岩手へ【6】(2006/03/19)
雑木林の散歩道:
2006/03/19
流石に真っ暗な部屋でコワイコワイヒィなんて言いながら寝るような年ごろではない。それはもうがっつりと熟睡した。
カミさんはいつの間にか一足先に起床して、朝食の準備を手伝っていた。
朝食が出来上がったと声がかかってようやく目を覚まし、ノコノコと応接間に降りたら、食卓には昔ながらの品数沢山の料理が所狭しと並べられていた。
それを腹いっぱい食べて暫くのんびりとしていたら縁側から従弟が現れた。おお、元気だったか!
この従弟が最近の車いじりに時々登場する男で、伯母さんの息子である。
他のみんなは16年ぶりの再会だったが、前回の一関訪問の時には従弟と会うことが出来なかったので、彼とは実に20年ぶりの再会となった。岩手でみんなが集まって遊ぶ時は、我の強い弟と比べて性格が穏やかで聞き上手な従弟と仲良くしていることが多かった。その性格は今も変わっていないようで、部屋に入るなり20年のブランクを感じさせられることの無いまますぐに打ち解けることができた。
今日は夕方前の新幹線で東京へ戻ることにしている。それまでの時間、折角来たのだからどこか行って来たら?と促された。
自分はちょっと行きたいところがあった。それは昨日の思い出話にも登場した伯母さんが当時住んでいた家へと向かうための探検コースだ。
その道の記憶はうっすらと残っているのだが、どうやってその道へ行けばよいのかはすっかり忘れてしまった。そこで従弟にナビゲートしてもらうことにした。
従弟はまさか散歩に付き合わされるとは思ってなかったらしくちょっと苦笑いをしていたが、まぁ、よろしく頼むよ。
伯母さんの家までの探検コースはこんな感じの道だ。探検できそうでしょ?
3月の岩手はまだ少し寒さが残っている。だがこうして散策しているとその寒さが心地よい。
道に入って暫くの間は記憶が蘇らなかった。そのことが逆に新鮮できょろきょろとあちこちを見回しながら進んでいくと、やがて見覚えのある民家や灯油タンクなんかが見えてきた。そうそう、この民家の裏庭を通る風景、懐かしい。
この探検コースを抜けると伯母さんの家はもうすぐ。程なくその家が見えてきた。伯母さんたちは今は違う家に住んでいるので外から眺めるだけだったが、その特徴的なベランダの手すりの形状や、建物の大きさなどに見覚えがある。なんか、1人だけ楽しんでしまって申し訳ないw
それ以外にこれと言ってやりたいこともなく、そのまま家まで戻ってきた。
後は出発の時間まで近所のスーパーでお土産を入手したりして過ごした。自分の中で南部せんべいと言えばこれ、という佐々木の名代厚焼ももちろん買った。
そして帰りの新幹線の時間が近づいてきた。また来るから、とみんなに伝えて一関を後にした。
あとがき:
ありがたいことに、岩手のみんなは十年以上音信不通にしていた自分を、以前と変わらず受け入れてくれた。カミさんもみんなから好意的に受け入れて貰うことが出来たので、岩手に行きやくなった。引き続き最低限の弁えは必要だと思うが、今後は折を見て顔を出すようにしたい。
実はここ最近の旅行では東北方面へ向かうことはあまりなかった。と言うのも、何かのきっかけで自分らが東北を訪ねていたことが知れると、近くまで来たなら寄ってくれれば良かったのに、と言われそうな気がしていたからだ。だがもうそうして気兼ねしなくてもよいのだ。これからは東北方面の旅行も捗りそうだな、と、帰りの新幹線で考えた。
(おわり)