八丈島上陸【21】(2014/09/22)

藍ヶ江水産はあさぬまスーパーの手前の路地を入った先にあるのだが、宿のおばちゃんの話だと目印が少なくて、初めてだと分かりにくいという。

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カミさんたちが朝の散歩の時に見つけていてくれたので、迷わずたどり着くことが出来たが、倉庫然とした建物には大した看板も出ていないので、いきなり行ったら確かに容易に見つけられないかもしれない。
まぁ、道の反対側から来れば暖簾が見えるけど。

隣には伊豆諸島で勢力を伸ばしている数少ないチェーン店であるキャンドゥがあるが、ここも倉庫をそのまま店舗にした様な店構えで、ダイソーに比べてフレッシュでこじゃれたイメージで知られるキャンドゥのそれとはだいぶ隔たりがあって興味深い。

店内に入ると、うわさ通りかなりの客で賑わっていた。観光客よりも地元の人や工事関係者などが多い感じで穴場っぽい雰囲気だ。本業は干物屋とのことで、店内の一画で直売をやっていた。もちろんくさやも取り扱っていて、店内にほのかに香りが広がっている。

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店員が若いのか、天井にかけられたテレビからロックやポップスのアーティストのライブが流れていて、あまり落ち着いた雰囲気ではない。

3人でめいめい注文、暫くして料理が運ばれてきた。

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まず自分が注文した、地魚の漬け丼
白身魚の漬けが盛大に盛られ、味は関東の感覚でいえば比較的薄味だが、たくさん食べても飽きない味付けで、なかなか感動的だった。

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カミさんが注文したのが、魚屋のハンバーグという料理。
ん?こんな店で洋食!?いやいや、ハンバーグの正体は房総半島でよく食べられているサンガ焼きで、ムロアジをたたいて作ったものだそうだ。
昔アジが沢山釣れた時に自宅でも作ってみたことがあるのだが、つなぎの加減が悪かったのか火を通したらパサパサになってしまってあまりおいしくなかった。

そんな先入観があったのだが、流石プロの手にかかるとこれがちゃんとジューシーに仕上がるもので、スパイシーなソースとの絡みも抜群だった。

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そしてお義母さんが注文したのが、カサゴの干物だ・・・って、こんなでかいカサゴ初めて見たかも。。。
大きいだけじゃなく、脂もしっかり載っていて、ホッケやツボダイとも十分渡り合えるほどのうまさだった。

ところで、でかいお椀が付いているが、中にこんなものが入っていた。

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独特なフォルムで少し身構えてしまうが、カミさんが、これ食べれるんだよ!と横から口を出してきた。
え?これ食べれるの!?どこを??

聞くところによると、上半分のやすりのような感触の袋の部分を剥くと中にカニのような濃厚な味の身が入っているのだという。言われるがままに剥いてみると、、、

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中に入っていたのはこんなに小さな身。ともすればシジミよりも小さいかもしれない。。。
ところが、促されるままにこれを口に含んでみると、それは確かにカニの味だった。

なにこの美味い肉!?
名前はカメノテという貝の一種らしい。確かにリグガメの爪のようにも見える。
ちなみにこの貝、岩場に張り付いて自分で動き回ることが出来ないらしく、採りすぎると容易に全滅してしまうという非常にナーバスな生き物だ。

ちなみに注文時に、隣のテーブルであら煮を食べている人がいて、皿にこんもりと乗った巨大なカマにカミさんが興味をひかれていたのだが、売り切れでありつけず大層残念がっていた。

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午後は天気が良ければまだ登れていないもう一つの山、三原山に登ってみたいと思っていたのだが、雨こそ上がっているものの上空には雲が残っていて、昨日の八丈富士状態になりそうな気がする。他の見どころを見て時間つぶしをして様子を見てみることにした。

その見どころというのは、六日が原砂丘とよばれる場所で、詳細なガイドなどにしか載っていないレベルの穴場スポットらしい。樫立集落の海岸沿いにあるらしいのだが、入口を表す看板が小さくて通り過ぎてしまう。。。

都道から小道にそれてしばらく行くと「砂丘」と書かれた看板があり、そちらへ進む。
すると程なく舗装が途切れ砂利道になってしまった。

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道は一旦T字路に突き当り、砂丘へはここを右へ進むのだが、緩い傾斜で登る道はところどころ道がガレていてしかもすれ違いは絶対に不可、というかなりハードルの高そうな道だ。

まぁ、行ってみましょうか。。。

車内は一同ハードロックのコンサートのヘッドバンキング状態でかなり振り回されたが、あろうことか頂上が目前に控えたその時、まさかのスタック。。。
気合いで乗り切れないかと少し悪あがきをしてみたが車は全く進まず。とはいえここで乗り捨てるわけにもいかず、さっきのT字路まで鬼バックする羽目に。。。

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ほうほうの体で出発地点まで戻り、片隅に車を置いて歩いて登ることにした。
暫く歩いていくと視界が開け、伊豆大島の表砂漠のような真っ黒な火山灰で覆われた場所に出た。

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砂丘と名乗ってはいるが、急斜面にへばりつくように猫の額ほどの砂地が広がっているだけで、鳥取砂丘とかアラブの砂漠とかと言った砂漠のイメージは全くない。
稜線の向こうは数十メートルの崖になっていて太平洋に落ち込んでいる。

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段ボールをお尻に敷いて滑ったら、うまく行けば鳥人間みたいで楽しそうだが、試す程の物でもないw

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心もとない遊歩道が斜面の中ほどをヒョロヒョロと通っていて、強風時は立ち入り禁止というが、確かにこれでは危険極まりない。
行ける所まで行ってみたが、砂丘エリアの先はこれといった見どころがあるわけでもなく、道がぷっつりと途絶えていたのでそのまま戻って来た。

Posted by gen_charly