はやぶさ乗り納めツアー - 4(2008/11/22)

— ツーズンキョー —

江戸時代、白糸台地は三方を川に囲まれているにも関わらず、そのどれもが深い谷となっていて、非常に水利の悪い土地でした。

この状況を改善する為、白糸台地と同じくらいの標高に位置し、白糸台地側からみて五老ヶ滝川の対岸となる台地を流れる五老ヶ滝川の支流を利用する事が考えられました。

しかし、これを白糸台地側に引く為には、谷間を流れる五老ヶ滝川を跨ぐ必要があり、そのために建設された水道橋がこの通潤橋です。

九州地方では、江戸時代から石橋の建設が盛んで、長崎の眼鏡橋などが有名ですが、この通潤橋はそれら石橋の中でも最大級のものとなっています。

また、逆サイホンという原理を用いて、対岸まで水を引いており、その技術的な完成度の高さから、国の重要文化的景観に選定されているものです。

で、この橋の真中には、橋を流れる水によって堆積した泥やゴミなどを除去する為の穴が設けられていて、普段は閉じているのですが、年に何度か放水を行っています。

季節によってはお昼頃に観光客へのデモンストレーション的に放水する事があるそうで、上にも書きましたが、逆サイホン方式なので、水路には常に水圧が掛かった状態になるため、放水時には、下を流れる五老ヶ滝川へ見事なアーチを描いて放水される様子を見る事が出来ます。

原付が訪ねた時期もお昼頃に放水を行っているとの事だったのですが、時間を見ると既に1時前。
望み薄、と思いつつもはやる気持ちを押さえて到着すると。。。

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・・・・・・。

どうやら放水は終わった後のようでした。。。
もしかしたら1時から始まるものと勘違いしているかもしれないと思い、付近の看板を何度も見直しましたが、残念ながら12時からの放流で間違いないようです。

吐水口からは、先ほど放水が有った事を物語るようにしずくがポタポタたれ落ちています。。。
最高にがっかりです(--)

事前に予約しておけば、5000円で随時放流をやってくれるらしいのですが、予約もしてないし、後の予定も有るので、とりあえず今回は諦めのようです。。。

まぁ、折角来たので、橋の上に上ってみたいと思います。

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橋の上から道の駅方向を眺めた所。

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ちなみに、橋の上はこんな感じです。
ご覧のとおり両側に柵も何もありません。

縁に立って下を眺めると、、、

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こんな感じです。
腰が引けて、中途半端な写真になってしまいましたが何か?

白浜の三段壁(さんだんへき)へ行った時以来の恐怖感。。。

家に帰ってきた後、ここから落ちる夢を何度か見てしまったのは、ボクとみんなの秘密だよw
ちなみにWikiによれば今までここから転落した人はいないそうです。

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それはさておき、これが、吐水口の栓の部分。
これをどうやって抜いたり差し込んだりしているのかとても興味深いです。

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そして橋の端に行って見ると、ご覧のとおり、余った水を五老ヶ滝川に放流する吐水口があり、一直線に流れ降りています。

何気にこれはこれで見ごたえのあるものでした。

通潤橋はそこそこ有名な観光地だと思っていたのですが、原付が何冊か見たガイドブックには記載が無かったのが意外です。

再び道の駅に戻ってくるとなにやらでかい人形のようなものが有りました。

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地元で開催される八朔祭の造り物だそうです。
写真で見ると大きさが伝わり難いですが、何気に奥のケンタウロスで4mくらいの高さが有ります。
シュロ(かな?)や松の葉などで造りこまれています。

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そして、造り物の裏にある通潤橋を模した水呑場。
ちゃんとアーチのてっぺんに排水用の穴があいています。

