001018 – いじりれき 2019/01

子供用ベッド制作(ラゲッジルーム編)

スペーシアに買い替えてからも相変わらず車中泊の旅行に出かけているが、流石に3人川の字で寝るのはかなり狭苦しい。
大抵の場合、チビを真ん中に寝かせるのだが、真ん中部分はアームレストの隙間があったり、シートの形状の都合で盛り上がっていたりと、決して寝心地の良い場所ではなく、ちょっとかわいそうな気もする。

まぁ、それでもそこを定位置にして大人しく寝てくれるならまだいいのだが、子供は寝相が悪い生き物なので、大人しく眠ってくれるわけがない。夜中じゅうあっちこっち動きまわるので、うっかり蹴っ飛ばさないか心配で大人も熟睡出来ない。

ということで親子3人が少しでも快眠できるような方法がないか検討してみることにした。

まず最初に考えたのは、シートの段差を埋めることだ。段差があるから体の位置が動いてしまう。絶対的なスペースでいえば親子3人それなりに眠れるスペースは確保できているのだが、各々が寝心地の良い場所に移動してしまうと、必然寄り添うような寝方になってしまう。
これを解決するために、段差を埋めて、極力平たい場所を作ればよいのでは、と考えた。一番安直なのはニトリなどでマットレスを購入して敷くことが考えられるが、これだけだと若干の凸凹感は残ってしまう。

次にシートの上に板を並べて敷く案を考えた。とはいっても、キャンピングカーのように敷きっぱなし、というわけにもいかないので、脱着可能なように作る必要がある。
台枠を作ってそこにベニヤ板かなんかを敷き詰めれば、手っ取り早くフラットにできるのだが、今度はそのべニヤ板をどうやって運ぶかという問題にぶち当たる。

スペーシアのトランクルームは小さいのでベニヤだけでトランクが埋まってしまう。ほかにも持っていく荷物もあるので、それでは困る。

で、その案から発展させたのが、一部分の2段ベッド化だ。
総二階構造にすれば面積的にはかなりの余裕が生まれるが、どうやって板を運ぶのか、という問題が解消しない。それにスペーシアは天井高がそれほど高くないので、下段も上段も窮屈になってしまうと思う。

そこで、とりあえずロフトベッド風にチビが寝るところだけ上にあげてはどうか、というところにたどり着いた。

チビの身長を考えると、単純にラゲッジルームに寝かせるだけでもいいような気もするが、それだと荷物の置き場が無くなってしまう。この部分だけを2段ベッド化すれば、親はフラットにした座席で、チビは2段ベッドでそれぞれ寝られるので快適だろう。しかも、ラゲッジにも荷物が置ける。

ということで、基本的な構想は固まった。さらに詳細を煮詰めてみよう。

いくらチビが小さいと言ってもラゲッジルームの寸法だけでは小さすぎる。収まるかどうかでいえば、収まるのだが、寝返りも打てないサイズでは寝心地も悪いだろうし、文句が出ると思う。車両後端から後部座席にはみ出すくらいの寸法は取りたいところだが、乗車する人間は3人いる訳だから、移動中は4席中3席が座席として使えるようにしておく必要がある。

となると、出発前にベッドを展開して移動という手段が取れない。ベッドを何かしらの方法で格納しておき、現地に着いたら展開するような方法を考えなければならない。そうなると悩ましいのが格納方法だ。

その辺諸々勘案して、①格納状態で出発し、現地で展開する、②できるだけ小さく邪魔にならないように収納する、③展開・格納が出来るだけ素早く行えるようにする、の3点を基本設計方針とした。

まず、材料をどうするか検討。板を敷くという所は既定路線だが、土台はどうするか。
基本的にはフレームを組むことになると思うが、当然フレームも収納可能なようにしておかなければならない。ネットで検索すると、フレームはイレクターパイプというものが便利なようだ。

イレクターパイプは鉄製のパイプなので強度があるが、足場用の鉄管などと違ってカラーリングされているので、見栄えも悪くない。さらにパイプを接続するコネクタが豊富なので、ある程度複雑な構造でも対応できそうである。

本来、コネクタとパイプは接着して使うのだが、ここをあえて接着しないでおけば、都度つけ外しすることが出来る。ばらばらにして運べばかさばることもないだろう。

ベッド天板は普通にベニヤでよいだろう。ラゲッジに格納できるサイズに細切れにして、設置時にはそれを並べて敷くような感じにしたい。

ちなみに、ロフトベッド案には大きな問題点が一つある。チビがゆくゆく成長して、このスペースに収まらなくなったら使えなくなってしまう問題だ。

折角ある程度材料を手配して作っても2、3年で使えなくなってしまったらもったいない。

そこで、トランスフォームして助手席側だけを2段ベッドにすることもできるような設計も盛り込むことにした。我ながら欲張りである。

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設計図としてはこんな感じだ。上の用紙が助手席側2段ベッドモード、下の用紙がロフトベッドモードの設計図である。ポイントとしては、
1.ロフトベッドモードと、助手席側2段ベッドモードで使う部材を極力共通化する。
2.ベニヤ板は蝶番で二つ折りにする。
畳んでラゲッジに収まるサイズにすることと、展開を容易にすることを両立している。
3.格納と展開を出来るだけ簡単にするため、ラゲッジ部分と座席にはみ出る部分を分割させる。
ラゲッジ部分は出発時に組み上げておいて、現地では座席部分だけを組むようにする。

