沖縄離島探訪【14】(2006/11/25)
朝食バイキング:
2006/11/25
日の出とともに起きたカミさんから声をかけられて目を覚ました。時間は6時過ぎ。今日はイベントないのになんでこんなに朝早く起きるのよ。
昨日の盛りだくさんのイベントで疲れていたせいか一向に目が開かない。そのまま再び眠りに落ちる。それからどのくらい経ったか分からないが、今度はベランダに鳥が止まってるよと言う声で再び起こされた。まだ眠いんだって。。。
写真に撮らない?と言うので、撮ってきてと返答したらちょっと不満そうな顔をしてカメラを手にベランダに出て行った。
それからちょっとして、撮れたよとカメラを持ってきてモニターを見せられた。モニターにはなんだか地味な鳥が写っていた。なんていう名前だろうね。それで少し会話したらようやく目が覚めてきた。
朝食はバイキング形式。貧乏性なので料理を漏れなく取らないとなんか損した気分になってしまうのだが、全部を盛り付けると大抵食べすぎになってしまう。もっと余裕のある大人になりたいものだ。
6日間に渡ってあちこち離島をめぐって回った今回の旅行もついに最終日。名残惜しすぎるが最終日であることは変えられない。
島を発つ飛行機が出るのは夕方。それまでおよそ1日久米島を観光して回ることにしよう。
今日の足となるレンタカーは店の人がここまで持ってきてくれることになっている。食事を済ませて部屋に戻り出発の支度をする。支度が済んだらチェックアウトだが、昨日のヤドカリをリリースしなければならないので、ちょっと早めにチェックアウトしてホテル前のビーチにリリースしに行った。
この月感はなんだ?
なぜかアポロ号の乗組員が月面を歩いている時の姿を想起させられた。あの人絶対ボンヨボンヨと跳ねながら歩いてるw
しかし綺麗なビーチだ。新婚旅行なんだからこういう所でのんびり過ごすような時間も必要だった気がする。あれこれ体験イベントを組み込んだのでそれなりにカミさんも楽しんでいたが、リゾート感は一切なかった。カミさんは満喫できているだろうか。。。
それはそうと考えてみたらヤドカリって磯にいる生き物だよな。こんなところに放流するのは間違いだったかも。。。
久米島島内観光(鳥の口、お化け坂):
ほどなくレンタカーが到着したので手続きをして車を受け取る。
今日はガイドブックを頼りに観光スポットを巡りながら島を一周することにしている。まずは鳥の口と呼ばれる観光スポットへ向かう。
鳥の口は久米島の南側に位置する。ガイドブックに指定された場所の近くに公園と駐車場があったのでそこに車を置いて遊歩道を歩く。
暫く歩いていくと視界が開けた。沖合には昨日上陸したはての浜が見える。だが肝心の鳥の口が一向に見つからない。ガイドマップに写真が掲載されていなかったので自分の目はそれを捉えているのかもしれないが、見えるのは岩と崖だけでどれがそれかが分からない。
自分の想像力が試される場面だが、貧相な発想力ではちょっと特定できなかった。そもそも遊歩道はまだ続きがあるのでもっと先にあるのかもしれない。
今日は今回の旅行で一番の陽気で、歩いていると汗ばんでくるほどだった。遊歩道はずっと山道を登ったり下ったりなので早速バテてしまった。どちらからともなく鳥の口はもういいよね、という一言が発せられて、結局見られない(特定できない)まま戻ってきてしまった。
次の目的地はおばけ坂と呼ばれる坂道。ボールを置くとボールが坂の上の方へ転がっていくらしい。
一部の界隈では心霊スポットだとかパワースポットだとか呼ばれたり呼ばれなかったりしているらしいが、まぁそういう類ではない。
道に大きな看板でおばけ坂と書かれているので迷わずに辿り着くことが出来た。
その場所は緩やかな坂道になっている。ここをボールが遡上していくのか。
「ボール持ってる?」
「持ってるわけないじゃん!」
「だよね。。。」
だが肝心のボールがない。持っている訳がない。何やってるんだろうね。どうにか坂道を登るように転がる様を見てみたいと思って車内を見回したらジュースの空き缶があった。これなら丸いから転がるかと思ってそっと道に置いてみたが微動だにしなかった。当たり前か。
事象の確認が出来ないので解説だけしておくと、要するに目の錯覚だ。下り坂の向こうに傾斜が異なる上り坂があるので、目の錯覚で今いる場所が上り坂のように見えるのだ。だが本当は下り坂なのでボールは重力に従い下方へと転がるわけだが、目の錯覚で上り坂に見えているので坂道を登るように転がって見える、と言うわけ。
ただしその傾斜は非常に緩いので、空き缶のようなものだと地面のアスファルトなどの小さな凸凹によって転がらない。つるつるの面をこしらえることが出来たら目視できたかもしれない。
ぶっちゃけ、ここは自分だけが興味を持った場所だった。カミさんは何の興味も示しておらずやや退屈そうだったので次に向かう。
久米島島内観光(ミーフガー、アンマーグスク、タチジャミ):
それでやって来た次なるスポットは島の北岸にあるミーフガーと呼ばれる場所。
海蝕洞が貫通したものだろうか。沖縄本島の斎場御嶽を彷彿とさせる、岩が斜めにもたれかかったような姿をしている。
空洞の背後は海で、ザッパザッパと波が洗っている。その形状から子宝にご利益がある、と言われているらしい。
記念撮影などを済ませて次へ。
次はタチジャミ(立神)と呼ばれる場所だ。
