ギリギリ北海道【1】(2003/09/12~09/14)

これまで北海道旅行系のエントリに度々登場しているS君がめでたく結婚することとなり、ぜひ参列してほしい、とお声がかかった。
並々ならぬお世話になっている人なので、ぜひ参列したいところだが、北海道かぁ。

何の気なしにその話をカミさんにしたら、私も北海道行きたいなぁ、と言う。
当時はまだお付き合いを初めて数か月だったので、連れて行ってもいいものかちょっと考えたが、まぁ、一緒に行って観光してくるのも悪くないな、と思い、2人で結婚式に参列の上、北海道の地をドライブすることになった。

ドライブで北海道を回るのだから、車が必要。現地でレンタカーを借りてもよいのだが、飛行機で飛んで、宿に泊まって、レンタカーを借りて、と言うのは当時の自分には負担が大きかったので、できれば自分の車で行きたい。そうなると2人で車中泊の旅行と言うことになるわけだが、自分はいいけどカミさんはどうだろうか。

そんな話をしたらカミさんは二つ返事でOKとのことだった。


S君の結婚式は9月13日。仕事のスケジュールとにらめっこして、9月12日から3日間休暇を取得できたので、土日をはさんだ9月16日までの計5日間を確保した。
往復の移動など諸々考慮すると、12日、14日、15日が観光の時間と言うことになる。

その2日間でどこへ行くか。とりあえず、カミさんは初めての北海道なので行き先はどこでもよいとのこと。
自分はこれまで何度か行っているので、まだ行ったことがない所に行ってみたいと思ったのだが、未訪となっている道北、道東方面へ行ってしまうと他の場所へ行きづらくなる。カミさんにとって初めての訪問なのだから、あれこれ見たいだろうと考え、1999年に旅したルートとほぼ同じようなところを回ってくることにした。

行きは青森まで高速を走って、フェリーで函館へ上陸、帰りは道内の港から関東までフェリーで一気に戻る、と言うのも99年旅行と同様だが、今回は最後にカミさんを自宅に送り届けなければならない都合上、乗るフェリーを前回の小樽-新潟ルートではなく、苫小牧-大洗ルートで選択したのが大きな違いである。

ざっくりいうと、
9月11日 ・・・ 夜出発
9月12日 ・・・ 函館観光
9月13日 ・・・ 結婚式参列
9月14日 ・・・ 網走方面へ向けて観光
9月15日 ・・・ 苫小牧へ向けて移動
9月16日 ・・・ フェリーで帰還

という計画である。


ということで、来る11日。19時ころに帰宅し出発する予定だったが、仕事が押して22時前になってようやく帰宅。
準備は予め済ませてあったので、その足ですぐ出発。



2003/09/12

明日の函館行きのフェリーは早朝5時過ぎに出発する第一便を予約している。ぶっちゃけもうあまり余裕がない。。。
休憩もそこそこにひたすら東北道を走り通して、なんとか出港20分前に港に到着。あぶねー。

慌ただしく乗船手続きを済ませ、どうにか出港に間に合った。ここから函館まで4時間の船旅だが、もちろん寝て過ごした。


無事間に合ったからいいようなものの、出だしからこんなに慌ただしくなるとは思わなかった。。。
今回の旅行は全体的にタイトなスケジュール感の中での行動となってしまい、あまり落ち着いた気持ちで北海道を楽しむことが出来なかった。

なので、エントリのタイトルが「ギリギリ北海道」である。まぁ、どんな風に慌ただしかったかは、エントリを読み進めてほしい。


箱館ハイカラ號:


ひと眠りしているうちに函館に到着。上にざっくりとした計画を記載したが、実はまだ細かい予定が決められていなかった。
移動中にカミさんにガイドブックを渡して、行きたいところをチェックしてもらったところ、函館ではまず朝市に行ってみたい、と言う。

朝市かぁ、悪くはないが時間は既に9時を回っていて、朝市と言う時間でもない気もしたが、とりあえず函館駅裏の朝市に行ってみた。
通りに面した店は開いていて、通りかかった観光客に向けてしきりに声をかけているが、奥の方の店はあらかた終わっている感じだ。