残念ながら蛇口のハンドルが外されていて、現在は使用中止のようです。。。

さてさて、そろそろいい時間になってきたので、お昼にしようと思うのですが、残念ながら道の駅にある食堂は満席。

仕方がないので、次の目的地、高千穂へ向かう道すがら、どこか見つけた食堂に入ることにして、車を走らせるのですが、なかなか見つかりません。
暫く走らせていると、別の道の駅「清和文楽邑」がありました。

立寄ってみると、レストランも空席が有って入れそうだったので、ここでお昼にする事にしました。

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原付が注文したのは「だご(だんご)汁定食」。
右下の汁物がだご汁です。

だご汁というのがなんなのか興味が有ったので注文したのですが、要するにすいとんです
なかなか美味しかったですが、ちょっと値段が高いような。。。

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カミさんが注文したのは天ぷらうどん
だしが薄味で麺にもコシがあって美味しく食べられました。

食事を済ませて、次の目的地、高千穂に向かいたいと思います。

— 神話の里 高千穂 —

道の駅「清和文楽邑」から国道218号線をひた走り、峠を越えると宮崎県五ケ瀬町に入ります。
宮崎県といっても、山深い地域なので、宮崎の南国チックなイメージとは程遠い場所です。

五ケ瀬町からもう一山超えると高千穂町に入って、程なくして高千穂の市街に到着します。

高千穂は、周辺に高千穂神社や天岩戸神社など、神話の舞台となったと言われる史跡が点在しており、じっくりと見て回ると結構面白い場所なのですが、まずは鉄道ファンとしてみておきたい、高千穂鉄道の高千穂駅を訪ねてみたいと思います。

高千穂鉄道は、国鉄高千穂線を引き継いだ第三セクター鉄道です。
国鉄時代から赤字路線だったので、引き継いだ後も厳しい経営が続いていたようですが、沿線には神話に因んだ名所や、高千穂峡、日之影温泉、水面からの高さが日本一の高千穂橋梁などがあり、トロッコ列車などを導入して観光開発を行なって、それなりの成功を収めていた矢先、2005年9月に襲った台風で、沿線に甚大な被害を被ってしまい、それ以来運休となっていました。

被害が甚大だった延岡側の半分は復旧を断念して昨年廃止されてしまいました。
一方、比較的被害が軽く、観光名所が多い高千穂寄りの残り半分については、観光鉄道としての復活を模索したのですが、調整が難航してしまい、こちらもついには先日全線廃止の発表が出されてしまいました。

この辺の存続・廃止に関わる流れについては若干ややこしい話も有ったようですが、いずれにしても全線廃止となれば、車両は間違いなく、売却か解体となってしまうため、なんとしても見ておきたいというのが有ったので、今回の旅行のコースに含めたのでした。

高千穂市街に入って、駅のほうへナビの案内に従って走っていくのですが、道がいまいち入り組んでいて良く分かりません。
2度ほど付近を行ったり来たりしてやっと駅へ続く路地を見つけて駅に到着しました。

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駅前はこれといった施設も無く、入口が閉じられた駅は寂しい限りです。
脇からホームに入れそうだったのでお邪魔してみる事に。

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ホームでは、カマキリがお出迎え
カマキリなんて久々に見ましたよ。。。

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列車が運転していた頃の看板が出されたままになっていますが、駅舎に人気は無く、中央の扉には、、、

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ご覧のとおりの張り紙が掲載されていました。
なんとも寂しい現実を見せ付けられてしまった気分です。。。

誰も人気が無さそうだったので、奥に留置されている車両を見に行ってみました。

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奥の留置線に3両まとめて止められていたのが、高千穂鉄道の主力レールバス、TR-100形です。
復活の日を夢見て手入れがなされていたのか、車両自体の見た目はそれ程くたびれておらず、ちゃんと手入れをすれば、まだまだ走り出しそうです。

事実、廃止が決まってしまった為、これらの車両の処分が必要になるのですが、阿佐海岸鉄道へ譲渡する話も上がってきているそうです。。。

高千穂橋梁や、日之影温泉なども訪ねてみたい所なのですが、時間がもうあまり残っていないので、若干後ろ髪を惹かれる思いで駅を後にして、高千穂峡に行ってみようと思います。

