奄美皆既日食観測ツアー – 2(2009/07)

— リダイアルマシーン —

予約開始日の前日、念のためレンタカーの予約確認を。
電話してみると、お調べします、と保留にされたまま結構待たされた挙句、調べて折り返しします、との事。
その折り返し電話がなかなかかかって来なくてアレは夢だったのか、と不安になりましたが、1時間くらいしてやっと電話がかかってきて、ちゃんと予約が取れていることが確認できました。

これで、安心して船の予約ができます。

そして、ついに予約開始日がやってきました。

いつもなら10時過ぎまで惰眠を貪っているところですが、今日は早起き。
朝から電話に張り付いて8時半を待ちます。
カミさんも一緒に電話をかけてくれるそうです。

試しにちょっとフライングをして29分くらいに電話したら話中。
30分になったのを確認して電話をかけると、

「こちらはNTTです。おかけになった電話は現在繋がりにくくなっています・・・。」

若干九州訛りのある女性の声のアナウンス。
やっぱり発信規制がかかったか、と思いつつ、めげずにリダイヤル。

何度かかけ続けていると、

「こちらはソフトバンクテレコムです・・・。」

とメッセージが変わりました。回線の経由先が変わったようです。
カミさんは携帯電話から掛けていたのですが、こちらも全く同じ状態です。。。

たまに、発信規制の隙間をかいくぐって予約センターの回線に繋がるのですが、それもいつも話中。

一時間くらいリダイヤルマシーンに徹しているとだんだん眠くなってきます。
アナウンスを聞く前に電話を切ってしまったり、リダイヤルボタンを押し間違えたりして、はっとして必死にリダイヤルを繰り返します。

二時間を経過して、半分諦めかけたのですが、めげずにリダイヤル。

そして11時。予約開始から2時間半を経過した時。。。

「マリックスラインです。」

キターーーーッ!!!!
間違えて電話を切ってしまう事も無く、速攻で受話器を上げて、申し込みをお願いすると、

「2等席は全て満席となりましたが、臨時の2等がご用意できます。」

そりゃ、乗れるんだったら通路でもエンジンルームでもどこでもかまいまへん!
という事で無事申し込み完了。

で、うっかりしてたことが一点。
少し考えれば当たり前の事なのですが、帰りの便の予約も一ヶ月前(つまり明日)にならないと手配が出来ない事を忘れていました。。。Orz

とりあえず行きのチケットが取れたので、新幹線と博多からのレンタカーを手配。
これはまだ全然余裕という感じであっさり手配完了。

帰りはともかく、皆既日食を見るまでの手配は完了しました。

ということで、翌22日。
また朝から電話の前に張り付いてリダイヤルマシーンです。
カミさんは出勤なので、一人でチケットを勝ち取らなければなりません。

そうそう簡単に繋がってくれる訳もなく、延々と発信規制メッセージを聞くハメに。
NTTのアナウンスの人はちょっとイモっぽい感じの若い女性の声。
ソフトバンクテレコムは、キャリアウーマンっぽい中年女性っぽい声。

途中からソフトバンクのアナウンスしか聞こえなくなってくると、

「あー、遣り手ババァうざい!!」

などと一人、全く根拠の無い悪態をつきながらリダイヤルを続けていたのですが、出勤のタイムリミットとなる10時10分に至るまで全く繋がる気配なし。。。

頭の中では天使の原付と悪魔の原付が押し問答の末、悪魔の原付の圧勝

「繋がるまで掛けつづけるぞ!!!」

という事で、時間オーバーする事30分。

「マリックスラインです。」

そうよ、そうそう、その声が聞きたかったの~w

「鹿児島行きの2等1名。。。」

最後まで言い切るか言い切らないかの内に、

「申し訳ありません、鹿児島行きの便は全て満席となりまして、キャンセル待ちの募集も全て終了した所です。」

なんと!無慈悲なお言葉Qrz
ちがうよ、聞きたいのはそんな言葉ぢゃないんだ!(><)ノシ

「あの~、私は東京からかけてるんですが、全然繋がらないんですが、電話の繋がり方に地域差とかあるんですか?」

若干八つ当たり気味な質問を担当者に投げてみると、

「いや・・・、今日の・・・着信状況を見てる限り・・・では、全国各地から・・・繋がって・・・いるようです・・・ので、どこの場所が繋がりやすい・・・とか・・・そういうこと・・・はなさそうですが。。。」

