鹿児島へ【4】(2006/08/15)

しまなみ海道:


2006/08/15

お義父さんの運転で結構夜遅い時間まで走り通して、気が付いたら尾道最寄りのパーキングに停まっていた。

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再び自分がドライバーになりまずは尾道駅に行ってみた。尾道城が駅名の脇にマスコットのごとく写っているが、実際には丘の上にある大きな城だ。というか正しくは資料館だった建物だ。


まずはしまなみ海道を渡り向島(むかいじま)経由で因島(いんのしま) へ。

しまなみ海道の通る島々は6年ほど前に1人旅した時に初上陸を果たしている。その中でも因島は当時良く聞いていたポルノグラフティのメンバー出身地の島として有名で、前回は歌詞に登場する場所を訪ねたりした。

その後土生(はぶ)港で見つけたパンフレットに触発されてレンタサイクルで生口島を目指してしまったので、それ以外のエリアは見残しになっていた。
ということで今回は島の反対側をぐるっと一周回ってみることにした。

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因島の市街地は島の西岸にあって、今回走行した東岸の方は畑などが広がるのどかな島と言った風情だ。
こういう景色を見たかったんだよね、と1人テンションが上がったが、ご両親はリアシートで寝息を立てている。なんなら助手席のカミさんもうつらうつらしている。

みんなを起してまで見せたい景色と言う訳でもないので、この気分の高揚は自分1人で楽しむことに。

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その後、生口橋を渡って生口島(いくちしま)へ。前回はここをマウンテンバイクで渡ったが、車で渡ったらあっという間だった。

しまなみ海道を構成するのは西瀬戸自動車道と言う有料道路だが、この道は各島の間を部分的に開業させながら延伸してきた。
前回訪問時は生口島内や大島内の区間が未開業だったため、橋を渡り終えたら一般道へ降りるようになっていたのだが、今年の4月にようやくそれらの道路も完成して、晴れて専用道として尾道から今治までの区間が1本につながった。

なので開通したての道を通ってみたいと思い、生口島南ICまで乗ってから一般道に降りた。


生口島で降りたのはこの島が職場の同僚であるM君の出身地であり、以前自分が島を訪問したことがあると話したら、島の話題で盛り上がったことに端を発する。
前回訪問時は彼の実家のある集落は素通りしてしまっていたので、近くに来たよと写真付きで報告をするためだ。

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彼の故郷はこの辺らしい。いい所に住んでるな。

高根島:


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その港から背後を振り返ると黄色い橋が架かっているのが見える。橋の向こうの陸地は高根(こうね)島という。
島は一周11キロほどの小さな島だが、山がちで最高所が300mを越す険しい島でもある。

橋で渡れる島ならぜひ渡って上陸記録を伸ばしたい、と言うことで橋を渡ってみることにした。

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橋はさっき通って来たしまなみ海道の橋と比べるとシンプルだが、結構な高所を一跨ぎしているため、島へ渡り切ると大きく旋回しつつ高度を下げて、海岸沿いの県道に繋がっていた。ということで島旅36番目の島は高根島となった。

島内を一周する道路があるようなので島を一周してみようと思う。
県道は1車線の鄙びた道路で走っている車もほとんどない。この道を反時計回りに進む。やがて道は山の方向へと向きを変えて、斜面を一直線に登る。

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すると突き当りにトンネルが口を開けていた。
このトンネルは内の浦トンネルと言うらしい。ご覧のとおり半分ほどが素掘りのトンネルだ。こうした古いままの構造物があったりするから離島めぐりはやめられない。

道幅は一車線分しかないのでトンネル内でのすれ違いは不能。対向から車が来たらどちらかが後退しなければならない。
そうならないことを祈りつつ恐る恐る進入。


ずっと、車の中でぼんやりと景色を見ているだけだった車内の乗客たちも素掘りのトンネルには興味津々。遊園地のアトラクションに乗っている時のようなはしゃぎっぷりだった。

トンネルは100mほどの長さがあるが、対向車と遭遇することなく通過することが出来た。
(このトンネルはその後改修され、現在はもっと幅の広い快適なトンネルに生まれ変わってしまったとのこと。)

トンネルを抜けたら山を下りどこまでも長閑な道で島をぐるりと一周。車窓から見えるのはほぼ瀬戸内海と畑。海はひたすら穏やか。

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橋の上から見る海峡は本当に狭い。どう見てもちょっとした川の河口付近くらいにしか見えない。だが、静かに水を湛えているだけのように見えるその水面も、潮の満ち引きに合わせて水位を上下させる。そういうタイミングで通りかかっていたらまた違う景色が見えるのかもしれない。