高千穂峡は思いの外、市街地から近い所に有って、高千穂駅からでも車で10分くらいの時間で到着します。
駐車場を探して山道を登っていくと、無料駐車場は満車で、更に先にも無料駐車場がある、という表記があった(ような気がする。。。)ので、更に登って行くと、道には観光客があふれ、運転に気を使います。。。

観光客を上手く捌きつつ登って行くと、道が細くなる手前の場所に駐車場がありました。
登っていって折り返せなくなるとしんどいので、とりあえずそこに入れてしまおうと頭を突っ込むと、案の定というか、料金所あり。
料金、一日500円ナリ。。。

観光地に行くとよく見かける方式ですが、一日で500円と聞くとそんなに高くないようにも感じますが、そんなに長時間止めるつもりもなく、せいぜい一時間くらいで戻って来るので、そうなると一時間500円と言う事になり、東京都心部の駐車場と大して変わりません。。。

沿道に建つみやげ物屋には、さすが宮崎だけにどこに行ってもおでこのテカった某知事のイラストの入った商品が所狭しと並べられていました。
試食に出ていた地鶏をひとつ口にしてみましたが、時間が経ってしまったからかも知れませんが、なんだかパサパサした感じで、あまり美味くなかったのが残念な所です。。。

気を取り直して、ガイドブックにも必ず載っている、高千穂峡を見てみたいと思います。

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こんな感じです。
まぁ、良くあるアングルの写真です。

ボートは残念ながら原付たちが到着した時点で当日の予約が一杯で借りられませんでした。
こぎ方が下手なのか、崖やら他のボートやらにぶつかりまくっている人が結構いて、橋から眺めてると、あっちでガツン、こっちでゴツンと狭い谷間にこだましていました。

写真の中に見える滝も、高千穂峡らしさを表わすのに一役買っているものですが、何気に崖上には小さな人工の池が有って、そこからの水が放流されているもので、ちょっと造り物っぽかったのが残念です。。。
(人工の池への水はちゃんとした小川から引かれていたので、そこに元から滝はあったようですが。)

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ご覧のとおり、高千穂峡の両岸の彫刻刀で削ったような造形(これは柱状節理、というものですね。)はお見事の一言に尽きます。

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高千穂峡は、上でも述べたとおり、神話の里として有名になり、観光地が多数訪れるようになったのですが、だからといって、この人ごみは。。。
バスで来る団体さんが結構多いようですね。

さてさて、日もだいぶ暮れてきたので、再び阿蘇方面に戻って、温泉にでも入って冷えた体を温めようと思います。
ついでに高千穂鉄道がらみと言うことで、かつて高千穂鉄道を走っていたTR-200形が保存されているという「トンネルの駅」が経路の途中にあるので、そこへも行ってみたいと思います。

高千穂の市街を抜けて、国道325号線を阿蘇方面に向かって走ると、20分ほどで「トンネルの駅」に到着します。

地図を見ていただくと分かるのですが、阿蘇のカルデラを走る南阿蘇鉄道と、延岡から西進する高千穂鉄道が、双方の県境に向き合ってお互い手を伸ばしているような形になっていると思います。

この路線は国鉄時代、豊肥本線立野駅から日豊本線延岡駅を結ぶ東西の動脈として計画され、両側から建設して行ったのですが、最後に県境を越えるという段になって、掘っていたトンネルが地下水脈をぶち抜いてしまい、大変な量の出水に悩まされる事になり、更に運の悪い事に、その水脈は付近の農地に水を供給していた地下水で、あたり一帯が干上がってしまった為、結局トンネルは放棄され、その後、開通する事が無いまま赤字路線ということで、第3セクターに移行され、まぁ、現在の状態になっているというわけです。