ここは駐車場から遊歩道を暫く歩く必要があるらしい。遊歩道か、鳥の口でゲンナリしたばかりなので、またああやって歩かされた挙句見つからないなんてなったら嫌だなと身構えたが、一応こちらはガイドブックにも写真が掲載されているので見つからないことはないだろう。とりあえずその遊歩道を海岸の方へと進んでみた。
遊歩道は海岸に沿って少し高い所に続いている。やっぱりアップダウンがあるのでちょっとうんざりする。
その途中アンマーグスク(天宮城)と呼ばれる岩が見えた。柱状節理が良く発達した一枚岩になっている。柱状節理のあるところは大抵火山がある。と言うことはこの島も火山島か。現在は久米島に火山は存在しないが死火山のようなものがあるのかもしれない。
アンマーグスクを眺めながら小休止して息を整えてから再び遊歩道を行く。この先は道が上り坂になりだんだんとバテて来るが、一向にタチジャミが見えてこない。
更に5分ばかり進んだらちょっとした峠を越えて道が下り坂になった。見晴らしがよくなったら視界の先に妙な形の岩が見えてきた。
あれがタチジャミか?ガイドブックには屏風のように薄く切り立った岩がそそり立つ神秘的な写真が掲載されていて、それとは似ても似つかぬ形状だが、平たい所にニョキっと生えている岩はこれしかなさそうだ。
タチジャミは漢字で書くと立ち神だ。自分はきっと横から見ているのだろう。ここから見ると幅広だが、多分奥行きはなくもっと先まで進んで岩を回り込めば写真のような薄い岩がそそり立っているように見えるはず。
だが、そこまではまだもう暫く歩かなければならなさそうだ。もうすっかりバテてしまい帰り道を考えただけでウンザリ。あそこまで進んで確認しようという気力は残っていなかった。これがタチジャミでいいんじゃないかな。この岩が自分らにとってのタチジャミと言うことにしてここで折り返してきた。
今度は遊歩道を延々と戻る。車のあるところまで戻ってきた時にはヘトヘトになってしまった。といっても歩いた距離はせいぜい2キロくらいだと思う。いくらなんでもバテすぎている。流石に旅の疲れ蓄積しているのだろうか。
更に先まで歩いて行くと具志川城跡や宇江城跡などの史跡が点在しているのだが、もう気力がなかったので行かずじまいだった。
ここから一旦イーフビーチの方へ戻る。
その途中比屋定(ひやじょう)バンダを少し過ぎた辺りに見晴らしのよい所があった。この辺りは真泊という集落らしい。その奥の方にはオー島が見える。今向かっているのはそのオー島である。
久米島島内観光(畳石、久米島ウミガメ館):
イーフビーチの手前でオー島へと渡る。オー島は昨日バーデハウスを訪ねる際に一度上陸している。
バーデハウス訪問は夜だったので立ち寄れなかったのだが、すぐ近くの海岸に畳石と呼ばれる見所がある。
これが畳石だ。ご覧のとおり平らな地面に幾何学的な溝が掘られている。
ここもいわゆる柱状節理である。この柱状節理がもっと背の高いものだったら、高千穂峡のような感じに見えるのだろう。柱状節理の断面を見ているような感じだろうか。
岩の上へ降りることも出来るようになっていたが、降りてみたらまぁ滑るのなんって。
この畳石からすぐの所、というかバーデハウスに隣接するようにウミガメ館と言う施設がある。
ウミガメ館は絶滅の危機に瀕しているウミガメを保護、繁殖するための施設で展示も行っている。
入館料を払って中に入ると大きな水槽の中を優雅にウミガメが泳ぎ回っていた。我々は5日前にこれを食べている。店が出してきたのだから(注文したのは自分だが)食用が禁止されていることはないと思うが、絶滅の危機に瀕している生き物を食べて本当に良かったのだろうか。何とも言えない気持ちになる。
2階は子ガメが泳ぐ水槽が並んでいた。水槽は腰の高さになっているので上から水槽の様子を眺めることが出来る。ある程度育ったカメが入れられているらしく元気に泳ぎ回っていた。ただ元気が良すぎて時折空を切ったヒレが水面を叩いてそのしぶきが飛んでくる。
一緒に見て回っていたカミさんが、疲れたと漏らして水槽脇のベンチに腰掛けた。1,2分して再びカミさんの方を向いたら居眠りしていた。こんなちょっとした時間で入眠しちゃうなんて、、、自分以上に疲れているのかも。とりあえず少しそっとしておくことに。
その間に館内をぐるっと見て回った。10分ほどで一旦戻ったらまだ眠っていたので起こして退館。
久米島島内観光(ガラサー山):
ウミガメ館を見終えて時計を見ると14時ちょっと前だった。今日は16時前の飛行機に乗ることになっているので、そろそろ今回の旅も締めくくりだ。ぼちぼち空港の方へ向かいつつまだチェックできていない島の南側の見どころを見に行ってみよう。
兼城という集落からほど近いところにあるガラサー山に来た。ガラサーは島の言葉でカラスを指す言葉だ。正式名称は精川島(せいがわじま)と言うそうだ。
この写真を見て何が見所かもうお分かりだろう。右側に煙突のように突き出た岩がそれだ。この岩は男岩とも呼ばれ少し前に見てきたミーフガーと対をなした存在となっている。
こうしたこけし状の岩は貫入したマグマだったりすることが多いが、この島のはちょっと様子が違う感じがする。ただし由来などは不明。
島の南側は、海岸線の向こうにリーフエッジに沿った陸地が伸びている。地図で見ると象の鼻のような不思議な形状になっている。
写真に見える一頻り盛り上がっている陸地は、一着島と言う名前が付いている。ああいう所に渡る機会はあるだろうか。
ぼちぼち飛行機の時間が近づいてきた。レンタカーを返却して空港へ向かわねば。
店はここからすぐ近くにある。無事返却を済ませてそこから空港まで送って貰った。