小笠原上陸 - 25(2008/09/16)
バイクに乗る前に、園地を抜けて再び小港海岸に出てみました。
一昨日の夜にナイトツアーでやってきましたが、昼間の小港海岸は初めてでです。
小港海岸は粒が細かく砂が白い良質の浜で、足についた砂もさらさらと取れてしまうくらいです。
しかも扇浦と並んで、施設が充実している割りに、それほど人も来ないのでそこにいる人たちは思い思いに泳いだり、潜ったり、本を読んだりして過ごしていました。
八つ瀬川の河口は、砂に埋もれて海まで到達していません。
多分ここから一旦地下にしみこんで海に流れ出ているのでしょう。
その背後の岩の下の部分の形が実に奇妙な形です。
松の木の皮の様な丸い岩を積み上げたような形になっています。
これは噴出した溶岩が海水で一挙に冷やされた後、地上に隆起してきたもので、その形から枕状溶岩と呼ばれているものだそうです。
特にこの岩を構成している岩石が、無人岩(むにんいわ:ボニナイト)と呼ばれる父島付近でのみ見られる非常に特殊な岩なのだそうです。
実は家に帰ってきてネットで調べるまでそんな貴重な岩石だったとは知らなかったのですが。。。
ちなみに余談ですが、小笠原諸島に由来するものの学名には「ムニン」とか「ボニン」 といった名前がつくものが多数あります。
小笠原諸島という名前がまだなかった江戸時代。
欧米の人が「この島はなんと言う名前か?」と質問した時、「ここは (名も無き)ムジントウだ」と答えて、それを聞いた欧米の人たちが小笠原諸島を「ムジン」という名前の島だと勘違いしてしまい、それが徐々に訛って「ムニン」 やら「ボニン」 と呼ばれるようになったという経緯があったそうです。
(会話部分は原付が脚本を書きましたがw)
今でも小笠原を指して「ボニン・アイランド」と記入している地図もあるらしいです。
学会などでは「ムニン」や「ボニン」を使った方が通りがよいのか、近年でも新種に名前を付ける時に「ムニン」「ボニン」を冠につける事が多いということです。
人が住んでいるのに無人島とはなんとも奇妙な話ですね。
— カメ・カメ・カメ —
さて、小港海岸を後にして、そろそろ街へ戻ろうと思います。
扇浦まで来た所で、下の看板を見つけました。
小笠原神社と、各種の碑が建立されているようです。
「開拓小笠原島之碑」と「小笠原島新はり乃記の碑」は両方とも英訳が「Ogasawarasima Colonization Monument」となっています。
両方とも「小笠原島の開拓(入植?)の碑」というニュアンスでしょうか?
しかし「新はり乃記」はなんて読むのか分かりません。。。
人の名前か?
何度も通っていたのに全然気づいていませんでした。。。w
折角なのでちょっと立ち寄ってみようと思います。
鳥居をく ぐって境内に入ると、ちょっとしたのぼりになっていて、上りきると小笠原神社です。
辺りは静謐な雰囲気で、心が引き締まったような気がします。
社の後ろにある碑が無人島発見の碑です。
ご挨拶をして、後ろを振り返ると、
銃眼。
そのすぐ脇には「トーチカ出入口」の看板が立った穴が。
ちょっと入ってみたい気もしましたが、原付には無理っすw
戻り道の途中、道が分岐している所があって、そっちに入ってみると、
藪の中に開拓小笠原島之碑と、
小笠原島新はり乃記の碑。
上の方で「人の名前か?」と書きましたが、碑の脇に設置された看板を見て意味が分かりました。
「にいはり(新治)」ですね。
「はり乃」って辺りが人の名前っぽい感じですが、新治とは開墾という意味なので、そういう意味ではひとつ上の開拓小笠原島の碑と意味合いは同じなんですね。
だから、看板の英文表記が同じだったんだ、と一人で納得。
まず、最初に日本が入植しましたと宣言するために立てたのが新はり乃記(新治の記)、その後、明治に入って、島を開拓して行く為の記念碑として設置されたものが開拓小笠原島之碑と言う事らしいです。
再び山を降りて扇浦海岸に戻ってきました。
ふと海岸を眺めると、シーカヤックのツアーの人たちかな?
外洋に出る前の訓練をしているようです。
バイクを走らせて、今度は、小笠原海洋センターを訪ねてみたいと思います。
海洋センターは、集落に一番近いトンネル、父島第一トンネルの脇の小道を進んだ所にある(または製氷海岸をまっすぐ行ってもよい)のですが、 肝心の遊歩道の入り口が分からない。。。
気がつくとトンネルに入ってしまい、通り過ぎてしまったようです。
仕方ないので、一旦トンネルを抜けて反対側の遊歩道の入り口を探すと、そっちの入り口はすぐに見つかりました。
しかし、バイクで乗り付けてはいけなさそうな感じだったので、エンジンを切って押し歩き。
てくてくバイクを押しながら汗だくになって歩いているのですが、なかなか建物の入り口が見えてこない。。。
向こうにトンネルの先の都道が見えてくる辺りでやっと入り口を発見。
結構遠回りしてしまった。。。orz
入館は無料。
早速中に入ってみると、建物の中はクジラとウミガメに関する展示がメインとなっています。
標本なども置かれていて、思っていたより展示物にボリュームがあります。
ゆっくりと見ようと思ったら1時間くらいは簡単につぶせそうです。
建物の奥の出口から再び外に出ると、ウミガメの飼育エリアとなります。
でかいのから、
ちっちゃいのまで、100匹以上はいるでしょうか。
複数のプールの中で思い思いに泳ぎまわっていました。
どいつもこいつも人慣れしているのか、手を差し出すとわらわらと寄ってきます。
エサでもくれると思っているのか、頭を伸ばして指に食らい付こうとして来ますが、カメに噛まれたら痛そうなので、寸前で指を引っ込めます。
ぐるっと一周してから、海洋センターを出て、今度は小笠原水産センターにやってきました。
水産センターはちょっとした水族館になっていて、昨日のツアーで一緒だった子の話では、中で飼われているアカバに歯ブラシを近づけると、歯を磨かせてくれるというのです。
これはぜひ体験したいと思って、やってきたのですが。。。
場内はうす暗くなっていて、いくつかの水槽にこじんまりと数匹の魚が泳いでいるのですが、
残念ながら、歯を磨かせてくれるというアカバはどこにも居ませんでした。。。
という訳で、魚の流し撮りの練習をしたりしてw、それほど見るべきものもなく、すぐに退場してきました。。。