沖縄離島探訪【1】(2006/11)
2006年最後のレポートは当方の新婚旅行の模様をお送りしたい。行き先は表題のとおり沖縄。と言っても沖縄本島ではなく離島めぐりをしてきた。
今時、新婚旅行を国内でお茶を濁して済ませるなんて、と思われる向きもあろうかと思う。実際カミさんも新婚旅行先としてモルディブ、フィジー、バリなど海外のリゾートへ行きたい、と言っていた。まぁ、それが普通な気もするのだが、この年はとにかく多忙で、かつ出費もかさんでいたので、とても海外まで足を伸ばす余裕がなかった。これでもあれこれ考慮した挙句の決定だったのだ。
以下、その決定に至る経緯を書き連ねるが、ほぼ言い訳なので興味のない方は次のページから読み始めて貰って問題ない。
まず、なぜ多忙だったのかを説明しよう。別のレポートでこの年にカミさんと入籍ならびに挙式を行ったことを報告したが、この年のイベントはそれだけではなかった。
1月に入籍したあと、職場の出張で福岡へ行き(当然あちこち散策して)、2月に金沢、3月には岩手と自分の身内へのあいさつ回りを立て続けにこなした。その後6月に挙式でグアムへ行き7月には社員旅行で沖縄本島へ。8月になると今度はカミさんの身内へのあいさつ回りで鹿児島へ・・・と言った具合にほぼ毎月のように遠出が続いた。なんでこんなに全国各地に散らばりますかね。。。
しかも12月にはカミさんの親戚の結婚式が神戸であり、更に来年2月にはカミさんの台湾のお友達の結婚式もあって、どちらも外せない予定となっていた。多忙なビジネスマンか。
そうした中で新婚旅行をいつ、どこへ行くか、を考えて行かなければならない。
当初提案したのはグアムで結婚式を挙げた後にそのまま島内観光などをするというものだった。だが、カミさんはグアムは既に行ったことがあるから違う所がいい、と言うことで却下された。
もっとも、式を行った6月は職場の半期決算の時期と重なっていて、とても新婚旅行をするから長期休暇を下さいなどと言える雰囲気ではなくどの道実現はしなかったと思うが。
それから暫くの間、どうしようかねぇと言ってるだけのスタック状態が続いた。
今回身内のみで挙式を行ったため、友達や職場の関係者へもお披露目をしなければならない。いわゆる二次会である。
本当に仲が良い人だけを集めるなら別に良いのだが、こういう場を設けると大して仲の良くない人も招待しなければならなくなる。呼ばれる方も大方は面倒くさいけど付き合いだから、なんて思いながら参加するのだろうから、だったら無理にやらなくてもいいんだけどな、という気もするのだが、まぁ世の中そういうものである。
ま、そんな訳でそのお披露目会を11月に開催することになった。
これはこれで、会場の手配、参列者への事前の打診と招待、イベント中の出し物の手配などなど、準備しなければならない事ばかりで、当日まで全く日程が空かなかった。このままだと新婚旅行は来年かなぁ、なんて考えも頭をよぎったがあまり先延ばしにしてもしょうがない。
お披露目会と神戸の結婚式の合間となる11月下旬にまとまってスケジュールを空ける調整が出来たので、11月20日~24日の5日間休暇を取得し旅行へ行くことを決めた。
とりあえず日程は決まったが、まだどこへ行くかが決まっていない。お金が出て行く一方の1年だったので、もはや我が家の金庫はすっからかんだ。海外へ行く余裕などとてもない。
では国内か。と言っても流石に佐渡とか伊豆大島に行こうなんて言ったら、昭和か、やり直し!とはたかれそうだ。どちらも行こうと思えば2日間くらいで充分観光できる場所だからこのタイミングで行くべき場所ではない。折角職場から貰った特別休暇を最大限に生かせる、このタイミングでなければ行けないところに行くべきだろう。
そういう前提であれこれ情報収集を続けるうちに、美ら島(ちゅらしま)きっぷなる商品を見つけた。
これはJTA(日本トランスオーシャン航空)およびRAC(琉球エアコミュータ)の便に搭乗できる5枚つづりの切符で、価格は39,500円。飛行機に5回も乗れてその価格は安い。
沖縄には40からの有人島があるそうだ。それらの島々へ上陸するには大抵船か飛行機となる訳だが、飛行機は早いが高い、船はその逆だ。
船だと時間が足りないし、飛行機だとお金が足りない。
そこへきてこのきっぷである。離島めぐりをするのにこれほど最適な切符もないだろう。ただし、特別切符である故、利用には条件がある。その条件に沿ってコースを設定する必要がある。
というわけで俄然沖縄離島めぐりに興味が沸いてきたのだが、11月後半の沖縄ってどうなんだろう。沖縄は常夏の島というイメージがあるが、流石に晩秋ともなれば海に入るのは難しい気がする。カミさんが提案していた南国の島々はもちろん海がセットだろうから、それが出来ないとなったら流石に食指が動かない気がする。