通りに面した店で売られているものは観光客向けで、値段にもお手頃感はあまりない。なので見て回るだけ。とは言っても、折角朝市に来て見学だけで終わらせるのも何なので、何か食べて行こうと言うことになった。適当に見つけた店に入り海鮮丼(だったかな?)を食べた。

ただ、なんか期待していたものは違った。まぁ、そんなものなのかな。。。


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朝市を見終えて駅前に戻ってくると、丁度市電乗り場に箱館ハイカラ號 というレトロな車両がやってくるのが見えた。
これまでカミさんには自分が鉄道好きと言うことはあまり話していなかったのだが、目の前にこんなレトロ電車がやってきているのにみすみす見逃すのも惜しい。ということでカミさんにあれ乗って見ない?とさりげない感じで聞いてみたら、乗ってみたい!と即答だった。お、分かるねキミィ。

よし、じゃあ乗りに行こう。


この電車は車輪が4つしかない2軸単車と呼ばれるタイプの電車だ。こんにちのほぼ全ての鉄道車両は1両あたり車輪が8個付いている。4個1セットの物が前後に2つで計8個。
2軸単車は大正ぐらいまでの路面電車などで採用される例があったが、その構造故乗り心地があまりよくないとか、車体を大きくできない、といったデメリットがあり、その後廃れてしまった。

この電車は見た目は綺麗に整備されているが、製造はなんと明治43年。もう90歳以上のおじいちゃんだ。昭和初期まで客を乗せて函館の街を走っていた車両で、そこいらのレトロ「風」とは格が違う。

車両はオープンデッキと呼ばれる設計になっていて、運転席は室外にある。冬の函館で外気にさらされさながら運転していた運転手さんの苦労がしのばれる。

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電車は谷地頭行きで、折角なので終点まで乗った。と言っても谷地頭に用事はないので、終点まで行ったらそのまま折り返して函館まで戻ってきた。
30分あまりただ電車に揺られるだけなので、カミさんは退屈しているのではないか、と不安になったが、聞いてみるとレトロ物が好きなので興奮した、とのことで一安心。


五稜郭とラッキーピエロとハセストと:


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函館と言えば五稜郭だが、自分もカミさんもあまり興味がなかった。とはいえ函館に来て五稜郭に行かないのも何かな、と思い、折衷案として五稜郭タワーに登って上空から眺めてお茶を濁す事に。99年の旅行の時もそうだった気がするが考えないことにするw

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展望台から、五稜郭の特徴的な星型になった濠と敷地が一望できる。幕末から明治維新辺りにかけての激動の時代にもっと興味が持てればこうした建物も楽しめるのだと思うが、なんかあの辺の時代は色々ありすぎて、登場人物も多いので、イマイチ覚えきれない。

登場人物が多いと途端に興味がなくなるのは昔からの悪い癖だ。キン肉マンもドラゴンボールもあまり興味が湧かない子供だったのだから筋金入りである。。。


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所詮花より団子ということで、カミさんからここから程近い所に、ラッキーピエロという店があるという情報がもたらされた。なんでもGLAYが函館にいたころに行きつけだった店らしい。

それなら行ってみよう、ということで来てみると、平日にもかかわらずとても賑わっている。
何を食べようかと相談した結果、暑いしソフトクリームでも食べようか、と言って2つ注文。味は普通にうまかった。

だが、後で改めて調べてみたら、ここのおススメはハンバーガーだったらしい。よく見ると上の写真のロゴにも「HAMBURGER」と書かれているではないかw

GLAYはファンと言うほど好きなグループでもなかったので、何も考えずに来てしまった。そのせいか店内の様子なんかも全く記憶がない。もしかしたらメンバーの写真とかサイン色紙なんかが飾られていたのかもしれず、折角来たのに惜しいことをしたかもしれない。


そうこうしているうちに夕方になった。夕食をどうするか、と言う話になり、S君に函館のお勧めを聞いてみた。
暫くして返ってきた返事に、ハセスト(ハセガワストア)の焼き鳥弁当はうまいよー、と書かれていたので、それを食べてみることにした。

店は一昔前のコンビニエンスストアのような雰囲気で、最近の大手コンビニではもはや味わうことのできない懐かしい感じがした。
店内の真ん中にレジがあり、その辺りから焼き鳥のいいニオイが漂っている。

