千住界隈(2009/07/11)

2009年の7月に皆既日食を観測するために奄美大島まで行ってきたのだが、その旅行に先立ち職場の同僚と旅の話をしていたら、一眼レフ貸すから写真撮って来てよ、と頼まれた。

借りたカメラはニコンのD70というデジタル一眼だった。こんな高級機を扱うのは初めてなので壊してしまわないか不安だった。その不安もそうだが、そもそもカメラを使いこなせるのだろうかという不安もあった。現地に行って使い方にまごついて日食の決定的瞬間を取り逃した、なんてことになったら何を言われるか分からない。旅行に出る前に多少は使いこなせるようにしておかないとならないと思い、カメラのマニュアルを首ったけになって読み込んだ。

でも読んだだけでは使いこなせる気がしない。そこで使い慣らすために近所に鉄道写真を撮りに行って練習することにした。

 


2009/07/11

まず最初にやってきたのは荒川の河川敷。堀切橋という橋に並行して京成線の荒川鉄橋がある。そこから橋を渡る車両の撮影にチャレンジしてみることにした。

20090711_143508

まずは新3000形。天気が微妙だがあまり良くない天気でもしっかり鮮明に映る。これまでのカシオのデジカメと比べたら色の繊細さが段違いである。デジカメなんてどれもあまり変わらないものだと思っていたが、これほどまでに違うとは。。。やはり高いものは高いだけあるんだな。

20090711_144139

次が3500形の更新型。タイミングは割とバッチリだと思うが架線柱が邪魔だ。もう少し引いたところでカメラを構えた方がよかったかもしれない。

撮影していたら雨が降ってきそうな気配があったので、ちょっと場所を変えることにした。
向かった先は綾瀬。北綾瀬へ向かう車両に5000系のアルミ車が割り当てられているのでそれを写しに行ってみることに。

20090711_151339

ということで千代田線北綾瀬支線用5000系アルミ車。この車両は以前はスカイブルーの帯を巻いて東西線を走っていたのだが、東西線に05系が増備されるのに従い、5000系が徐々に追いやられてついには一掃されてしまった。その中でアルミ車体の編成のみ短編成化のうえ、北綾瀬で第二の人生を歩むことになったという訳だ。

こうしてみると緑の帯もなかなか合っていると思う。

 

それから北千住を経由してやってきたのが東武伊勢崎線の小菅。狙って小菅に来たわけではなく、列車に乗りながら写真の撮りやすそうな駅で降りようと思ったら、次の小菅で既にいい感じだったので下車してみた次第。
ここは複々線になっていて、東武の各種車両のみならず、東急、東京メトロ日比谷線、半蔵門線、と多種多様な車両がやって来る。

20090711_155527

まず最初は東武の50000系。東武は車両が多数在籍している会社なので、10000系以降形式番号がインフレしまくっている。

20090711_155907

次が東武8000系。ザ・東武の車両であるが、最近は銀色の新型車の増備が進んで徐々に活躍の幅を狭められている。
ノスタルジックな車両ではあるのだが、東上線沿線に住んでいた頃は大抵これだったので、もう食傷気味である。夏は冷房が弱くて暑く冬は暖房が弱くて寒い、そのうえ座席が狭くて大人の男が並んで座ったら誰かは背もたれに背中が付けられなくなるほど窮屈な電車で、あまり良い印象がない。

20090711_160002

次は東武350系。急行用だった1800系を改造して短編成化したものだ。なかなか凛々しい表情をしている。1800系は実はロクな写真が撮れていない。なぜかいつも失敗してしまうのだった。。。
暫く鉄道から離れている間に全て300系・350系に改造されてしまったので、あの赤い急行電車はもう見られなくなってしまった。

20090711_160026

東武20000系。日比谷線直通用に2000系の後釜としてデビューした車両である。駅のホームに停車しているところを撮影してみたのだが、上を通る高速道路があるせいか意図せず広角レンズで撮影したような構図になった。

