小笠原上陸 - 17(2008/09/14)
— にぎやかナイトツアー —
食事を済ませて、腹ごなしをかねて、ナイトツアーの待ち合わせ場所となっている、父島ビューホテルまで、歩いて向かいます。
とは行っても歩いて5分ほど。
料金を払って広場で待っていると他の参加者も続々と集まってきました。
他の参加者はみんな妙に仲良くしていたのですが、どうやら全員が今日の昼間のカヤックツアーの参加者だったようです。
あら~。。。
もろアウェイですか。。。ちょいと気まずい。
でも「ピッコロ大魔王」と呼ばれた、スキンヘッドのスタッフの兄ちゃん(名前忘れちゃった。。。)がくだらないシモネタで場を和ませてくれたので、それなりに孤立せずに済みそうで一安心。
全員集合して、マイクロバスに乗り込み、出発です。
途中扇浦に宿泊している人が合流するらしいのですが、車は既に満員。
どうするのかと思っていたら、扇浦から参加する二人はバスの後ろをバイクで着いて行くことになりました。
扇浦からさらに10分ほど進んで山の中に入り込んで少し進んだ所で停車。
明かりが殆どないのですが、今日は中秋の名月という事で、見事な満月があたりを照らして影を作っています。
月明かりだけでは、どこに居るのかイマイチよく分からないのですが、周りの見える景色から想像するに、どうやら亜熱帯農業センターのようです。
車を降りて最初はゾロゾロ歩いて島の植物の説明などを聞きながら歩いていきます。
オーナーの次郎さんが、「ちょっとこれ写真で写してみて」というので、写真を撮ってみると、
花が紫色に写りました。
この花は本当は真っ赤な花です。
なぜかカメラで写すと紫がかってしまうのだとか。
こんな写真を写したりしていると、上空でバサバサと何かが羽ばたく音が聞こえてきます。
暗くてはっきりとは見えないのですが、聞くと小笠原の固有種、天然記念物のオガサワラオオコウモリが飛び回っているそうです。
オガサワラオオコウモリは、その名の通り、コウモリにしては大型で羽を伸ばすと1mにも達するそうです。
小笠原諸島の固有種の中では唯一の哺乳類と言う事です。
前述の通り、父島は他の陸地とは一度も繋がった事の無い場所なので、空を飛べるコウモリ以外は島にやってくる事は出来なかったようです。
同様の理由からヘビもたどり着けなかったようで、島にはヘビがいません。
なので、沖縄などと違って、夜中でもこうして森の中をウロウロする事が出来るのです。
生息数は徐々に減少しているそうで、現在はおよそ100頭しか残っていないそうです。
意外とドンくさいらしく、懐中電灯で照らすと、びっくりしてそのまま落下してしまうこともあるのだとか。
バサバサと音がする方を次郎さんが懐中電灯で照らすと、そこに止まっているオオコウモリが目では確認できるのですが、暗くてなかなか綺麗に撮れません。
上の写真は辛うじてそれなりに撮れた一枚。もちろん明るさの調整はかけてます。
コンデジではこれが限界。。。
これでも電線までは10mほど離れているので、このコウモリがいかに大きいか分かると思います。
でも、こんなにあちこちでバサバサと飛び回っているのは大変珍しいことらしく、全く見かけられないことも珍しい事ではないのだとか。
(営業トークに聞こえないこともないのだが、信用することにしようw)
いきなり、クライマックスを見てしまったような感じですが、何枚か写真が撮れたところで、今度は光るキノコ、グリーンぺぺを探しに。
一旦車を降りた駐車場に戻ると、別のツアーのグループが到着して、駐車場のトイレの裏の方に入っていきました。
次郎さんが、「ここで暫く待とうか。」といって、待機となりました。
そのココロは、「だって、折角他の人が探しに行ってくれてるんだもん、戻ってきて見れたか聞けば、こっちから探しに行かなくても済むでしょ?」
との事。
なかなかおもろいおっちゃんだ。。。w
で、暫くしたら、先行の一行が出てきて聞いてみると「あったよ」ということなので、自分らも探しに入ってみることに。
グリーンぺぺです。
タコノキかアダンの樹の枝の根元付近に1センチくらいのキノコが。
思っていたよりもずっと小さく、明かりを照らしていると、白いキノコにしか見えないので、よーく見ないと、それだって気付きません。
木の根元に生えていると思ってたので、自分で探してもとてもじゃないけど見つけられないですね。
しかも蛍の光と同じくらいはかない光なので、写真に撮るのも一苦労。