そのニオイに食欲を刺激され、店内の散策もほどほどに2個注文。注文を受けてから焼き始めるスタイルで、ご飯がよそられた弁当箱の上に焼き上がった焼き鳥が乗せられた状態で渡された。そうきたか。

それをそのまま車の中で食す。
写真に撮っておらず恐縮だが、お弁当はご飯の上に海苔が敷かれて、その上にねぎまの焼き鳥(と言っても、肉は鶏ではなく豚)が串に刺さってたままの状態で2本乗っている。串から外されていればどんぶり飯のようにがっつけるが、串に刺さったままなので、ご飯と焼き鳥、みたいな食べ方になる。

それもどうかな、と思ったので、途中で串から外して食べてみたら、焼き鳥丼になった。
焼き鳥は塩だれでなかなかの美味しさだったが、ちょっと味が濃かった。


函館山:


食後は函館山に100万ドルの夜景を見にいくことにした。ただ日が暮れるまでにもう少し時間があったので、先に風呂を済ませることになった。
前回は山の麓の谷地頭という場所にある市営の温泉に入った。なかなかいい湯だったので今回もそこで、と思ったのだが、行ってみたらお休みだった。
仕方ないのでナビで周辺の温泉を検索したら、湯宝という温泉が出てきた。お湯がいいらしい、ということだったので、そこへ行くことにした。土地勘がないので、いいんじゃない、とか言いながら走り出したが、湯宝は市街地を挟んだ反対側、函館空港の近くにある施設だった。

結果、往復にかなりの時間を要してしまったが、お湯は良かったのでまぁ良しとしよう。


風呂から上がって函館山に向かう。すっかり日が暮れて夜景を見るのにいい時間になってきた。
麓の駐車場に車を置いて、ロープウェーで山頂へ。

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函館は本土と函館山の間の細まった陸地の部分に市街地が展開している。夜に見ると陸と海のコントラストがくっきりし、まるで宝石を散らしたような絶景となる。

カミさんは初めて自らの目で見る夜景に感動していた。連れてきてよかった。
うっとりと景色を見続けていたが、北海道の9月はもう秋が深まり始めている。日が暮れると気温がぐんと下がり、昼間の格好のままでいると寒さで泣きを見る。

山を吹き抜ける夜風が寒くてたまらず、程なく下山。


小樽周りで札幌を目指す:


これでこの日の観光は完了。明日はS君の結婚式当日なので、これから札幌へ移動。途中、どこかの道の駅で仮眠し、翌朝札幌入りするつもりである。
我々が参席する披露宴は11時からと言うことなので、まぁ早く着きすぎたら札幌の市街地でも散策して時間を潰そう。

で、函館を出発。函館から札幌へは苫小牧経由と小樽経由の2つのルートがある。いうまでもなく苫小牧経由の方が距離が短く、道も走りやすいので、そちらに進むべきだったのだろうが、そっちの道は過去に走ったことがあったので、まだ走ったことのない小樽経由で行ってみたくなった。

上述のとおり、明日は披露宴と言う大事なイベントが控えている。常識的に考えればイベントに備えてなるべく早く寝た方がいいに決まっているのだが、当時の自分は冒険心の方が勝ってしまい、小樽周りのルートの方を選んでしまった。昨日もほとんど寝てないというのに。



2003/09/13

案の定、小樽周りのルートは走れども走れども札幌に着かない。また途中の長万部から先は街らしい街もないので、ひたすら暗い夜道だ。当然、眠くなってくる。

でも、明日のことを考えたらせめて小樽の手前くらいまでは進んでおきたい。道程を楽しむ余裕もなくひたすら眠気と戦い続けるドライブはちっとも楽しくなかった。

結局、午前3時を回って眠気が限界に達し、ようやく見つけた道の駅いわないでギブアップ。
道の駅は積丹半島の南の付け根に位置する岩内町と言う町にある。まだ小樽はだいぶ先だ。こんなことで明日の式に無事参列できるのだろうか。。。


死んだように眠って7時くらいに起床。まだ眠いが、ぼちぼち行動開始しないと間に合わない。ということで朝食もそこそこに出発。
小樽に入る頃には9時を過ぎていた。流石にちょっと焦る。小樽から先は高速で一気に向かった。