芸予諸島(愛媛県側):


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生口島に戻ったらそのまま今度は多々羅大橋を渡って大三島(おおみしま)に上陸。
この写真は瀬戸田PAからの眺めだろうか。既に記憶がない。
この海峡に県境があり、こちら側は広島県、向こう側は愛媛県となる。


ぼちぼち小休止をしようと言うことで、橋を降りてすぐのところにある道の駅多々羅しまなみ公園に立ち寄り。
ここは本当に小休止だった。道の駅の建物の裏手で多々羅大橋を眺めて記念撮影などをするのみで、後はトイレ休憩をしたらすぐ出発。

大三島と伯方島は我々にとって目を引く観光スポットが余りない島である。長閑なしまなみの風景もぼちぼち食傷気味なのか、車内の面々の歓喜の声が少なくなりつつあったので、先を急ぐことにした。


そして大島に渡る。大島から今治の間にかかるのが来島海峡大橋という。この橋は世界初の3連吊橋ということだが、前回訪問時は高速バスの中で爆睡している間に通過してしまったので全く記憶にない。

橋が良く見える海岸沿いに道の駅よしうみいきいき館があるということなので、一旦高速を降りて立ち寄ってみることにした。

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これが来島海峡大橋、圧巻である。来島海峡と言うのは大島と四国本土の間の海峡を指すが、この海峡は幅が4キロほどある。だが、間に武志島や馬島などの小島があるため、この橋はそうした島々を足場にした3つの吊り橋によって構成されている。

一列に主塔が整列した姿はさながら巨人の行進のようだ。あるいは和歌山の橋杭岩


そして今度は渡る番。

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橋の上からの眺めもまたスケールが大きい。前回こんな橋を寝て通り過ぎたなんてどうかしている。あの時の自分を叱りつけてやりたい。

道後温泉:


さて、しまなみ海道も通り終えてとうとう四国に上陸。
四国に上陸した後、今治から鳴門までの間にどこに立ち寄るかはまだ決めていなかった。少し前に車内で一頻り相談した結果、まずは道後温泉に行ってみたい、となった。

方向的には一旦反対方向へと進むことになるが、道後温泉は誰を連れて来ても外さない定番スポットなのでまぁいいか。


道後温泉には14時ぐらいに到着。道後温泉から少し離れた道後公園近くの駐車場に車を置いたので、温泉までブラブラと歩く。
ほんの10分ほどの道のりだが、ここまでほとんど体を動かさず鈍りまくっていた我々にとっては、程よい運動となった。

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途中、伊予鉄道の道後温泉駅の脇を通りかかった際に、坊ちゃん列車が丁度やってきたので、ちょっとだけ隊列を離れて撮影。。。と思ったら脇でお義父さんも撮影にいそしんでいた。

この汽車は写真映えするいい素材になりそうだ。

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2度目の道後温泉。前回戸惑いながらも無事に入浴を果たしたので、今回は利用方法はバッチリ把握している。
今回も休憩は選ばなかった。時間的な理由もあるがそう言う所にコストをかけて風情を楽しむという文化がカミさんにないので致し方なし。

でもまぁこの温泉はお風呂に浸かるだけでも十分満足できる。いつ来てもいい湯である。流石日本三古湯のひとつだけはある。

ここのお風呂は湯温が高めなので流石のカミさんたちも早々に上がってきた。30分ほどで再び集合となり、この後の予定について再び話し合った。結果、讃岐うどんが食べたいとなった。

自分も讃岐うどんをは食ることには賛成だがここから香川県までは結構離れている。あまり詳しくはないので、どこのなんという店がお薦めかという情報を持ち合わせていない。それに名店と呼ばれるような店はどこも結構早い時間に閉店してしまう印象がある。なので今から移動してもあり付けない可能性がある。
カミさんやご両親にもヒアリングしてみるが、誰も具体的かつ有益な情報は持ち合わせていなかったので、とりあえず一旦高松を目指して探して見つからなかったら誰かに聞こう、と緩く決めて出発となった。

高松のまずい讃岐うどん:


高松駅を目的地に設定して走り続けること3時間、19時ごろにようやく到着。とりあえず自らの足でブラブラと駅前を歩いてお店がないかチェックしてみたら一軒だけ開いている店を見つけた。

その店は立ち食いそば屋風の店構えで、実際列車に乗る前に軽く腹ごしらえという使われ方をしている風である。
自分的にはこういう店に入って当たった試しがないので入店を躊躇したが、雰囲気があるから案外アタリかもという周囲の意見に押されて入店。まぁ他を探すのも面倒だったのでここでいいかと思ったからと言うのもある。


