とは言っても唐滝のように延々1時間山道を歩いて、などということはなく、ほんの5分ほどで滝が見えてくる。
滝の下がえぐれていて、そこに遊歩道が通されているので、その名が示す通り滝を裏側から鑑賞することができる。
こちらもまた水量が多く非常に見ごたえがあり、その点だけは雨に感謝だ。
滝の裏側に回って見たところ。
滝の裏をぐるりと一周して沢の対岸を少し歩くと程なく元の道に合流するが、そこから少し戻った所に小さな鳥居がある。為朝神社というらしい。
参道が玉石を積み重ねたかなり急な階段になっていて、上に石のお宮があるらしいのだが、石が濡れていて登ったら降りるのに往生しそうだ。
ここはひとつもっとも身軽なカミさんに特派員になっていただくことに。
暫くしてカミさんが戻ってきた。
身軽とはいえ、流石のカミさんもこの急傾斜は怖かったようで、腰を下ろしながらゆっくり降りてきた。確かにうっかり滑落したら下まで一気に落ちてしまいそうだ。
で、下山して撮ってきた写真を見せてくれた。
こんな感じだったらしい。木立に囲まれ玉石垣の中心に鎮座する石宮はなかなか良い雰囲気だが、行きは良い良い帰りは恐い、な感じだったのでじゃあお次は自分の目で・・・、とはならなかった。
さてようやくお風呂の時間だ。
裏見ヶ滝温泉は長野の白骨温泉のように階段を下りた先に簡易的な脱衣所と湯船がある。
脱衣所は男女で分かれていないが、中からカギがかけられるので不慮の事故は多分防げると思う。
既に結構な人数の先客がいて地元の人と思しき常連風のおじさんと、グループで旅行していると思われる若者が4人、それに若いカップルがいた。
少しずつ避けて貰って3人が入る場所を確保。
湯加減は丁度良く、塩化泉なのか少し塩辛い。
常連のおじさんたちは若者たちに何か話しかけている。若者たちはまぁまぁ受け答えしているのだが、カップルは彼氏が時折応答するものの彼女は愛想笑いを浮かべるだけで話には参加したくなさそう。
そんな様子を眺めていたら、また3人ほど若い女性のグループが入ってきた。
いやいや、目の保養じゃw・・・いや、目のやり場に困る。。。
それはさておき、やがておじさんは我々にも話しかけてきた。
一人特に陽気なおじさんがいて、ダウンタウンの松本みたいに話している最中に自分で笑ってしまうので、何を言いたいのかよくわからなかったが、要するに島に来た思い出作りにここにいるみんなで八丈ショメ節という民謡を歌いたいらしい。
この民謡は「ショメ~ショメ」という合いの手を入れるらしく、頻りに歌い方をレクチャーしているのだが、なかなかみんなに伝わらない。
あまり無視してはかわいそうかと思い、手拍子などをして合わせていたら、若者たちはターゲットが自分じゃなくなったのをいいことに、混んできたからと言ってそそくさと上がって行ってしまった。
ニコニコしているけど若干説教臭そうな雰囲気もあり、内心うっとおしかったのかもしれない。。。
それでショメ節の合唱はひとまずお預けになり、一同がほっとすると今度は我々に話しかけてきた。最初は出身地や今日見てきた所などを聞かれたり、八丈に対する郷土愛を語られたり、他愛のないやり取りをしていた。
そんなやり取りの中で、おじさんはこの温泉の管理人だということを知った。
少し前に何かの旅番組で温水洋一さんが来たと話していた。おじさんも一言しゃべったのだが、全部カットされたかもしれない、と笑う。
ちなみに、この旅番組は旅サラダという番組で、9月27日に放映されていた。偶然見ていたらおじさんが出ていて驚いた。
ちなみにおじさんが話した一言はちゃんとノーカットで放映されていた。
どうせならいろいろ聞いてみようと思ったのか、カミさんが黄八丈や八丈太鼓を体験するのにおすすめの施設を質問した。
「うちのおかみ(奥さん)が織物やってるからみて行くかい?」
と聞いてきた。
カミさんは、観光客相手ではないリアルな機織りの現場が見られるかもしれないと俄然目を輝かせる。って、おじさんも観光客相手の工房の関係者かもしれないぞ。。。
まぁそうだったとしてもナリユキっぽくて面白そうだけど。
・・・って今日の宿のチェックインが17時だったのすっかり忘れてた。。。時計を見るとすでに16時40分。ここからではどんなに急いでも40分くらいかかる距離なので、もはや間に合わない。これは機織りを見ている場合ではない、急いで戻らないと。。。
と言うことで後日また・・・と話すと、「大丈夫、大丈夫!そんなの問題ない!」と取り合ってくれない。
困ったな。。。
一旦風呂から上がり、ホテルへ電話すると夕食に間に合うためには遅くとも19時30分までにチェックインを済ませなければならないらしい。
流れ上おじさんの家で宴会になったりしたらどうしよう? 泊めてもらうかw
んーまぁ、それもまたなりゆきか・・・。
ということで、おじさんの後について行ってみることにした。