とりあえずカミさんにざっくりとしたプランを提案したところ、意外にも食いつきが良かった。実は南国と言っても海についてはマスト条件ではないらしく、入れそうなら入ってみたいくらいのものだそうだ。それよりも普段行けなさそうな離島でのんびりできるなら、そっちに行ってみたい、ということで沖縄行きが決まった。
ということで検討を進めることに。まずどの島へ行くかを決めなければならない。美ら島きっぷは5回分の搭乗券がセットになったものだが、これが使える航路は指定されている。なのでまずはそれらの島の中から行きたいところを選ぶことになる。
その航路というのは以下のとおりである。
- 那覇-宮古
- 那覇-石垣
- 那覇-久米島
- 石垣-宮古
- 石垣-与那国
上記のとおり沖縄本島の他に宮古島、石垣島、久米島、与那国島の4島へアクセスしている訳だが、じゃあ上記4島を巡ることが出来るかというとそういう訳には行かない。この切符は下記の利用条件が設定されている。
- 5枚の航空券を1名で利用。
- 同一区間の同一方向の利用は1回まで。
- 同一路線の往復利用は1路線のみ。
1.はいいとして、2.3.の条件はちょっと厄介である。要は一度那覇からいずれかの島へ行ってしまうと、そのルートにもう一度乗ることが出来ず、またそこから戻ってしまうと再びそちらの方へ行くことが出来ない、という条件になっているのだ。
この条件に合致させつつ5枚を使い切るようなルートを描こうと思ったら、
プラン1 : 那覇→宮古→石垣→与那国への往復→那覇
プラン2 : 那覇→石垣→宮古→那覇→久米島への往復
上記いずれかのプランにほぼ限定されてしまう。切符に行き先が設定されていないので自由にあちこち行けそうなイメージがあるが、結局のところ2択でしかない。平たく言えば宮古、石垣の他に与那国か久米島のどちらを選びなさい、という話だ。うーん、どちらも行きたい。
それで更にネットで検索してみたら、久米島を往復するホテル付きのツアーが見つかった。であれば、美ら島きっぷは与那国へ行くプラン1で利用して個別手配で久米島にも行くのもよさそうだ。
更にもう一声。石垣島は八重山諸島へのハブとなっているため周辺の小離島へ多数の船便が出ている。それを利用すれば更に他の島へのアプローチも可能だ。時間的に1つくらいなら訪ねる時間が取れそうだったので、どこかへ渡ってみようと思ったのだが、周辺にはワイルドな自然が残る西表島、日本最南端の島波照間島、古い沖縄の街並みが残る竹富島、その他の島々と言った具合に特徴的な島が多数存在している。どれも捨てがたい。大いに悩んだが、最終的に残ったのが西表島であった。秘境じみた島へ渡ってみたい、というカミさんの鶴の一声で決まった。
と言う訳で、色々検討した結果、
11月20日 羽田 → 那覇 → 宮古島 → 石垣島
11月21日 石垣島 <船> 西表島
11月22日 西表島 <船> 石垣島 → 与那国島
11月23日 与那国島 → 石垣島 → 那覇
11月24日 那覇 → 久米島
11月25日 久米島 → 那覇 → 羽田
と言ったようなプランとなった。黄色でマーキングした区間が美ら島きっぷ、淡い紫でマーキングした区間が個別手配の久米島行きツアー利用した経路となる。25日は土曜日なのでこの日に帰宅して日曜日はゆっくりしようと思う。
そして最後に、東京那覇間の移動手段も確保しなければならない。これも調べてみると那覇のビジネスホテル1泊分の宿泊が付いた格安往復航空券が30,300円で手配できた。シーズンオフならこんなものか。このチケットはビジネス向けなので宿泊が追加にならなければ延泊しても料金は一律。なので自分らのプランにぴったりフィットする。
ということで移動手段に関する手配は無事完了した。
まだやることはある。各島での滞在先、レンタカー、アクティビティなども選んで決めて行かなければならない。自主手配だから全部自分で決めないとならない。この辺の手配の諸々はエントリ内で改めて触れたい。
あとは出発を待つばかり。。。と思ったら出発前日に空港までのリムジンバスの手配を忘れていることに気づいた。鉄道だと荷物を抱えて乗り換えや階段の昇り降りなんかしなければならないのでリムジンバスが圧倒的に楽だ。だが前日なので満席かもしれない。
空いてますようにと祈りながらコンビニに向かったが、全く杞憂であっさりと手配できた。
前日の夕方になって荷造りを始めたのだが、まだ旅慣れていなかったので、あれもいるか?これもいるか?となって準備が一向に進まなかった。持って行けば荷物になるし、持って行かずに現地で必要になったら大いに困る。いい加減寝ないと明日からの旅行に差し支える時間になっているが粛々と準備していくしかない。
乗車するバスは朝5時発、今4時半。。。やばい、完徹だ。