自分は肉うどんを、カミさんは冷やしうどんをそれぞれ注文。
肉うどんはまぁ可もなく不可もなく、と言う味だった。立ち食いうどんならこれで充分だが、讃岐うどんを食べに来たのだという視点で評価すると流石に及第点はあげられない。

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カミさんの注文した冷やしうどんは更にひどかった。
麺はゆですぎて伊勢うどんのようになっているし、洗いが足りないのか水があっという間に濁っていく。

これにはカミさんが相当な不満を漏らしていた。カミさんの食い物に対する執着心は相当なもので、今もって讃岐うどんの話題になると必ずこの時の悔しさを朗々と語り始めるほど、このうどんのまずさには閉口したらしい。

結果的に不満足な讃岐うどんとなってしまったが、まぁ胃袋には収まったので腹は膨れた。イマイチしまりが悪い感じだが、まぁそれも旅の醍醐味。そう思わないと思い出として消化できないw

淡路島のガソリンスタンド:


さて、ここからはひたすら帰宅である。前述のとおりこの後は淡路島を経由して本州に再上陸する。
高速で鳴門の辺りまで進んで、さあ、これから淡路島に上陸と言うタイミングで給油ランプが点灯した。

確か淡路島の高速道路上で給油が出来るSAは島の北端にある淡路島SAだけだった筈。流石にここからそこまではガソリンが持たなさそうだったので、やむを得ず島を渡ったところで高速をいったん降りた。

それからガソリンスタンド探しの旅が始まった訳だが、当時はスマホなんてなかったので、ネット情報を簡単に調べることも出来ないし、そう言う情報もまだそれほど充実はしていなかった。なので自らの足でもって探すしかない。


ガソリンスタンドは街中を探し回るよりも街道沿いを流した方が早く見つかるだろうと思い、島の東側の国道を進んで見ることにしたのだが、走り始めて最初の頃に何軒か見つけた店はリッターあたりの値段が地元と比べて10円以上高かったので、ちょっと見送っていた。

数軒目に見つけたガソリンスタンドの単価表示が地元と同じくらいだったので、これ幸いとそこに入って満タンにしたらお会計をしてびっくり。外に掲示している単価が税抜きだったのだ。お会計はしっかり税込みでその単価は他の店と大差なかった。完全に騙された。

まぁ考えてみたらこういう所で自分の所だけ大幅に安く、なんてやり方をしていたら生き残ることが出来ない。大抵は横並びになる筈。ヨソより高くなかったのはせめてもの救い。これも勉強。

六甲山展望台:


ここまで走ってきた国道はいい感じに流れていたので、明石海峡大橋の手前までそのまま進んだ後、再び高速に乗り明石海峡大橋を渡る。だが、路上に掲示されていた渋滞情報によると、この先でお盆の帰省渋滞が発生しているらしく、数十キロ単位の渋滞と表示されていた。

流石にそんなところに巻き込まれたら抜けるまでが拷問になってしまうので、神戸であっさり高速を降りた。少しでも空いている経路がないかカーナビであれこれ検索したら、六甲山の裏側を通る道はさほど混んでいないことに気が付いた。そのままその道を進んでいけば渋滞区間が終わる辺りに出られるようだったので、迷うことなくその道へと進んだ。

今思えば、六甲山の山越えをしてまで遠回りするルートが果たして本当に適切なルートだったのかは微妙な気がするが、ノロノロ運転をするくらいなら遠回りでもずっと走っている方がよっぽど気楽である。

どうせ六甲越えをするのだからと、途中山頂展望台に立ち寄って小休止。

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六甲山頂から見下ろす神戸の街並みは天の川のようだった。

その後茨木ICから再び高速に入ったがそこから先の渋滞はなく至って快調。お義父さんから何度かそろそろ運転変わろうか、と申し出てもらったがこれまで割とお義父さんに運転を任せている時間が長かった気がするのと、わざわざここで運転を代わらずとも家まで帰れそうだったのとで、自宅まで運転しきって明け方に自宅に到着。無事解散となった。

あとがき:


鹿児島という自分にとって未知の世界に初めてマイカーで足を踏み入れた訳だが、まぁ、ひたすら遠かった。遠かったが現地では割とのんびりと過ごせたし、見る景色はすべてが新鮮だしで遠征を満喫することが出来た。

今後の親戚付き合いは、そういうのに慣れていない自分にとってどのようなものになるのか未知数ではあるが、まぁうまいことやっていきたいと思う。何より鹿児島と言う自分にとって全く縁のなかった地に縁が出来たことがうれしい。

これを機にたまには鹿児島に行ってあちこち観光なんかもしたいと思うが、果たして。

(おわり)

Posted by gen_charly