハウスの窓際の席を陣取ってコーヒーブレイクと相成った。
わずかな時間ながら冷蔵庫並みに寒い場所にいたので、ホットコーヒーが冷えた体に沁み渡る。
お袋はここに来たことが無かったらしく、こんなに景色の素晴らしい場所だったなんて知らなかったとしきりに感心していた。天気の良い時に見たらさらに素晴らしい眺望を得ることが出来るだろうと思う。
1000円払って登る価値ありだ。
暫く景色を見ながら、あの建物が○○だ、とか、ふもとに見える橋は町長が汚職で逮捕されたいわくつきの橋だとか、ローカルな情報を色々教えて貰った。
ふと山奥の方へ視線を向けると山の斜面から湯気が上がっている。弟に尋ねると名前はわからないが、この辺にも温泉が湧いているのでそれじゃないかという。
じゃあ、その温泉に入って帰ろうよ、と提案した所、お風呂が沢山あるわけでもないしそんなに楽しめないかもしれないよ、という。
そういう鄙びたところがいいんだよ、といって半ば強引に連れていって貰うことになった。
パーク獅子吼から山奥へ入ること15分ほどで「夫婦岩温泉」という所に到着。
ここは湯船が一つだけのシンプルな温泉でお湯も無色透明、無臭のさらさらとした温泉だった。
泉質はうっかり調べるのを忘れてしまったが、よく温まる良いお湯だった。
ちなみに利用料は370円とリーズナブルだ。
風呂から上がったら時間は17時を回っている。そろそろ東京に帰らねば。戻ったらすぐに出発できるよう、あらかた荷物はまとめてあったので、弟の自宅に付いたらすぐに荷物を積み込み東京へ向けて出発。
少し慌ただしくなってしまったが、18時半に高速に入り後はひたすら爆走。元気があったせいか途中で疲れを感じることなく進めたので、途中東部湯の丸SAで小休止をしたのみで東京には12時過ぎに到着。
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金沢訪問は丁度2年ぶりとなったが、天気に恵まれなかったのが悔やまれる。
もっとも、その殆どを弟の車の助手席で過ごしたので、のんびりとしてなかなか良い旅行だった。
次は弟一家に東京に遊びに来いとは言ってあるが、次回北陸へ行くのはいつになるだろうか。
次に行くときには舳倉島へ行ってみたいなーとひそかな野望があるのだが、果たして。
(おわり)