さて、冠婚葬祭への参列なので、私服でと言う訳には行かない。もちろん礼服は持参しているのだが、まだ着替えていない。
泊った道の駅で着替えて来ればよかったのだが、なんか片田舎の道の駅で品川ナンバーの車に乗った人が礼服なんか着ていたら、周りの人から奇異の目で見られるのではないかと言う気恥ずかしさが先立ってしまい、もう少し先で着替えようと思ったのだ。

どんだけ自意識過剰なのか?と言う話だが、当時まだ20代。まだまだ多感な時期だったのだ、と思いたい。


で、どこで着替えるかを運転しながら考えていたのだが、よくよく考えてみると着替えるための部屋、というか空間を備えた公共の施設などそうない。一番確実なのはお店のトイレの個室だが、コンビニやスーパーのトイレでそれをやると、店員から奇異の目で見られかねず、それは避けたい。と言うことであれこれ考えた結果、途中のPAのトイレで着替えることにした。

カミさんも同様にトイレで着替える。女性のメイクアップをPAのトイレでやらせるなんて、今思えばちょっとひどすぎる。
元々あまりメイクにこだわりがないせいか、特段の困難はなかったと言っていたが、もう少し気を使うべきだった。


式への参列と札幌観光:


札幌に着いたのは10時半ごろ。またしてもギリギリであるが、どうにか間に合った。
宴席でS君と新婦にお祝いの言葉を投げかけた。
これもまたよくよく考えれば、カミさんはS君との面識はないうえに、まだ自分の奥さんでもない。普通そういう人は参列させない。
どこかで降ろして、市内のデパートとか公園辺りで時間を潰してもらうべきだった。。。


披露宴は昼過ぎにつつがなく終わった。メインイベントを無事に終わらせることが出来てホッと一息。
この後は我々の旅の続きとなる。とりあえず、今日の午後は札幌観光に繰り出すことにした。

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ただ、寝不足が極まっていたせいか、あまり観光の記憶がない。
時計台、大通公園、テレビ塔など、定番の観光スポットは一通り見て回ったはず。それからデパートでお土産を物色したのだったかな。。。

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夕食もこれまた定番中の定番、サッポロビール園でジンギスカン。
ここではジンギスカンが食べ放題となっている。まぁ、お得感を感じるほど安くはないが。

もちろん、腹いっぱい食べた。


なぜかS君の自宅へ:


で、食事が済んだら後は寝床を決めて移動。明日は旭川を経由して網走の方まで行く予定なので、そちら方面の道の駅を探していたら、S君から電話がかかってきた。

「今からウチに来るっしょ。」

え。あなたたち新婚初夜でしょ?流石にそんなところにお邪魔はできないよ。そう答えるが、S君は遊びに来いと譲らない。
そこまで言うなら、と急遽S君夫妻の自宅へお邪魔することになった。

時間は21時過ぎくらいだったかな。新婚初夜というのももちろんあるが、それよりなにより今日は式で一日忙しかったはず。特に奥さんは内心もう横になりたいと思っているんじゃないか、と気兼ねしつつのお邪魔だったが、2人して笑顔で迎えてくれた。


それから、久しぶりの再会を祝して、ちょっとした宴に。
色々話題は尽きず、そうした話に花を咲かせていたら、いつの間にか日付が変わっていた。



2003/09/14

気遣って早々にお暇するつもりだったはずが、いつの間にか打ち解けてしまってる。だが流石に長居しすぎた。奥さんはのほほんとした表情で我々を迎え入れてくれているが、内心いい加減にしろ、と思っているに違いない。

もちろんウチらも、ぼちぼち移動しなければ明日以降の行程に差し支える。ということでぼちぼちお開きである。
それで、んじゃ我々はそろそろ、、、と切り出したら、2人はこの後どこへ行くのか、と聞かれた。

網走のほうへ、と言うと、

「じゃあ、うちらもついて行くよ!」

いやまてw少しは奥さんを気遣いなさい。

●●ちゃんもいいでしょ?と奥さんに振ると奥さんも二つ返事でいいよ、と回答。ほんとに??
カミさんはちょっと微妙な顔をしていた気がするが、奥さんがいいよ、と言うならこちらとしては断る理由がない。

ということで2名x2台で隊列を組んで旭川に向けて出発。いいのかな。。。

Posted by gen_charly