’90埼玉県民の日 (1990/11/14)
1990/11/14
1990年の県民の日も例によって埼玉を一周してみることにした。前回は110カメラを持参してあまり良い写真が撮れなかったのだが、今回は祖母から借りた35mmのフィルムのコンパクトカメラを持参することにしたので、前回よりはマシな写真が撮れるはず!
・・・だったのだが。。。
昨年同様、東武、西武、JRの県民の日フリー乗車券を購入して早朝に出発。
まずは川越駅から川越線で高麗川駅へ向かう。当時川越駅は橋上駅舎の建設工事中で、ホームにも太い鉄骨が立ち始めている。そのおかげで車両に影ができてしまうようになったのが悲しいところだ。
橋上駅舎が完成したら東武とJRの改札が設置されるらしい。その時にはあの秘策も封印か。
鉄道好きになって周辺を散策するようになってから気づいたのは、この辺りの他社線との接続駅に乗り換え改札が無いことだった。具体的にいうと、川越、越生、小川町、寄居の各駅で、これらの駅で東武東上線や越生線と川越線や八高線が接続しているのだが、それらの駅の連絡通路に改札がないので、切符を買わずとも乗り換えることが可能だったのだ。
小学生の頃、例のI田とそのことに気がついて、初乗り切符で一筆書きで寄居駅まで行って帰ってくるというチャレンジをしてみたことがあったのだが、何事もなく一周してくることができた。まぁ、こんなところで一筆書き一周なんかして得する人もいないので需要は皆無。そこに重点を置いたチェックが入るわけはないのだが、都内などからJRに乗って東武の駅を定期券で下車するなんてことは簡単にできたはずだ。
あの頃は自動改札の普及もまだまだだったし、監視カメラも一般的ではない時代だったので、良心に任せていたということだったのだろう。といっても、鉄道会社が何もしていなかったわけではない。当時は車掌が抜き打ちで車内を巡回して切符をチェックする車内検札というものがあった。古い映画の鉄道シーンなどで「切符を拝見~」と言いながらやってくるアレである。あれでキセルがバレると、始発駅からの運賃の3倍を徴収される決まりなので、そういう部分で牽制していたのだと思う。
当時自分は植田まさし氏の漫画が好きでよく読んでいたのだが、キップ君やかりあげ君などの4コマ漫画の中で、キセル逃れのために列車のトイレに隠れるなんていうシーンが描かれていた。トイレに隠れて難を逃れるなんてことは現実的にはできなかったのだろうと思うが、当時の国鉄職員の横柄でやる気のない態度に対する庶民の不満、といったような構図をイタズラチックなタッチで描いているのが面白いな、と子供心に思った記憶がある。
脱線した。
高麗川駅で撮影した103系3000番台とキハ38。やっぱりだめだ・・・。
持ってきた祖母のカメラはどうにも不調で、フィルムのコマ送りに失敗してこの写真のように重なって撮れてしまったり、ケースの蓋が開きやすくて感光させてしまったりすることがあった。うまく撮れれば110カメラと比べて格段に鮮明な写真を撮ることができたのだが、これではどうしようもない。
現像するまではどんな仕上がりになるかが分からないので、散策中は撮影に失敗しているなどとはこれっぽっちも考えていないのだが、現像してできあがった写真を見て大いにがっかりするのである。
やってきた八高線は珍しくキハ23だった。八高線の中ではまぁまぁレアキャラ。
これに乗って東飯能駅へ。
東飯能駅から西武秩父線に乗るのが自分の定番コース。
ここに来る途中でフィルムケースの蓋が開いてしまい、すぐさま閉じたのだがやっぱり感光してしまった。この先感光写真が続くので暫く飛ばして、、、西武秩父から秩父鉄道に乗り換えて熊谷駅へ。
感光している写真で恐縮だが、留置線には500系が、
そしてホームには800系が停まっていた。どちらも貴重な車両なのに。感光してしまったことが返す返すも惜しい。
秩父鉄道はこうした車両が存在しているのに、自分が乗る列車は100%1000系だった。1000系も元国鉄の101系で貴重な車両ではあったのだが、毎回そればかり乗っているとありがたみがなくなる。
これらの旧型車にもいつかは乗れたらいいなと思っていたが、その日が来ることの無いままみんな廃車されてしまった。
ここからさらに進んで羽生駅へ向かい、そこから伊勢崎線で東武動物公園駅へ。
東武動物公園駅で当時最新鋭だった20000系を撮影。せっかくここまで来たので東武動物公園にも立ち寄ってみることにした。まぁ、動物が見たいわけじゃなくて、園内に保存展示されている車両を見たかったからなのだが。
東武が誇る貴賓車トク500。ピンボケだし感光してるしでひどいものだ。。。
要人を乗せることを目的として製造されたらしいが、実際にはそういった用途ではあまり使われなかったらしい。動物はあまり興味がないといっても、入園料を払って鉄道車両撮影だけで帰るのは勿体なかったので、一応ざっと園内を一周して見て回った。
時間がほどよくなってきたので、ぼちぼち帰宅のコースだ。
駅に戻ってくると、偶然5800系が入線してきた。マジで!?
5800系は、東武に唯一残っていた旧東武顔の車両である。当時既に定期運用からは外れており、臨時列車などでたまに走行することがある程度の超絶レアな車両だった。突然の遭遇に慌ててシャッターを切った。
・・・が、ピンボケだ。もういや。
そしてここから先に撮影した写真はすべてピンボケだった。
(おわり)