三河湾の島&熊野・高野山 - 5(2011/08/12)
— 城寿司のちらし —
それはさておき、店がどこも開いていないので、最悪は昼間に買い物をした商店でパンかカップラーメンでも買うつもりで、旧集落の方へ歩いてみることにしました。
とぼとぼと歩いていくと、昼間に見つけたみやげ物屋の隣の寿司屋の電気が点いているのが見えました。
暖簾も出されているので多分営業中、のはず。
と言うことで、暖簾をくぐってみると、カウンター立っていた大将が少し驚いた表情でこちらを見ました。
店内に客は誰もおらず、もしかして閉店直後か?と若干不安になりながらも、
「まだやっていますか?」
と質問すると、「食事ですか?やってますけど、これから団体さんが来るから30分ぐらい待ってもらうこと出来ます?」と言われました。
他の店を探すのも面倒だったし、カミさんを見るとうなずいていたので、「よろしくお願いします。」と答えて席に着きました。
これで夕食難民は回避できた。。。
メニューをみて、カミさんが早々にちらし寿司にすると決めました。
原付は何か違う種類にしようかと思ったのですが、原付もちらしが魅力的だったので、珍しく同じものを頼みました。
「いや~、なんか島に連泊してる団体のお客さんが、二日連続で宿の食事も飽きるからって予約を入れてきたんですよ。」
「そうなんですか。うちらは素泊まりで来たので、近所の店を探していたんですが、どこもお盆のせいかお休みか閉まっている所ばかりて困っていたんですよ。」
「そうですか~。お客さんはどちらから?」
「東京です。」
「ほお、東京から。東京から来る人は余り居ませんよ。なぜこの島に?」
「観光大使?(チャレンジスタッフ)かなんかの募集をやっているというニュースをたまたま見て。島を巡るのが好きなので。」
「あ~、なんかそんなことやってましたね。給料がちゃんと出るとか言うやつでしょ?あれも給料付きだからって沢山応募があるみたいですけど、給料を貰えるだけの仕事ができるかと言うこととは、別問題ですわね。」
「やっぱりそういうものですか。」
「そりゃそうですよ。まぁ、この島の人は割りと協力的だからいいですけど、よそではそうは行かないかもしれませんよ。」
手際よく予約客の握りを作りながら気さくに話しかけてくる大将。
思ったよりも雰囲気の良い店で安心です。
「ここまで歩いて来るとき、やたら住民とすれ違ったんですが、夕方からの日間賀島のお祭りと花火大会があるからですかね?」
「ん?お祭り?日間賀島で?うーん、有ったっけかなぁ・・・」
意外な回答が戻ってきて拍子抜け。
「なんか、タコのお祭りらしいですよ。」
「あ、そうですか。」
大将は余り興味が無い様子。
「海入りました?」
「いや、島の散歩と釣りが目当てで来たので。」
「釣りしました?」
「食事が終わったら行ってみようと思っているところです。どこか釣れそうな所知りませんか?」
「どうやろね?どこでも釣れるんじゃないですか?(笑)」
「何が釣れますか?」
「ん~、何が釣れるかな? 前に若い人が小さなメバル沢山釣って来て、捌いてくれって持ってきたから仕方なしに捌いてあげたんやけど、それから来るたびに小さいメバルばっか持ってきてちょっと困ったことはありましたね。あ、それからアオリイカがこないだまで釣れていたみたいですよ。今はもういなくなってるかもしれませんけど。」
うーん、この口ぶりでは思ったよりも釣果は望めなさそうです。時季が悪かったかな。。。
さっき買ったお茶を宿でがぶ飲みしてしまい、残りが心許なかったのを思い出して、カミさんに料理が出てくるまでの間に、さっきの商店で追加の飲み物を買ってくるよう頼むと、カミさんは店を出て行きました。
「東京は地震大変だったでしょう?」
「揺れましたねぇ。こちらはどうでしたか?」
「揺れは全くなかったけどね。津波は来ましたよ。そこの港も1mくらいゆーっくり水位が上がって、それから戻ってそれで終わりでしたけど。あれは気持ち悪かったですね。」
程なくしてカミさんが戻ってきて、それとほぼ同じくらいに待ち遠しかったちらし寿司が運ばれてきました。
マグロやイカなどの定番ネタだけでなく地物のシャコやミル貝、アナゴなども載ってなかなか具沢山です。
やっとありつけた食事に感謝しつつ、箸を割って一口ほおばって見ました。
ネタも新鮮で旨い!
食べ始めて少ししたら大将から声がかかりました。
「ミル貝のくちばしの部分だけど、よかったらどうぞ。」
ありがたく頂戴すると、これはコリコリとした食感で美味かったです。
店の構えはちょっと気難しそうですが、大将も気さくで料理も美味く、良い店でした。
— 特等席で釣り —
時間は19時。少し時間が出来たので夜釣りに繰り出すことにしました。
竿を持ち出して高速船乗り場の脇の堤防を陣取り、仕掛けを準備。
丁度街灯が海面を照らしていて、セッティングにも便利だし、集魚灯の代わりになるので、アジかイカが寄ってきているかも知れません。
が、他に釣りをしている人がおらず、若干不安もあったりしつつ。。。
今回は、持てる荷物に限りがあったのと、餌が現地調達できるか分からなかったのとで、竿、リール、ルアーの三点セットのみ持参しました。
その予想どおり島には釣具屋らしき店が見つからなかったので、丁度良かったかもしれません。
あまりルアー釣りはやったことが無いので感覚が分からないのですが、見よう見まねで適当に泳がせて見るものの、やはりめぼしいアタリは得られませんでした。
さっき寿司屋の大将がアオリイカが釣れたと言っていたので、念のために持ってきたエギに変えてみましたが、これも反応なし。。。
やっぱり慣れない仕掛けじゃこんなものか、と思いながらルアーを投げていたら海の向こうが一瞬明るく光りました。
一瞬何が起こったのか分からずたじろいで、それから光の出元のほうを見ると、海の向こう、日間賀島の辺りから花火が上がっているのが見えました。
例の日間賀島の花火大会が始まったようです。
堤防からだと真正面に花火が見え、まさに特等席。
ラッキーと思いながらしばしの間、釣りの手を休めて花火を堪能することに。
堤防の周りには人っ子一人居らず、まさしくカミさんと二人、貸しきり状態です。
篠島の人たちは余り興味ないのかな?
21時近くなり花火も終わり、釣果もさっぱりなのでぼちぼち撤収することにしました。
明日時間があれば釣り天国に行ってみようかな。。。
と言うことで宿に戻ってきました。
流石に疲れが出たのか、眠気が襲ってきたので、タイマーをセットして早々に就寝。