少し気が弱そうなオペレータの男性。
この時のオペレータの気持ちは原付も昔同じような仕事をしていたことがあるので、良く分かります。
ヘタな対応をすればクレームで怒鳴りつけられかねないので、結構びくびくしちゃうんですよね。。。

ちょっと悪い事したかな、と思いつつ、とりあえず情報収集。

「キャンセル待ちも締め切った、との事ですが、後は当日キャンセル待ちをするしかない、ということですか?」

「そうですね。ただ、現時点でのキャンセル待ちの方が先のご案内となりますので、当日はお乗りいただけない可能性も高いと思います。」
(※本当はオペレータ氏はかなり言葉を選んでしゃべっているのですが、文章が長くなるので、会話の間合いは省略。)

「行きのチケットは手配できたのですが、万が一帰りが取れないという事で、これをキャンセルする場合、キャンセル料とかかかりますか?」

「いえ、それはかかりません。ただ、お願いがありまして、キャンセル待ちの方が多数いらっしゃいますので、万が一キャンセルの場合は、直前でも構わないので必ずお申し出をお願いします。」

「他に帰る手段としては明日のマルエーフェリーさんの便で帰るくらいしか有りませんでしょうか?」
(※原付が電話しているマリックスラインとマルエーフェリーは交互に鹿児島~名瀬~那覇の間を一日交代で交互に運行しています。)

「基本的にはそうなると思いますが、あるいは、那覇行きの便にご乗船いただいて、那覇を経由してお帰りになる方もいらっしゃいます。」

!?

その手があったか~!!!

「沖縄から来られる方の予約状況はどんな感じですか?」

「そうですね。鹿児島行きの便と比べると若干余裕があるようですね。」

「分かりました。いろいろありがとうございました。」

お礼を述べて電話を置いて、速攻で準備を整えて出勤。

会社に着いてから昼休みの時間を使って那覇便の時間をチェックすると、23日早朝の出港で、同日の夕方には那覇に到着するということです。
ついでに飛行機の便を調べて見ると、船の到着時刻以降で2便運航がありました。

船が多少遅れても2時間くらい余裕があれば何とかなるだろうと思って調べて見ると、最終20時50分の便に早割の残席がまだあると表示されています。

早割のチケットは、取った瞬間からキャンセル時に50%のキャンセル料を取られてしまい、 万が一那覇行きの船が取れない場合は、全く無駄になってしまいます。

かなりリスキーな選択ですが、今日鹿児島行きの便にあぶれた人たちが明日こぞって那覇行きの便に殺到して、飛行機の席が満席になる可能性も有ったので、不退転の決意で予約ボタンをクリック。

マウスの左ボタンを押す人差し指に力が入ります。。。w

そして来る23日。
また8時半の直前から電話の前に張り付いて、リダイヤルマシーンに変身。
例によってちょっとフライングして見ると、なんと今度は呼び出し音がなりました。
これは!と思いながら数コール待つと相手が電話に出ました。

んが、予想通りというかなんと言うか、繋がったのは留守電。。。

それから何度かリダイヤルを掛けたのですが、話中を繰り返し、時間は8時半を回りました。
8時31分くらいに再度呼び出し音が鳴ったので、こりゃ大団円と小躍りしそうにな気持ちを堪えて数コール待つと、再び留守電に繋がってしまいました。。。

「8時半から予約開始じゃないのかよ!!」

と半ギレ状態で受話器を置いて、再びリダイヤルをすると、もういきなり発信規制のおなじみのメッセージ。。。

ただ、鹿児島便の時と比べてかけている人が少ないのか、発信規制をかいくぐって、話中音が聞こえる時が多かったので、これは思いのほか早く繋がってくれるかと期待したのですが、世の中そう甘くはなく、発信規制のメッセージじゃない時は常に話中音。。。