といった感じである。

まずは採寸。

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カミさんとチビに協力してもらい、車内で横になってもらって、サイズを算出。
ベッドの高さは窓の高さ位にするのが丁度良いようだ。

苦労をしたのが、ベッド面を水平にするために足の長さをどのくらいにするかというところ。床面はフラットではなく、場所によって若干の差異があるので、長さを厳密に測る必要がある。

数mm程度のずれはパイプの足にアジャスター付きのものを付けることで解消する予定。

で、材料のお買い物。
イレクターパイプはアイボリーと黒と緑の3種類ある。最初は緑でそろえようと思ったのだが、近所のホームセンターで在庫切れのコネクタ類があったので、コネクタだけは黒になった。

ベニヤ板はホームセンターであらかじめカットしてもらった。

あとは、蝶番とパイプカッターを入手。

で、工作開始。

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あらかじめ採寸しておいた長さにパイプをカットしていく。

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仮組をして様子を見る。
やはり手元の微妙な狂いで数mm程度長さがずれてしまい、それが覿面にゆがみとして出てしまう。。。

まぁ、ガタつかなければいいか。

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で、これを車に設置してみるとこんな感じになる。
この後、転落防止のアオリを付ける予定。

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トランク側から見るとこんな感じ。
上の写真だとセンター部分の足がないが、ここは実際の設置時にはちゃんと足を降ろす。

床面においてある板はフローリング材をカットしたものである。その板の上にベッドフレームの足がのっかっている。スペーシアのラゲッジは両サイドのインナーパネルの下部が内側に広がった形状なので、まっすぐ足を降ろすとぶつかってしまう。だが足の幅を狭くすると、今度は幅が狭くなってしまい、ベッドの天板がしまえなくなる。。。ということで、邪魔しない高さに板を置いてみた。

この板はシートを格納状態にした時に、ラゲッジとシートバックの間に出来る段差を埋める役割も持っている。
ついでに、フローリングの下部分にもちょっとした小物を突っ込んでおけるように、という配慮もある。

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上の写真のように展開するイメージだ。
板の下に置いてある足は2×4の角材だが、床板を含め全てあえて固定していない。なんかもう一声何かできそうな気がするが、時間との見合いで今回はここまで。次期プロジェクトの課題としておきたい。

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おまけで、助手席側2段ベッドモードはこんなイメージである。ただし、このフォーメーションはチビの寝相が良くなることが前提なので、ここでは仮組みだけ。

続いて天板の加工。
写真には撮っていないが、ベニヤ板2枚を蝶番でつなぎ、その上にジョイントマットを貼り付けた。
裏面には、ズレ防止マットを貼り付け、また、板のヘリの部分にはクッション材を貼り付けてチビがぶつかっても大丈夫なようにしてある。

ということで、一応の完成を見たので、設置式である。

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まずリアゲート側から。
最初はこのようにラゲッジ部分のみ組み立てた状態で出発する想定である。

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そして、就寝時は、このような形に組み立てて、床板を乗せたら完成。
ごらんの通り、ベッドが座席の上の方まで出っ張っているので、この状態ではリアシートに人を乗せることが出来ない。これをどうにかするのがもっとも苦心した部分である。

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リアから見るとこんな感じになる。
見た目はそこそこ思った通りの仕上がりである。これならチビの寝相が悪くても邪魔されずに熟睡できるだろう。

実際にお出かけの時に使ってみた。
前述の通りパイプとコネクタは抜き差しできるよう、接着していない。つまり、持ち運びの時は買ってきたばかりのブロックのような状態になっている。

それだと、狭い車の中で組み立てる時にパーツ同士の紐づけが分からなくなるので、それぞれの部材にテプラでナンバリングしたのだが、それだけではやっぱりどう組み立ててよいか分からない。
そこで組み立て手順書も作った。

だが、手順書を見ながらでも組み立てても30分くらいかかってしまった。その間家族には外で待っててもらったのだが、チビが寝入ってしまい、カミさんにずっと抱っこさせたまま待たせてしまったので、大変な不評だった。

そして、いざチビを乗せて寝かしてみたのだが、普段ママのそばで寝ているので、寝始めてわずか10分ほどでママを探して夜泣きしてしまった。。。

結局その日は3人川の字で寝た。もちろん熟睡もできなかった。

部材一式で2万円くらいかかっているので、どうにか今後も活用していきたいのだが、家族3人が移動中に座席に座れるようにしつつ、就寝時には素早く展開できるような仕組みを考えなくてはならない。頭の痛い問題である。。。

ちなみに、タイトルの通り、助手席2段ベッドモードについてはまだ構成に検討の余地があるので着手していない。それはいずれ完成したらまたアップしたいと思う。

Posted by gen_charly