鋸山に登ろう【2】(2021/01/16)
で、食べ終わったら、また歩く。
来た道を戻り、途中の一つ目の分岐を右に進むと鋸山の山頂に行けるが、山頂からの景色はさほど良くないらしい。
しかもその先は別の山へ行ってしまうので、また来た道を戻ってこないとならない。頂上を極める、という目的以外にあまり行く意味がなさそうだったので、そっちはパスさせてもらった。
二つ目の分岐を登ってきた道とは反対の方向に進むと、別の石切り場の跡がある。
そこへ行く途中の切通しが、よく鋸山の風景として使われることの多い、その名も「切通し跡」。
ゲームだったら、敵がわんさか出てくるところだ。
ここを通り抜けると、
巨大な石切り場の跡が見えてくる。
ここは「観音洞窟」と名付けられている。
近づくと、石切り場はくぼんでいて、10mくらい下の方まで掘り進められている。
よく見ると、壁にお地蔵さんが掘られているのが見える。
こうして安全を願ったのだろう。
底には水が溜まっている。さほど深い感じではないが、鯉が泳いでいた。
水量はあまり増減している感じではない。流れ込んだ分が、どこかに流れ出しているのだろうか。
そこから上を眺めるとこんな感じである。何か落ちてくるのではないかと、ソワソワした気持ちになる。。。
よく吹抜構造のビルがあるが、そんな風にも見える。だが、天井がこんなに高いビルはそうそうないだろう。
ありそうでいてあまり見かけない光景である。
さて、そこからさらにもうひとしきり進むと、また分岐がある。そこを左の方に進んでいくと見えてくるのが「岩舞台」と呼ばれる場所。
ここは入口がちょっとした通路状になっていて、何となく人んちの前を歩いているっぽい感じがするが、周りが石ばかりという違和感も同時に感じる。なんか不思議な感覚である。
その通路を抜けると、
岩舞台である。
ここは地質が良かったのか、素直に掘り進んだ感じで、吹抜洞窟や観音洞窟のようなトリッキーさや不安定な感じはない。
手前側には加工施設があったのか、広いスペースもある。
ここでライブをやったら遠くまで聞こえそうである。
まぁ、機材を持ってここまで上がるのはかなり大変だと思うが。。。
壁には「安全第一(第は略字)」と大きく彫られている。
広い客席のある舞台ではあるが、絶壁が高すぎて目いっぱい下がっても普通のカメラでは全容を収めることが出来ない。
そこで、パノラマの登場である。
今回は珍しく縦パノラマである。スケールの大きさが伝わるだろうか。
正面や脇に見える一段高いところは階段がついていて登ることが出来る。
登ると、かつて使われていた機材が朽ち果てた状態で放置されていた。
登れるところまで登ったところから見た景色。結構高い。
例の安全第一のすぐ横まで登れる。
操業中にこんなポーズしたら、親方に怒鳴られそうだがw
で、ここからさらに進むと、日本寺の方に進むことが出来る。有名な地獄のぞきもそっちの方にあるのだが、寺の敷地に入るところで拝観料がかかってしまうので今回はパス。まぁ、絶景は東京湾を望む展望台で堪能したから充分だ。
数年前、ロープウェイで登ってきて、降りたとたんに、だっこーと言って歩こうとしなかったチビが、麓から自分の足でここまでやってきた。日々成長しているんだな、と感心する。
ということで、見どころは一通り見終わったので下山を開始する。
こちらからだと「関東ふれあいの道」の方が近いので、そこを通って下山しよう。
ひとしきり下ったところにちょっとした広場があったので、そこで小休止。
筑波山以来、チビ的には山でコーンポタージュを食べるブームが来ているらしく今回も持参した。
流石に弁当を持参して、更にガスコンロも持ってくるのは邪魔だったので、水筒にお湯を入れて持ってきた。
大人はコーヒーで一服。
ふと、背後に何か見えたのでちょっと覗きに行ってみたらこんなものがあった。
「樋道跡」と呼ばれるものだそうだ。
切り出した石を、ここを滑らせて麓まで降ろしたそうだ。
脇に階段がしつらえてある。石を降ろす際にスピードをコントロールするための人が石と並走しながらここを上り下りしていたという。
写真だとわかりづらいが、ここ、とんでもない急傾斜である。角度は40度以上あるような気がする。
石で作った樋の上に石を滑らせるのだから容易には滑っていかないとは思うが、こんな傾斜である。うっかり勢いがついてしまったら、コントロールも命がけだったのではないかと思う。
まして、横の階段も決して足場の良さそうなものではない。足を踏み外したら麓まで容易に滑落しそうだ。
まぁ、自分の感覚でいえば、の話なので、本職にしていた人たちはまた違うのかもしれないが。
後日、地元の駅の階段を2段抜かししながら通行人を鮮やかに避けて颯爽と駆け下っていく人を見た時にそう思った。
コーンポタージュとおやつでチビも元気を取り戻したようなので、再び下山開始。
ひたすら下る。
筑波山のような、チビを抱えないと降りられないような急傾斜がないのが幸い。
尾根伝いに進む道なので、車力道と比べるとこちらの方が見晴らしがよい場所が多い。
唐突に階段の登りがあったりするので気が抜けないが。。。
と、登山道の脇に木に小屋が建てられているのが見えた。監視小屋だろうか?
丁度降りていく道があったので、見に行ってみることに。