やや不安になりつつも、昨日の窓口の人が言っていた言葉を信じて希望を捨てずにリダイヤルをしつづける事50分。再び出社時間が近づいてきて、流石に2日連続の遅刻はまずいよなぁ、と悪魔も若干弱気になりつつ、あと一回、もう一回、とリダイヤルを続けました。

10時を回り、急に発信規制のメッセージがなくなり、繋がると毎回聞こえるのはビジートーン、という状態になりました。

これは繋がってくれるかな、と若干の期待を寄せるも、相手はお構い無しにビジートーンの繰り返し。。。

あと5分したら出ないと、と半分諦めかけたその時、

「マリックスラインです」

3回目ともなるともうおなじみのメッセージがやっと聞こえてきました。

速攻で那覇便の予約の旨を伝えると、チケットは無事残っていました。
ただし、行きと同じで臨時席。多分また通路だとは思いますが、昼間の便なので、席に居づらかったらデッキにでも出てようと思っているので、何の問題もありません。

#しかし、行きも帰りも通路って、どんな難民船だよ。。。w

予約を済ませて速攻で準備して出勤すると、会社に着いたのは、出社時間ジャスト。
神様にちょっぴり感謝しましたよw

これで、とりあえず基本的にタイトな予約はすべて完了。
どうにか行って帰ってくる事が出来る状態になりました。

「なんだかんだ言って、オイラ結構ラッキーなんじゃないの?」

などと思いながらその日のニュースサイトを見ていたら、なんと、奄美のツアーもトカラのツアーもまだ余裕があるとか書かれてるじゃないですか!?

なんだそりゃ。。。Orz

まぁ、記事に出てたのは例の近ツリのツアーで、奄美のプランもテントに宿泊するプランですら10万を越えるらしく、そう考えると、高すぎてみんな敬遠した結果なんだろうなぁ、という気がしないでもないのですが。

#そうは言っても原付のプランも、全て船中泊&車中泊プランで10万近くかかっているので、どっちが快適かといわれると難しいものがあるわけで。。。w

那覇に抜ける事になったせいで、奄美での滞在がおよそ半日伸びてしまいました。
マツダレンタカーの店舗は朝8時からの営業で、船の時間に間に合いません。
そこでレンタカーの延長をする方法が無いかと思ってマツダレンタカーに電話してみると、営業時間内しか車の受入ができないらしく、港の駐車場も船が無い時間は鍵をかけてしまい、乗り捨てができないので、延長は不可、とのこと。。。

朝まで時間が潰せる場所がないか聞いてみると、市内のジョイフルというファミレスが24時間営業なので、そこで時間を潰すか、あるいはホテルに事情を話して許可が貰えればロビーで休憩させて貰うか、といった感じだそうです。

外でウロウロしていられるか?と聞いてみると、島の人口より観光客の方が多くなっているから、どんな人がいるか分からないのもあって、その辺は保証できないとの事。そりゃそうか。。。

この辺、観光の島の割りには連携が悪い。。。
まぁ、仕方ないので、当日は行き当たりばったりで行くしかなさそうです。

あと、当初博多に帰ってくる前提でいたのが、戻って来れなくなったので、博多で押さえたレンタカーの予約も変更。

あらかた手配が完了してきたので、事前に予約しておいた新幹線のチケットの受け取りと博多から鹿児島までの列車の予約に駅に行ったのですが。。。

どうした訳だか、新幹線のチケットが7月18日で予約が入ってる。。。Orz

新幹線のチケットを取り直そうかとも思ったのですが、そうそう行ける場所ではないし、車中泊する分には費用もそんなに変わらないようだったので、出発を一日早めてしまおうと思って、急遽家族会議を開催したところ、カミさんのお許しが出たのでw、計画を小変更。

