臺湾的婚礼【3】(2007/01/21)
— 台北の花嫁 —
会場に戻ると、既に受付が開始されていました。
最初にも書いたとおり、台湾のご祝儀袋は通常紅包を使うらしいのですが、新婦が好きなディズニーのご祝儀袋を日本で手に入れていたので、今回はそれで出す事にしました。
受付と引き換えに、新郎新婦の写真が入った小袋を貰いました。
会場は結構広く、200人くらいは優に入るくらいのスペースで、7割がた埋まっています。
さっき控え室で会った友達達が座っているテーブルを見つけて、そこで着席。
周りを見回してみると、原付の座ったテーブルにいる他の人たちは仕事の同僚や親しい友達のようで、このテーブルだけ男はスーツ、女はOLが着ているような服を着て、それなりに着飾っている感じでしたが、他のテーブルにいる人は、ジーパンにトレーナーだったり、チノパンにカッターシャツだったり、 「ラフにも程がある!」と思わずツッコミを入れてしまいそうな格好をしている人もいます。
原付たちもそれなりに抑えた格好をしてきたつもりだったのですが、この中にいるとかなり浮いてる感じがします。。。
給仕が飲み物を配っていたので、ジュースを貰って飲みながら待っているのですが、案の定開始の予定時間を過ぎてもなかなか始まりません。
台湾の披露宴は割と時間通りに始まらない事が多いらしいのですが、このことは事前にネットで調べていたのでそれほど驚くことも無く、友達とおしゃべりをしたりして時間をつぶしていると、30分くらい遅れて、音楽が流れ始め、やっと二人が入場してきました。
ゆっくりと花道を歩いて、一番前にある席に二人が着くと、司会が色々と話し始め、披露宴が始まりました。
原付もカミさんも台湾語は分からないので、周りの雰囲気に合わせて笑ったり、何かイベントがありそうな時は、カメラを向けたりしつつ、運ばれてきた料理に舌鼓を打ちました。
台湾の料理は日本人の口にも結構合うと聞いていましたが、日本で食べる中華料理と違和感なく食べる事が出来ました。
というか、めちゃめちゃうまい!!
テーブルの他の連中はもっぱら酒を飲んで料理には余り手を付けていなかったので、原付とカミさんでたらふく頂かせてもらいましたw
それから少しして新郎新婦がみんなの席を回り始めました。
同じテーブルの一人が、配られたワイングラスに料理に出ていたしいたけをレモンよろしく挟み込んで、やってきた新郎に渡しました。
新郎はあちこちのテーブルで酒を振舞われていたようで、原付のテーブルに来たときには既に顔を真っ赤にしていて、奥さんが心配そうな顔で見ています。
しいたけワインを見てかなりドン引きしていましたが、意を決して一気に飲み干して軽く凹んだ顔をしてから隣のテーブルに移動していきました。
それからまた少しして、今度は新郎新婦のご両親がテーブルを回ってきました。
カミさんは面識があるそうで、カミさんの顔を見るなり駆け寄ってきて、久々の再開を喜んでいました。
ご両親も日本語は出来ないそうで、ひたすらジェスチャーと、アテンドしてくれた友達の通訳でどうにかコミュニケーションを取っていましたが、結構通じるものだなぁと感心しました。
そしてご両親が全ての席を回り終えて席に戻ると、「前の方に行って来たら?」と促されて、二人で再びご挨拶に。
こちらでは親戚の日本語が出来る人が通訳になってくれて、ご両親とお話しさせてもらいました。
例のカメラマン氏が原付のカメラを預かって写真を撮ってくれました。
・・・と言っても、正直原付は新郎新婦のことを詳しく知っているわけでもなく、「ゴンシー、ゴンシー!(おめでとう、の意) 」と伝えて意味も分からず堅く握手する事くらいしか出来なかったのですが。。。Orz
カミさんは新婦のお母さんと、なんだか楽しげに話をしていました。
撮れた写真を見ると、「記者会見かよ!」と思わずツッコミを入れたくなるような立ち位置に思わず苦笑しました。。。
戻り際、カミさんに何を話したのか聞いてみると、「言葉が分からないからなんとなく合わせていただけ。」 とのたまいました!