三脚ないし、真っ暗だし、フラッシュつけたらタダの白いキノコだし。。。
写したときもデジカメの液晶では真っ暗だったので、写っているのか写っていないのか分かりませんでしたが、家に帰ってきてからレタッチソフトで明るさをいじって、辛うじてまともに見れたのが、この写真でした。
いや~、これはデジカメの使い方をマスターしてる人じゃないと写せないですね。
実際、参加者の皆さんも各々チャレンジしていましたが、綺麗に写せた人はいなかったようでした。
さて、グリーンぺぺも見れたという事で、一行は再び車に乗り込み、小港海岸へ。
まずは、浜で裸足になって、言われるがままに砂を蹴ってみると、ほのかに青い光が光るのを見ることが出来ました。
夜光虫です。
これは流石に写真に収める事は出来ませんでした。
三脚を使って1分くらいの露光で必死に砂を蹴りまくれば何か写ったかもしれませんが、三脚がないので。。。
砂を蹴って綺麗~、とかって喜んでいたら、向こうから呼ぶ声が聞こえたので、行って見ると、
オカヤドカリです。
母島の南崎でも見かけましたが、こちらは頭を出して移動中です。
あと、小さなカニを見つけて次郎さんが、砂ごとわしっと握って、中からカニを出して、別の参加者の手に乗せてました。
すぐに逃げてしまうので、何度もそうやって渡していたのですが、それを見ていたピッコロさんが、俺もやってみる、といってチャレンジしたら、 握り方が悪くて、カニの足をつぶしてしまい、ひとしきり全員から「あ~あ。。。」の大合唱w
次郎さんも「慣れてくるとすぐ調子に乗るんだよなー」と言って笑ってます。
もっとも、カニの足はまた生えてくるらしいです。
30分ほど海岸を散策して、ナイトツアーもおしまい。
思いのほか、コウモリ、グリーンぺぺどちらも見つけることが出来たので満足できました。
車で店の前まで来て、そこで解散となりました。
— 風呂場怪談 —
宿まで歩いて戻って、風呂にすることに。
宿には2箇所風呂があって、片方は本館の中に、もう片方が離れに設置されています。
離れの方が綺麗な感じだったのでそちらに入ろうと思ったのですが、そこにはトイレが併設されています。
トイレ兼脱衣所と浴室の入り口との仕切りがカーテンのみだったのですが、建物の入口の鍵はかけることが出来たので、一度はこちらに入ることに決めたのですが。。。
他の人にとられないように荷物を置いて、電気をつけておいて、部屋に居るカミさんを呼んで風呂に入ろうとしたら、カミさんがトイレに誰か入っていることに気がついたので、トイレのドアをノックすると、向こうからもノックする音が聞こえたとかで、暫く外で待っていたのですが、なかなか出てこなかったので、 仕方なしに本館内の風呂を使うことに。
例によって父島も水量は豊富で気持ちの良いお風呂でした。
それはともかく、風呂を上がってから離れの前を通ったら、まだ電気がついたままだったので、誰もいなかったら電気を消しておこうと思ってちょっと覗いてみると、鍵は開いているし、誰も風呂は使っていないようです。
トイレは相変わらず鍵がかかったままだったで、さっきノックする音を聞いてから既に一時間近く経っているので、もしかしたら中で人が倒れているんじゃないかと心配になり、オーナーに声をかけて、トイレを見てもらうことに。
でも、誰も居ませんでした。。。
「このトイレのドア、ちょっと調子が悪くて、ロックは解除されているのに、表示が赤いまま、って事が時々あるんですよ。」
というので、
「さっきはノックしたら返事があったんですけどねぇ。。。」
「あ、そうなんですか。うーん、その時は誰か入ってたんですかねぇ。。。?」
「いやぁ、最初風呂に入ろうと思って。人が入ってたんで、外で暫く待ってたんですけど出てこなかったので。結局うちらは中の風呂に入ったんですけど。。。」
と答えて二人してちょっと気まずい雰囲気に。。。
あう、これではただの人騒がせな客になってしまう。。。w
晩御飯の料理がとてもうまかったので、話題を変えるために、どこかで料理の勉強をされたのか聞いてみると、やっぱり、以前は内地で料理人をやっていたそうです。
殆ど、マスターと女将さんとスタッフの子で切り盛りをしているそうで、あまり材料が豊富でない中、よくあれだけの料理が作れるものなんだなぁ、と感動しました。
そんな話をして、再び部屋に戻り、トイレの件は夫婦二人でちょっと頭を傾げながら、明日も早いので、早々に就寝することにします。
おやすみなさい。。。