どちらにしてもカミさんは来れないし、原付一人で観光旅行も若干寂しいものがあるので、鹿児島までは撮り鉄メインの旅にしようと思います。

翌日再度駅に行って、チケットを押さえて一通りの予約は全て完了。
時間通りに進んでくれれば取り合えず東京に帰ってこれるようになりました。

という事で、紆余曲折しましたが、最終的に決まったコースはというと。。。

7/18 昼ののぞみで博多へ。レンタカーを借りて北九州方面へ。
7/19 北九州方面の鉄道写真を撮って、当日は車中泊。
7/20 レンタカーを返却後、鹿児島へ向けて移動。夕方の船に乗船
7/21 早朝、名瀬着。ロケハンを兼ねて島を移動。当日は車中泊。
7/22 日食を撮影後、夕方にレンタカーを返却して朝まで時間を潰す。
7/23 早朝の船で那覇へ。夕方に那覇着後、最終便で東京へ帰還。

車中泊3泊、船中泊1泊、野宿1泊、計6日。。。
・・・・・・なんだ、このハードワーク。。。w

数日後、奄美最終日の半日の時間のつぶし方について、悪あがきをして他のレンタカー会社などにも電話してみたのですが、これは当然のごとく全て門前払い。
で、時間をつぶす方法を聞いていたら、あるレンタカー屋で「観光協会に聞いてみたら」と言われ、念のために電話をかけて聞いてみると、奄美にもネットカフェがあることを教えてくれました。
2軒有るうちの1軒はなんと24時間営業をしているとの事。

それであわててネットで検索して、教えてくれたネットカフェに電話してみると、場所の予約は受け付けていないとの事。
他がこんな状態なので当日来て見ないと分からないけど、もしかしたらちょっと厳しいかもしれない、との回答でした。

まぁ、それなら入れればラッキーぐらいに思っておいた方がよさそうですね。

と言う事で、結局当日の時間つぶしについては決定打に欠けたまま、若干の不安とともに出発日を待つ事に。

折角なので、日食の撮影するためにもっと良いカメラを買おうと思っていたのですが、会社の同僚に旅行に行くという話をしたところ、使っていない一眼レフがあるから、という事で貸して貰える事になりました。

これは渡りに船。
旅行前に何枚か撮ってみましたが、色の再現力もピントの合い方も段違い。

日食を撮影するには太陽の光線が強すぎて、そのままでは写せないので、一般的にフィルターを取り付けて減光させて写す事になります。
このフィルターはNDフィルターと呼ばれるもので、ネットで調べると日食の撮影に耐えられるフィルターはND10000と呼ばれるもので、NDの後の数字分の1に減光できるという意味だそうです。

ヨドバシに見に行ってみると、売られているのはND4とか8とかのフィルターばかり。
で、再度ネットで検索してみると、ND10000のフィルターはもうすでにどこも売り切れになってしまっていました。
しかも価格を見ると値段が8のフィルターの3倍位します。

どちらにしても手が出ないので、気休めにヨドバシでND8フィルターと日食グラスを買ってきました。

その頃はまだ梅雨明けしていなくて天気の悪い日が続いていたのですが、出発日の前日になってやっと晴れたので、試しにフィルターをつけて写してみると、フィルターが全く役に立っていない写真ばかり。。。Orz

キッチンに行って、アルミホイルや食べ物の袋でアルミ蒸着されている物を探してにわかフィルターを作ってみる事に。
アルミホイルは光を全く通さなかったのでNG。
アルミ蒸着の袋は二枚重ねにすると太陽の光を程よく遮ってくれる事が分かりましたが、表面に印刷された柄が写りこんでしまい、使い勝手としてはイマイチ。。。

そこでふと思いついて、日食グラスをカメラにつけてそれ越しに写してみると、これは案外綺麗に仕上がりました。
ただし加工しないとうまく固定できず、太陽を見失ってしまうのが難点。

すでに前日なので、今からもう一枚日食グラスを買いに行く事も出来ず、後は現物合わせでどうにか乗り切る事にしました。

奄美地方は数日前に梅雨明けし、ここ数日晴天が続いている様だったので、日食撮影、何とか期待できそうです。

Posted by gen_charly