沖縄社員旅行【1】(2005/09)
今年も社員旅行の季節がやって来た。一昨年に初めて参加した宮古島への社員旅行には度肝を抜かれた。業績が右肩上がりを続けていた時期だったので、内容が年々リッチになっていって昨年は済州島に行ってきた(済州島は色々あってあまり記事に出来るような旅が出来なかったので記事化はしていない)。
となれば今年はどこに行くのだろうか、と春頃あたりから社員の間の話題にのぼるようになる。いくら年々リッチになると言ってもどこまででも行ける訳ではない。基本的に社員旅行の日程は夏場のお盆時期を外した3連休と決まっており、その期間内で行けそうなところの中からチョイスするのが慣例になっていたので、予想する方もその範囲でどこそこは何年前に行ったから今年はあそこかなぁ、なんて勝手に予想するのである。もちろんその時に一緒に行動する人を予め見繕っておいたりもする。
で、今年はタイトルのとおり沖縄となった。沖縄と言っても今度は本島の方である。
一昨年の宮古島ですっかり島好きになった自分は、沖縄と聞いて小躍りした。まだ行ったことの無い島なので一度訪ねてみたいと思っていたのだ。
一般的な社員旅行のイメージと言えば、貸し切りバスなどであちこち巡り温泉旅館の大広間で宴会、そのあとカラオケ・・・みたいな感じではないかと思うが、自社の社員旅行はその旅行期間中の多くの時間が自由行動となっているのだ。フリータイムの間は常識的な範囲で好きに過ごしてよい。つまり他の社員に気兼ねせずに行ってみたかった島や観光地を見て回ることができる。これは自分にとってまたとないチャンスである。
それから少しして旅行の計画が発表になった。それを見て自分はまたたまげた。
今回は9月17日の晩に開催される食事会のみ参加必須で、それ以外は出発便の手配から帰着便の手配に至るまで全て自由と言うのだ。会社は上限を定めてその費用を清算するというルールなので、その金額の範囲で納めるもよし、持ち出してもっと上等な内容にするもよし。
3連休なので初日の朝の便で向かってもよいし、有休をとれる人なら前日の金曜日や連休明けの火曜日まで滞在することもOKという。それって社員旅行なのか?
そう言われても皆が皆自主的にツアーを組める訳ではない。あまりに自由過ぎてどうしてよいか分からない、なんて困惑している人もいたので社員旅行という点で言えば良し悪しのあるプランではあったが、自分はもちろん大歓迎である。裁量の範囲が増えれば増えるほどその分色々なところに行ける。
この当時はカミさんの希望により付き合っていることを職場の人間には内密にしていたのだが、今回みたいな企画ならみんなが行かないようなところを中心に選ぶことで誰とも会わずにカミさんと観光できそうだ。というわけでカミさんの参加意志を確認したら、このところ仕事で悩みを抱えていてのんきに社員旅行を楽しむ気分にはならないから行かない、と言うことで不参加となってしまった。
仕方ないのでソロ活動を計画していたら、ひょんなことから同僚の女子2人から一緒に行きませんかと声がかかった。一緒に巡るのはいいのだが自分が行きたい見所ってどう考えても女子ウケするとは思えないんだよなー。
でもまぁ折角声かけてくれたんだしあまり無碍にするのも忍びない。出来るだけ彼女らの要望も聞いてあげようとは思ったが、自分だってそう何度も行けるか分からない場所だから全面的に譲歩するつもりはさらさらなかった。そういう旅になるけどいい?、と念のため確認したがそれでも良いということだったので、そのパーティーでの行動を了承した。
で、奇妙な3人旅となった訳だか、それから少しして1人が離脱を表明してきた。他の女子に誘われてそちらのグループに合流することになったらしい。流石に自分の計画では楽しめないと踏んだか。取り残された格好のもう1人の子、勝手に一抜けされてしまったことに気分を害したか、それなら私は社員旅行に行かないと言い出した。そりゃそうだ、付き合っている訳でもない男女2人で観光なんかしたって気疲れしてしまうだけだろう。
ところがそのマッチングを調整していた同僚が、沖縄なんて気軽に行けないところにタダで行けるんだから欠席は勿体ないよと説得を始めた。自由行動なのだから行かなきゃ損だよなどと熱心に説得したらしい。じゃあお前が連れてけよと思ったりもしたが、彼は奥さん同伴なのでNGとのこと。
頑張って説得したってそこは流石にNGでしょと思っていたのだが、意外や意外、思いとどまったらしい。色々難しいね。だが、その子との2人旅という前提は変わらない。いいのだろうか。個人的には吝かでないが何かと気を使う気がする。
本人に改めて確認すると、自分となら一緒に行動しても良いと言っている。彼女持ちだから安パイだと思われたか。
それからそうなった旨を一応カミさんに報告した。そこでNGならお断りするしかない。ところがカミさんもカミさんで、別にいいんじゃないとサバけた回答だった。俺、そんな男としての魅力ないかなぁ。。。w
とまぁ、そんな経緯があって同僚の女の子との2人旅を決行することになったのだった。
今回の旅行は上述のとおり全てがフリーとなる。即ち全てを自ら手配しなければならない。
折角の沖縄旅行である。出来るだけ長い間沖縄に滞在して旅行を楽しみたい。とはいえ有休が取れるほど暇でもないし、日程が延びると持ち出しが発生する。折衷案として金曜の定時で仕事を切り上げて、前日の夜のうちに沖縄入りをする計画とした。もちろん戻りの便は月曜日の便である。
とはいえ、ホテル探しとか面倒だなぁと思っていたら、同僚が同じ日程で計画を立てていてそのツアーをこれから手配するというので、それに便乗する形でついでに手配してもらった。
基本的な枠組みが決まったところで現地の行動計画を決める会議を開いた。会議を前にその子(以降Yちゃんとする)にも行きたいところを考えておいてもらった。で、まずはYちゃんの行きたい場所をヒアリングする。
が、意外にもYちゃんの行きたいところと言うのは殆どが食べ物の店。しかも3食におやつまで含めて考えても全部回れないほどの量をリストアップしてきた。そう来たか。
沖縄本島のマップの上でそれらの場所をプロットし、どうやって回れば最大公約数が得られるか考えてみるが、やっぱりいくら考えても全部回るのは流石に無理そう。結局いくつか省いてもらったがそれでも3日間フルに使ったグルメ旅の一面を帯びるプランとなった。
自分は美味しいものを食べるのは好きだが積極的に求めて行動する程ではないので、誰かが行きたいところを提案してくれる方がむしろありがたい。
観光やアクティビティの希望が多かったら自分が多く譲歩せざるを得ない状況になる懸念があったが、そちらについては基本自分が行きたいところに行ければOKだそうだ。なんか案外いい感じに相互補完されている。ことのほか楽しい旅になるんじゃないか、と思った。