それであれだけ楽しそうに出来るのだから大したものですwww
で、席に戻ると、更に料理が運ばれてきて、流石に満腹になってきたなぁ、と思う頃にデザートが運ばれてきました。
デザートに舌鼓を打っていると、周りの人たちが少しずつ退場を始めています。
何が起こったのか聞いてみると、もう式が終わったので退場していいのだとか。
まだ締め言葉は聞いていない筈なのですが、そういうものなんだそうです。
レストランで食事した後のようにめいめい退場するというのはとても不思議な感じです。
原付のテーブルにいる人たちはすぐには退場せず他の人があらかた退場してからおもむろに席を立って部屋を出ました。
丁度受付の所に新郎新婦が立っていたので、声を掛けると、みんなで写真を撮ろう、というので、全員で集合写真を。
みんな適当に酔っているので、各々面白ポーズを取って写ったりして、なかなか面白い連中です。
そのままホテルまで送ってもらい、フロントで少し両替してもらってから部屋に戻って一服。
新婦が式が終わって時間が取れたら会いたい、と言っていたのですが、シャワーを済ませた頃に電話があって、新郎が酔っ払ってしんどそうなので今日は行けない、とのことです。
まぁ、あれだけ飲まされたらしんどくもなるでしょう。。。
で、時間が出来たので、折角だからマッサージにでも行こうかという話になり、ガイドをめくってみると背中に透明なお椀のようなものを沢山付けて施術されている写真を見つけました。
済州島に社員旅行に行った時に、同僚がこれをやって貰ったと話していたのを思い出して、面白そうなので、そこに行ってみる事に。
その行為は「火罐(パークヮン、カッピングとも)」と呼ばれるもので、マッサージではないのですが、ガラスのボウル状のカップの中を火で暖めて中の空気を抜いた状態で背中にあてがう事で、カップ内の気圧が下がり、吸盤のように背中に張り付いて、背中の肉をカップ内に引っ張ります。
そうすると徐々にうっ血していくのですが、これが悪い血らしく、本格的なものだと、この後背中に針を刺して中の血を出すという行為(「抜罐」 と言うらしいです)をするのですが、これは結構痛いそうです。
原付の見つけた店は、カップでの吸引のみということなので、気軽な気持ちで行ってみると、日本語が通じる店で、まずは薬草の成分が溶けたお湯に足を浸けて、足のマッサージを行い、その後軽くマッサージをした後、いよいよ火罐が始まります。
背中にカップがくっつくと、そのまま吸い込まれるような感触を背中に感じます。
手際よく15個くらいのカップを置いていきます。
そのまま15分ほど放置。
写真は店員が写してくれました。
人によっては、この時間が痛くてたまらないらしいのですが、原付は特に痛みを感じる事もなく、割と気持ちよく過ごせました。
カップを外すと、背中一面にうっ血した跡が。。。
カミさんもそれほど痛みは感じなかったそうですが、これで施術完了。
この跡は一週間から一ヶ月程度は残るそうです。
長く残る人ほど、体の具合が悪いのだとか。
肌を見せない冬の時期でよかった。。。
ホテルに戻って一息入れていると、隣の部屋からギシギシという音が聞こえてきました。
最初は何の音かと思いつつ、それほど気にしてた訳ではなかったのですが、ちょっと部屋が静かになった時には結構はっきりと女性の甘い声が漏れてくるのが聞こえました。
ご行為中でございましたか。。。Orz
安普請なホテルでびっくり。
披露宴に出て疲れたからか、施術の効果か、疲れが出て眠かったので、余り気にする事もなくそのまま眠ってしまいました。
翌朝。
背中を擦ると跡になっている所がでこぼこしているのが感触で分かりますが、特に痛みはなく、肩こりや背中のだるさは気持ち取れたような感じがします。
効果があったのかなかったのか。。。
今日はもう東京に帰る日です。
ロビーで朝食を済ませ、荷物をまとめていたら、新婦から電話がかかってきて、お土産を渡したいから今から行くとの事。
暫くして、新婦が到着。
旦那は本日もダウンしているとの事。
引き出物のお菓子の詰め合わせを渡してくれました。
忙しいのにわざわざ。。。
どうもありがと。
新婦と別れたら、丁度集合時間になったので部屋を出たら、偶然同じタイミングでお隣さんとバッタリ。
向こうはこっちに声が漏れている事に多分気が付いていない(からこそハッスルできる)と思うのですが、こっちは知っちゃっているもんで、なんとなく気まずい。。。www
軽く会釈をすると、向こうも「おはようございます」と日本語で返してきました。
日本人だったんだ。。。Orz
まぁ、それはさておき、チェックアウトを済ませてバスに乗り込み、空港まで。
その後は特に面白話もなく淡々と成田まで戻り、無事に自宅まで帰ってまいりました。
(帰りの飛行機から見えた利島)
まさか自分が、外国の披露宴に出席するとは思っても見なかったのですが、文化の違い、しきたりの違いを肌で感じる事が出来て、貴重な体験が出来ました。
台湾の人たちは、比較的日本に好意的な人が多い、という事で割と気軽に出かける事が出来ましたが、それを置いても、日本語がわかる人も多いし、喋れない人でも親切な人が多いので、必死にジェスチャーとかでコミュニケーションを取ろうとしてくれて、なかなか楽しい旅行でした。
火罐の跡は原付は一週間ほどで取れましたが、カミさんは三週間くらい残ったままでした。
どうやら原付の方がまだまだ健康らしいですw
願わくば、次回訪れるときは、もっと観光したいですね。
そして、台湾の新幹線に乗車してみたいです(そっちかよ!w)。
(おわり)