南東北の旅 - 9(2012/08/12)
— 栗駒のあの後 —
車に戻りナビに従って国道457号、398号と抜けて荒砥沢ダムへ。
荒砥沢ダムは岩手宮城内陸地震の際に湖畔の山が大規模に地すべりを起こした場所です。
前回訪ねた時には、ダムの堤体へ上がる道が通行止めとなっていて、その崩壊の様子を見ることが出来なかったのですが、出発前にネットで調べていたら、堤体脇を抜けて旧高平牧場や耕英地区方面へ抜ける林道が4月に開通したとの情報が出ていて、そこから崩壊箇所を望むことが出来るらしいということで、再訪したいと思っていたところです。
果たしてダム堤体を正面に見る県道のどん詰まりまで来ると、道が三方に分かれ、左は深山牧場方面へ行く道、正面はダムの周囲を通る道ですが、ここは相変わらず通行止めで、新たに開通した道は右折のようです。
右折してすぐに道は九十九折になってダムの堤体を一気に上っていきます。
堤体越しにみた愛染湖。
堤体の脇に延びる道を更に進んでいくと、「愛染湖ふれあい公園」と名づけられた広場がありました。
そこに車を停め、たかるアブを払いのけながら何枚か写真を写してみました。
薄くガスがかかり、今ひとつコントラストの低い写真しか撮れませんでしたが、それでも派手に崩壊している様子はここからでもはっきりと分かりました。
ただ、ここから見えるのはこのアングルだけで、もう少し近くまでいけそうな道はこの先で通行止めだったので、どう頑張ってもこれ以上良いアングルはなさそうです。
仕方ないので引き上げることに。
前回の来訪時にはその姿を捉えることが全く出来なかっただけに、一部でもその姿を見ることができたのは大きな収穫となりました。
ちなみにダムの少し下流にある「文字温泉さくらの湯」 のサイトによると、この崩壊箇所を「荒砥沢キャニオン」と名づけ、保存していく活動を始められたとのこと。
ゆくゆくはここをジオパークとして公開する予定らしく、そうなったら是非再度近くで見てみたいものです。
ちなみに今でもさくらの湯の受付で申し出ると、付近の展望台がある山への入山許可が貰えるそうです。
そのまま耕英地区へ続く林道に合流し、前回通りかかった冷沢の崩壊地も見てみる事に。
林道を進むと程なく道が分岐し、直進してすぐの所に前回は無かった分岐が再び現れました。
その分岐も更に直進すると、冷沢の崩壊地に出ます。
あれから一年経ち、崩れたままで痛々しい山肌がだいぶ整備されているのが見えました。
それから、一旦戻って前回は無かった分岐を進んでみる事に。
こちらの道は、程なく真新しい橋を渡って、以前寸断されていた冷沢の林道と合流していました。
そして今日の行程もぼちぼち終盤。
最後にこれも昨年訪れている祭畤(まつるべ)大橋へ再訪することにしました。
祭畤大橋手前の秋田県側の道の上に橋の近くまで近づける遊歩道が開通したとのことで、ぜひ見ておきたいと思って来てみたのですが、残念ながら16時で遊歩道の扉を閉めてしまうそうで、立ち入る事が出来ません。
ひょい、と跨げば簡単に進入できそうですが、ただでさえ地盤の不安定そうな場所なので万が一のことが発生したら非常に危険なため、大人しく引き返すことにしました。
— 夜のうたげ —
やや後ろ髪を惹かれる思いで祭畤大橋を後にして、一関のおばさんの家に到着したのは18時半。
到着が遅れに遅れたことを謝って、挨拶を済ませたら丁度晩御飯の準備が出来たということで、早速晩御飯を頂くことに。
「昼くらいに来ると思って準備したったけど、はぁ連絡も寄越さないし、はっぱ(さっぱり)来ねぇから昼の残りしかねべっちゃ(ないよ)。」
おばさんに少し呆れたように言われてしまいましたが、食卓にはそれでも毎度のごとく沢山の小皿が並び、何ともいえない幸せな気分になります。
山寺を登ってきた話をしたら、おじさんのルーツが実は山形で、山寺に先祖代々のお墓があるとの新情報を入手しました。
あそこを毎年上り下りするんじゃ大変だなぁと思う一方、そんな由緒ある所にお墓があるのは羨ましくも感じました。
弟が一ヶ月ほど前に一関を訪れていて、その折に盛岡に行ってじゃじゃ麺を食べてきたらしいのですが、行った店が吉永小百合さんがJRのCMで訪れた店だったそうで、そんな人気店だけに、狭い店内は大盛況だったそうです。
観光客はいちいち作り方とか食べ方とか聞くので時間がかかるので順番待ちができるけど、おじさんたちは年中食べに行ってるから、サーっと食べてさっさと店を出るので邪魔をしない、とのこと。
「あれな、よく写真撮っている人がいっけど(いるけど)な、写真なんか撮ってたっけ(撮ってたら)時間かかってだめなんだー。」
あ、それ俺です。。。w
ついこないだ従弟のお下がりでスマートフォンを入手したようで、
「こないだ、上司から電話かかってきたっけ(きたんだけど)な、出方を教えてもらわなかったから電話出れなくてな。あの時はだいぶ慌てたっけなー。」
明日は早朝から出かけるというのにだいぶお酒も進み、ほろ酔い加減でそんなことを言いながら、そのスマホを二人の前に出して上機嫌のおじさん。
もう還暦を迎えたと言うのに、今からスマートフォンいじりを覚えようと言う気持ちの若さは見習いたいものです。
それから、明日以降行動を共にする従弟と連絡を取って、スケジュールを確認。
明日はお墓参りを済ませた後、沿岸方面を見に行って、従弟の家に宿泊し、明後日は従弟が行きたいという横手のふるさと村に行くことになりました。
明日は9時ごろにおばさんの家に来るとのことなので、お風呂を頂いて12時ちょっと前に就寝と相成りました。