東京水辺ライン - 3(2009/05/30)

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向こうの方にレンガ調の建物が見えます。
これが今日のメインイベント、荒川ロックゲートです。

ロックゲートについてまだ何も説明していませんでしたね。
冒頭の「~パナマ運河」のくだりで想像が付いた方もいるかとは思いますが、この水門は旧中川と荒川との合流する地点に設置された水門なのですが、意外なことにこの両河川は潮の干満などの影響で水位が異なっているんだそうです。

旧中川の流域はいわゆる「江東ゼロメートル地帯」と呼ばれている場所にあたり、そのままだと荒川の水がどんどん逆流して一帯が浸水してしまうため、両河川の水位を調整するために造られた施設です。

このロックゲートは、
1.荒川から旧中川に進入するときは、ロックゲートの旧中川側の水門を閉じ、船が進入したら荒川側の水門を閉じます。
2.閉じられた水門の中の水を旧中川と同じ水位になるまで荒川に排出します。
3.旧中川側の水門を開けて船が通過します。

という動きで水位を調整します。
逆のコースを辿る場合は逆の順序で水門を開閉します。
その様はさながらパナマ運河のようだと言うことです。

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さて、これから実際に進入するわけですが、現在、旧中川から荒川へ抜ける船が使用中、というので、水上バスは暫く水門の前で待機。

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その間に船室内にいた人たちがぞろぞろと出てきました。
さっきまでデッキ上には3人くらいしか居なかったのですが、いつの間にか20人以上の人でごった返しています。
どんだけ、みんなロックゲート好きなんだよ?

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5分位してゲートが開いて先に使っていた船がゲートを抜けると、こちら側のゲートの信号が青になって、今度は水上バスがゲートに進入します。
ゲートをくぐる時にゲートから垂れて来た水がかかって、軽くショック。。。Orz

船がゲートに納まると、後ろのゲートが閉まって、排水開始。
水位差は大きい時だと3メートル以上差が有るらしいのですが、今日は1メートルちょっとだそうです。

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排水している間、ゲート周囲の歩道にも通りかかった人達が興味深そうに水位が変わっていく様子を眺めています。

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10分くらいかけて徐々に排水をしていくので、デッキに立っている限り、船が下がっていく様子は実感できませんが、ちょっと間を空けて水位計を見ると、確実に水位が下がっている事が見て取れます。

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正面の掲示板に「あと○○m」と表示しているので、どのくらい下がっていくのかが分かります。

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こうやって比較すると、ずいぶん水位が下がったことが分かります。

水位が同じになったところで、旧中川側の水門が開きます。
完全に開ききったところで、船は旧中川に進入。例によって、ゲートを通過するときに垂れて来た水を再び浴びてしまいました。。。

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旧中川はそれまでいた荒川に比べるとか なり川幅が狭くなるので、急に手狭になった感じがあります。
陸から見たらそれ程でもないのかもしれませんが。。。
で、船はすぐ先の橋をくぐった所で向きを変えて、再びロックゲートへ。

また、逆の順番でゲートを通過し、(そして川 の水をしっかり浴びて・・・><)再び荒川に戻ってきました。

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ゲートを通過し終わると、それまでデッキにいた人たちがわらわらと船室に戻っていきました。

その時は世の中にはそんなにこのゲートに興味を持つ人たちが多いのかと、不思議に思ったのですが、家に戻って暫くしてからネットで調べ物をしている時にたまたま見つけた水門好きの人のサイト (っていうのも随分ニッチな興味を持ったものですw)で、当日この水上バスに乗ってゲートをくぐるイベントが催されていたみたいで原付はちょうどそれに乗り合わせていたようです。

人数的にもちょうど同じくらいの人たちだったように記憶しているのですが、水門好きの集まりならあの混雑も納得ですw

その後、船は淡々と荒川を遡り続け、途中平井の乗船場を過ぎたあたりで、係員がデッキに上がってきて、「(屋上)デッキが立ち入り禁止になるので、下に降りてください。」と言ってデッキで景色を見ていた原付夫妻も追い出されてしまいました。

全員が出たのを確認して、デッキへあがる階段に取り付けられたハッチを閉じてしまいました。

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何でだろうと疑問に思っていたら、堀切のちょっと先にある荒川から隅田川へ抜ける水路(旧綾瀬川だったと思います。。。)にかかる水門が船のサイズギリギリらしく、屋上デッキに人がいると通過できないので、締め出しが必要らしいです。

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果たして、隅田水門に差し掛かると、確かに船のサイズギリギリの水門で、「なにもこんなところを通らなくても。。。」 という感じです。

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そろりそろりと水門を抜けると、上は首都高の高架になっていて、急に見晴らしが悪くなります。

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でも、それもわずかで、すぐに隅田川へ合流となります。
隅田川に入ると、ぐるっと折り返すようにターンして、今度は隅田川を上流に向けて遡ります。

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ここまでくると、原付たちが乗船した千住の乗船場は目と鼻の先。
半日のツアーはまもなく終了です。

下船の準備をして船が乗船場に着くのを待ちます。

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で、無事到着。
お礼を言って下船し、船を見送った後、 寒くて凍えきってしまった体を温めるため、近所のファミレスに行って、遅いお昼ご飯。
腹が膨れた所で、今日のお出かけはおしまい。

天気はうす曇でしたが、幸い雨にも降られず無事に帰ってくることが出来てなかなか面白い旅行でした。
3000円で半日のコース。小さい子供たちにはもしかしたらちょっと退屈かもしれませんが、色々興味深いところを見て回ることが出来て結構お勧めです。

しいて言えば、週イチくらいのペースで運行してもらえるともっと利用しやすいのかな、と思うのですが。。。

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ちなみに、翌31日は昼間に夕立があって結構強い雨が降ったので、そういった意味でも30日の船に乗っておいて良かったな、と思いました。

(おわり)

Posted by gen_charly