静岡・山梨の鉄道巡り【2】(2008/08/10)
岳南鉄道は東海道線の吉原から9キロほどの区間を運行するミニ私鉄である。
元々富士市内に多く存在する製紙工場からの製品を運ぶ貨物輸送がメインの路線だったため、車両についてはあまり興味深いものがなく、訪問が後回しになっていたのだ。
まずは車庫がある岳南富士岡駅に行ってみた。
車両は2種類。どちらも京王井の頭線を走っていた3000系を譲受したものだ。
まずは7000形。
1両で走行できるように反対側にも運転台が設けられている。あまり手入れが良くないのか、車両が薄汚れている。
前面窓が回り込んでいないところを見ると初期の車両を譲り受けているようだ。
次に8000形。
こちらは2両編成でラッシュ時用として使われているため普段はホームで昼寝している。
岳南鉄道の車両はこの2種類である。
何となく終点がどうなっているのか見てみたいな、と思い岳南江尾駅にも行ってみたのだが、こちらもなかなか凄い駅だった。
分かるだろうか、このクラシックさ加減が。
駅舎も非常に味わい深いが駅名標の漢字がまた古い。物を大事にする鉄道会社なんだろうなと思った。
ちなみに後日、職場の富士市に住んでいる役員とタバコミュニケーションしていた折に、岳南鉄道を見に行ったという話をしたところ、住まいの最寄り駅がまさしく自分が訪ねて来た岳南富士岡駅だったそうだ。
なんだよ、来たんだったら声かけてくれればよかったのに、なんて言われたが、最寄り駅なんて知らないし電話番号も知らないし。。。まぁ、そういう社交辞令もあるということで。
ちなみにその役員、富士市からの通勤となるので新幹線通勤が認められていた。だが酒飲みで都内で飲酒し終電間際に新幹線に乗ったりすると、寝過ごしてしょっちゅう新大阪まで流されてしまう憎めない人だった。
それはさておき。
岳南鉄道はとりあえず押さえられたので、あともう一か所くらいどこか見に行きたい。ここから最寄りの私鉄と言えば富士急行か。
富士急行もまだ撮影できていない車両があるので、行ってみることにした。
とりあえず向かったのは河口湖駅。
ホームにフジサン特急が停まっていた。
言うまでもなく、元JRのパノラマエクスプレスアルプスである。久々の再会だ。
パノラマエクスプレスアルプスは6両編成だったが、3両編成の列車を2本繋げた形になっていて、中間に連結される側の先頭車は元の車両を小改造した程度になっていた。
だが、分割して使用されることがなかったので、その先頭車は普段まずお目にかかることが出来なかった。
だが、富士急行では3両編成で運転されるため、車両が分割されて普段見ることが出来ない側の先頭車もじっくりと見ることができた。
ご覧のとおり普通の先頭車両なのでこちら側に乗車しても前面展望を楽しむことは出来ない。会社のウェブサイトにも展望車両じゃない方が先頭になる場合があります、的な注釈を入れていた(気がする)。
折り返し待ちで車内も入れたのでちょこっと見学。
こんな風に個室が設けられていたり、
ラウンジも設けられていた。
パノラマエクスプレスアルプス時代は、座席指定券で座席を確保したうえで、これらの座席は自由に使っていいことになっていた。
でも高々数時間しか乗らない列車で、あちこち移動して談笑に花を咲かせるグループなど鉄道好きの面々でもなければまずいない気がする。談笑を目的とするようなグループなら自席に腰掛けたらそのまま終点まで移動せずにくっちゃべっているのではないだろうか。
逆に景色を見たくてわざわざこの電車に乗車する人は、ほぼ全員先頭車からの前面展望を得たくて乗っている人だと思う。当然運よく展望席が確保出来たらまず移動しないはず。当時のジョイフルトレイン全般に言えることだが、どうにもコンセプトが先行しすぎている印象だ。
前面展望と言えば関東では小田急のロマンスカーである。車両の一番最前列で景色を見ながら走る列車なんてそうそうないので、自分の中ではロマンスカーが特急電車界のスターだった。
そしたらJRもやりおった、と言うのがこの車両が登場した当時の印象である。が、ジョイフルトレインなので定期的なダイヤが組まれていない。見られるかどうかは半ば運次第だったのでなかなか縁遠い存在だった。
それでも見てみたくて、三鷹電車区に見学を申し込んで見に行った事もあった。念願かなって乗車を果たしたのは1991年のことだった。
で、何の話しだっけw・・・そうだ、パノラマだ。上記リンク先の記事では展望席の写真を撮影していなかったので、今回撮影してきた。
こんな具合にリクライニングしない座席が並んでいてる。居座らないようにという思惑があったのかもしれない。でも居座るよな。
最後に、駅前に保存展示されていたモ1形車両を撮影して今回のドライブはお開き。