トンネルというのは、年中温度が一定に保たれるので、この放棄されたトンネルをお酒の貯蔵庫として活用し、隣接する場所をドライブインにしたのが「トンネルの駅」です。

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トンネル内はご覧のように開放されていて、奥のほうまで延々と酒樽が積まれています。

ここのオーナーが高千穂鉄道を何とか復活させようとされていた方で、その縁か分かりませんが、高千穂鉄道でかつて走っていたTR-300形を譲り受け、列車喫茶に改造して使用されています。

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こんな感じです。
この列車喫茶の名前は「きっ茶ポッポ(きっちゃぽっぽ)」という名前です。

先にみやげ物屋を覗いたら、地酒の試飲サービスがやっていたので、カミさんに一通り試飲させて、程よく酔ってきた所で、こちらの店にも立寄ってみる事に。

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店内はこんな感じです。
元々の車両のレイアウトを上手く生かしてテーブルが設けられています。

オーダーは事前に車両の外側にある食券の販売機で購入する形になっています。
お互いそれ程空腹でもなかったので、ケーキとコーヒー、オレンジジュースを注文しました。

食券を購入して列車のドアの前に立つと、何気にちゃんと自動ドアになっていて、ゴロゴロと鈍い音を立ててドアが開いたので軽く驚きました。

というのも、鉄道車両のドアは、空気の力でドアを開け閉めする物が多い(最近では電気で開閉するものも多くなってきましたが。)のですが、その圧縮空気を蓄積するのにディーゼルカーだとエンジンを回さないとならず、そのためにエンジンを回すとも思えないので、手動で開けるのかと思っていたのですが、センサー方式の自動ドアが後付けで無理やり設置されていたのでちょっと驚いてしまった次第です。

あの重たい扉(鉄道車両のドアは何気に重たい)を動かせるモーターが有ったとは。。。w

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ケーキについて言えば、まぁまぁ、普通の感じです。

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合わせてさっき試飲したみやげ物屋の方でこんなものを見つけたので、これも飲んで見ました。
これはなんでしょう?オロナミンC?栄養ドリンク?

いえいえ、これは「ベビーコーラ」という名前のコーラです。
延岡の小野商会という所で造っているそうです。

地コーラ?

味はコカコーラなどに比べると若干薬っぽい感じですが、ドクターペッパーよりは薬臭くない感じです。
いかんせん小さいので、一瞬で飲み干してしまいました。

ケーキで一息ついた所で、再び車を走らせて温泉に向かいたいと思います。
場所は、前のエントリーで書いた白水水源の近くの白水温泉「瑠璃」 です。
写真をすっかり撮り忘れてしまったのですが、小奇麗な建物で、宿泊施設も併設しているようです。

風呂は流石に阿蘇のふもとの温泉だけにいい湯でした。

風呂から上がり、晩御飯をどうしようかと言う話になったのですが、昨日阿蘇までやってくる道すがらに何軒か見かけた、「おべんとうのヒライ」 という店が気になったので、そこに寄って見る事にしました。

店内に入ってみると、コンビニ+オリジン弁当+山田うどん(関東の人にしか分からないかな?)、といった風情で、雑貨と量り売りのお惣菜、軽食が食べられる店舗、と言うような作りの店でした。

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軽食コーナーの料理も気になったのですが、店内で購入したものも、軽食コーナーで食べられると言うので、適当におかずを選んで食べる事にしました。

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まぁ、お惣菜は写真のとおりで、揚げ物に関しては期待する方が間違っていると言うレベルですが、もつ煮込みは結構美味かったです。

食事を済ませて後は明日の出発地、天草に向けて車をひた走らせます。
天草上島にある、道の駅「有明」が本日の宿泊予定地です。

・・・・・・が、その道中、宇土半島にある、道の駅「宇土マリーナ」に休憩で入ったのが運の尽き(?)
眠さが限界に達して、先に進む事が出来なくなり、結局本日はここで宿泊する事になりました。

Posted by gen_charly