20090711_160055

それから東京メトロ03系。この車両もいつの間にか過去帳入りである。当時は混雑時に列車の乗り降りを少しでもスムーズにするために5扉の車両が連結されていた。扉を多くした分座席が少なく、通勤時にこれが来るとがっかりするのだった。

20090711_160454

東急8500系。田園都市線から半蔵門線を経由してここまでやって来る。が、個人的にはこれもあまり好きな電車ではない。というのも半蔵門線の8000系の写真を撮ろうと思って遠路はるばる埼玉から出張って来たのに、大抵やってくるのがこれだったからだ。東京メトロの8000系と比べると無機質で不愛想な感じがして、撮影していてワクワクしないのだ。。。

20090711_160605

で、こちらが東京メトロ8000系。今となっては古臭さを感じるデザインになって来ているが、デビュー当時はすごく斬新な電車だった。

20090711_161151

すこしピンボケになってしまったが、東武6050系、、、ではなく会津鉄道所有の6050系。会津鉄道所有車は車両番号が5桁になっている。6050系はかつて存在した6000系電車を車体更新したものだが、会津鉄道および野岩鉄道所有の車両については完全に新造されている。これらの車両も間もなく過去帳入りしそうだ。

6050系と言えば、自分が職場から帰宅する際に曳舟から乗る区間快速列車としてこの形式がやってくることがあった。地元の駅まで僅か数駅だがテーブルが供えられたクロスシート車から眺める車窓はいつもと一味違ってたまらないものだった。

20090711_161455

続いて東急5000系。ようやく田園都市線にも新型車が入った。と言ってもJRの209系の先頭部分を取り換えただけなのであまり新鮮味はない。

20090711_161035

そして100系スペーシア。この車両がデビューした当時はなんか野暮ったいデザインだな、と思ったものだが、目が慣れてきたのか近年このカッコよさが分かるようになってきた気がする。時代性を反映して車両には個室車両が連結されている。

最近(2023年)に後継となるN100系がデビューしたので徐々に交代が進んでいくものと思われる。まだ世代交代には早くないか?なんて思っていたが、もうデビューして35年近く経つ車両だ。先代の1720系DRCの時は古臭い車両をいつまで使っているんだろうか、なんて思っていたが、あれですら30年で世代交代が完了している。時の移ろいが早くて嫌になってしまう。

20090711_162715

30000系。10000系に続く通勤電車の主要車両となる筈だったが、50000系が作られたため今ひとつ影の薄い車両となってしまった。

20090711_163126

東武200系。1800系の後継として製作された車両。1720系DRCの部品を再利用して製作されたグループもある。東武は自社にローカル線も抱えているせいか、車両は割とギリギリまでしゃぶりつくす傾向がある。なので東武車両のお下がりは地方のローカル鉄道ではあまり見かけない。

 

という訳で小菅駅編はこれで終了。やはりなかなかの撮れ高があった。
帰りがけ、買い物するために南千住で途中下車した。そこでもほんの少しだけ列車ハント。

20090711_181009

E653系フレッシュひたち。この列車もいつの間にか新潟に転進して常磐線では見ることが出来なくなった。

20090711_181447

そして651系スーパーひたち。常磐線は東北本線を陰で支える路線と言った印象であまりぱっとしない印象だったが、この車両がデビューして常磐線に配置された時にはちょっとびっくりしたものだ。それまでの特急列車とは違う上質な設えの名車である。それを東北本線ではなく常磐線に配置したというのが凄く意外に感じられたのだ。
シックな印象で今だ古さを感じさせない車両だがこの形式も既に消滅している。

 

という訳で、カメラの性能の凄さを十分に堪能して帰宅した。自分みたいな素人でもこれだけ綺麗な写真が撮れるのなら自分も欲しいなと思った。思うだけで買えないんだけど。

Posted by gen_charly