ほぼ日本一周ツアー【4】(2000/09/19)

本山支線のクモハ42:


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そんなことつゆ知らずな自分は、そのままJRに乗車して九州を離れてしまった。
初の九州上陸は1日に満たない時間しか滞在できなかった。やっぱり札幌に行ったのは蛇足だったかも。。。

まぁ、とりあえず福岡に到着した時点で設定していた今回の旅のマストタスクのうちのひとつであるクモハ42の撮影のため、引き続き小野田線の雀田駅へと向かう。

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ということで、途中省略し雀田駅に到着。ホームには既にクモハ42が停車中だった。
前にも軽く触れているが、このクモハ42は当時現役で走っていた日本で唯一の旧型国電である。

国鉄の車両でこうした茶色の物は旧型国電と呼んで差し支えない(厳密にいうと違うのだが)。
自分が鉄道ファンの世界に足を踏み入れた1980年代後半には旧型国電はあらかた引退していて、ここと神奈川の鶴見線が最後の牙城だった。鶴見線の方は比較的早い時期に撮影できたのだが、流石に山口は遠すぎてなかなか来られずにいた。

いずれにしても製造されて相当な期間を経過している車両であり、いつ引退の話が出てもおかしくないということで今回の旅のマストのひとつにしたという訳だ。
(はたしてその読みどおり2003年に惜しまれつつ引退してしまった。)

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車両は鶴見線のクモハ12とは違い、扉が片側2枚でその間にロングシートとクロスシートがずらりと並んでいる。木の床、ニス塗りの木の内装、紺色のモケット、長いつり革、扇風機。。。どれをとっても紛うことなき旧型国電だった。

かつてはこの座席やつり革に満員の乗客を乗せて走っていたことがあるのだろうが、今は余生、自分の他に同じ目的で乗車に来たと思われる男性の2名のみがこの便の乗客である。

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なので撮り放題、座り放題、移動し放題。あちこち具に見学させてもらった。そしてもう1人の乗客も同様にあちこち見て回っている。

そんな折、車掌(運転手だったかな?)から声をかけられ乗車証明書を発行してもらった。

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まさかこんな素敵なプレゼントまで貰えるなんて。乗りに来てよかった。

それから程なく出発時刻となり、旧型電車特有の吊掛けモーターの音を唸らせて列車が発車した。この本山支線はこうした旧型車両が余生を送るような路線だけに駅は間に1駅挟んだ3駅しかない。なので吊掛けサウンドにうっとりしているとあっという間に終点に到着してしまう。物足りないなぁ。。。

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終点は長門本山駅。もちろん無人駅である。駅の周辺もこれといったものがない。列車は5分ほどで折り返しなのでもとよりのんびり滞在する時間もないのだが。

雀田駅を出る時に写さなかった方の前面を撮影して、後は駅の周辺の様子を何枚か撮影したらもう出発時刻だ。慌てて列車に戻る。
そしてまた吊掛けサウンドに満足できないうちに雀田駅に戻ってきてしまった。それでも乗れたので満足。これでマストタスクのひとつは無事達成した。

 

豊島行きの行方は。。。:


雀田駅から先へ進む列車が来るまで30分ほどあったので、待っている間にもうひとつのマストタスクを達成するため、件の豊島コミュニティセンターに予約の連絡をしておくことにした。

だがまたしても先方がなかなか受話器を取ってくれない。不在なのだろうか。でも明日また電話してくれって昨日言っていたしちょっと離れているのだろうと数分の間を置いて何度かかけ直したら、3回目で受話器が取られた。

で、明日の宿泊希望を申し出てみたら、

「すみません、明日は宿泊者が他にいないので営業しないことになりました。」

えー!?そりゃあんまりじゃないですか。。。こちとら数年前からあこがれ続けていた島への上陸がようやく叶うと思って昨日から楽しみで仕方がなかったのだぞ。

どうにも承服できかねる回答だが、やらないと言っているのをそこをどうにか、と言えるほどの胆力は持ち合わせていなかったので肩を落として電話を切った。これでマストタスクのふたつ目は達成不能となってしまった。

まぁ、落ち込んでいても始まらない。それもまたあてどない旅の醍醐味。行けないなら行けないなりに明日以降の行程をどうするか考えよう。

 

尾道へ:


駅のベンチに腰掛けて、次の電車がやって来るまでこの先の行程をどうしようか再検討することにした。当初は豊島の散策を終えた後そのまま尾道に戻るつもりだったのだが、豊島上陸がキャンセルになったことで1日時間が出来たので、しまなみ海道をそのまま進んで松山を目指すことにした。

しまなみ海道は広島県の尾道から瀬戸内海に浮かぶ島々をまたぎつつ愛媛県の今治へと抜ける道路だ。この道は島々の間にかかる橋が五月雨式に順次開業していき、当初は本州・四国とは結ばれていなかったのだが、昨年ようやく全ての橋の架橋が完了し本州から四国までの間を車で通り抜けられるようになった(一部区間は専用道路がまだできていないので一般道兼用)。

まだ開業間もない橋を渡って四国へ行くのなんて面白そうではないか。四国側の愛媛県は未訪なので行くからには伊予鉄道なども見てみたい。それなら松山だ。松山に行くなら道後温泉も入りたいな・・・といった具合で、思いのほかトントン拍子で先の行程が決まっていった。

当初の想定では今日行けるところまで行って因島あたりで宿泊になるかな、と考えていたのだが、時間は既に17時を回っていて間もなく夜になる。だったらそこまで欲張らず尾道辺りでステイしておいた方がよさそうだ。ということで今日の最終到達地点も尾道と決まった。

 

という訳で先に進む。雀田駅から小野田駅を経由して小郡(現:新山口)駅へ。そこから新幹線を乗り継いで新尾道駅へと向かった。
そして新尾道駅で下車し宿の手配をしてもらった。手配された宿は尾道の市街地にあってここから若干離れている。どうやって行ったのか記憶にないが歩いて行ける距離ではないので多分バスに乗って行ったはず。。。

まぁともかく、尾道の市街地にある尾道第一ホテルというビジネスホテルが本日の寝床となった。
ホテルは幾分古臭いホテルだったが自分の予算で出せるホテルはこのくらいが限界。とはいっても別に1人なんだから建物や設備が古くても清掃が行き届いていてちゃんと寝られれば何の問題もない。

遅い時間のチェックインだったので、シャワー浴びてちょっとテレビ見ていたらもう寝る時間だった。

Posted by gen_charly